見出し画像

狂気の年間30出展!シリーズAスタートアップが展示会に全力投資を続ける3つの理由

💡この記事は12月に実施される予定のログラスアドベントカレンダーに先駆け、マーケティング部のメンバーが勝手に始めたプレアドベントカレンダー1日目の記事です。

おひさしぶりです。ログラスの刈谷です。
2022年10月にマーケ担当として入社してから1年が経ちました。その間、マーケのメンバーは3倍に増え、私の役割もプレイヤーからマネージャーへと変わりました。そして、会社やマーケティングのあり方も驚くほどガラリと変わりました。

そのマーケティングの大きな変化のひとつが「オフラインマーケティングの躍進」で、その中心にあったのが「展示会」です。
今回は、私たちログラスが展示会に投資し続けてきた理由を整理してお伝えすることで、ログラスのマーケティングについてより解像度を上げていただくこと、B2Bマーケの戦術に悩むマーケ担当者の助けになることを目的に、マーケティング部のアドベントカレンダーの一環として筆をとりました。

この記事がおすすめな人
・展示会施策でのチャレンジを考え情報収集をしている
・ログラスやB2B領域のマーケティング手法に興味がある
・マーケティング活動を通じた組織貢献のあり方に興味がある

そして、私が何者かがわからないとこの記事の説得性もなくなってしまうので簡単に自己紹介すると、新卒でダイレクト系の広告代理店に入社しWeb施策を中心に経験した後、エムスリーグループでマーケマネージャー、セールスマネージャー、サービス責任者を経験、その後アクセンチュアを経てログラスに入社した人間です。
私自身、本格的なB2Bマーケも展示会施策も未経験でしたが、当時採算性の見えづらさから緩く縮小していく展示会施策に「待った」をかけて成功させ、3ブース出展を含む先1年分の投資計画を作ってきました。企画も現場も経験し、未経験の展示会投資の意思決定に必要な勇気やその怖さも理解した上で執筆しているのでどうかご安心(?)して読み進めていただければと思います。

ログラスにおける展示会の軌跡

展示会
展示会とは、多くの企業が参加し、自社の製品やサービスを他の企業に紹介する活発なイベントです。東京ビッグサイトなどの大型ホールで行われることが多く、会によっては万を超える参加者で賑わい、各ブースでの製品説明や名刺交換が活発に行われます。新しい顧客を獲得する絶好の機会であり、最新の市場動向を得るためにも重要な場です。

ChatGPTによる展示会の解説を編集したもの

ログラスの大型展示会への初参加はちょうど約1年前、2022年10月のJapan IT Weekでした。

この展示会を皮切りに、明くる2023年から展示会への投資が増加、今年8月のエバーリッジ社主催のビジネスイノベーションJapanでは初の2ブース同時出展、その2ヶ月後には同日開催のJapanIT WeekとNexTech Weekで初の3ブース同時出展を敢行し、年間で30ブース以上の出展に迫る勢いで、文字通り数・規模共に信じられないスピードで拡大してきています。

ログラスの第1回の大型展示会「Japan IT Week 2022秋」

この期間、ログラスの社員数は50名から70名程度であり、ビジネス職はおよそその半分の、20〜30名程度です。展示会は基本的に、マーケとセールスで参加するので更に数は少し減ります。
1ブースあたりの人員は少なくとも10名は必要な中で、少ない人員で月に2度以上の出展や多面ブース出展へのチャレンジと成功を続けてきました。
社員数からするとこのペースの出展は相当ヤバイはずなのですが、展示会の運用や切り盛りについてのHowは次回の投稿でお伝えする予定です。


なぜ展示会に投資を続けられるのか

各職種、展示会以外の業務も当然あります。実際に展示会と両立させることで意味がわからないくらい忙しかった時期もありました。ではなぜ、限られた人数で負担を受け入れてまで投資を続けてきたのか。

当たり前ですが、まずは採算が合うからです。採算が合わなければ投資はできません。
展示会は特性上、来場者が多い人気エリアで出展すると自ずと購入単価は高くなり、最低限のブース装飾をしたら費用は1000万円を軽く超えます。加えてパンフレットを始め様々な費用がかかり、それらを準備する手間や3日間の人件費もコストとして乗ってきます。
例えるなら、高いお金を払って部活と受験勉強と両立させながら、なおかつ文化祭実行委員長をやっているような負担感があります(?)。

その膨大なコストを上回るリターンがあって初めて投資を続けられるわけですが、ログラスにはそのリターンを支える圧倒的な強みが2つあり、それと同時に直接的な事業成果だけでは語れない3つの理由がありました。


採算性を圧倒的に高くする2つの武器

知れば欲しくなるプロダクト

最も大きいのが「プロダクトが圧倒的に強い」ということです。

そもそもとして日本では、経営管理業務に明確なペインがある一方で、それをシステムで解消できることがほとんど知られていません。
そのため、展示会で実際のデモ画面を見るだけで多くの来場者の方に「こんなものがあったのか!すごくいいね」と言っていただけます。これは、この事業に価値を感じて起業したCEO布川に先見の明があったと言う他ありません。
その上で、Loglassシリーズが「ユーザーにとってかゆいところ」の多くに手が届くプロダクトになっているため「ペインがある方に画面さえ見ていただければ、一気に興味を持っていただける」という贅沢すぎる前提が生まれています。
この「かゆいところ」に手を届かせることができるかがSaaSの肝であり、差がつくポイントです。ログラスのエンジニアは、スキルのみならず、高いレベルでの顧客視点を持っていることから、そこにアプローチできています。

プロダクトがわかりやすく強いので、当然その場で商談の約束に発展するケースも多く、よほど外した展示会でなければ採算が高いレベルで合う構造が生まれています。

※ログラスのエンジニアは自主的にセールスの商談動画を見て顧客理解を深める取り組みをしており、これらの積み重ねも「かゆいところ」に手が届かせるための秘訣です。


強靭なコミット意識を持つセールス

そんな贅沢な前提がある一方で、もちろんハンデもあります。それは「知名度」です。
名だたる大企業や、TVCMなどですでに強い認知を得ている企業は、とりあえずと話を聞いてくれる来場者も多いはずです。昨今当たり前になってきているSFAやMAの領域であれば、多くの企業担当者が比較検討のためにブースめがけてやってきてくれるかもしれません。

一方ログラスは、会社自体も「経営管理のSaaS」という市場自体も発展途上です。ただ待っていても、人は来てくれません。
そのため、ログラスの展示会ではブース前に立ち、呼び込みを行う集客チームの役割が極めて重要になります。

その一方、難しさもあります。それは集客担当きま「声をかけても無視されてしまう」役割だということです。精神的にも消耗しますし、3日間、合計20時間以上コンクリートの上に立ち続ける体力仕事・・・誰もがやりたい仕事かといえば、NOだと思います。
そんな中、ログラスの集客チームの底力は、目を見張るものがあります。会の最中、何度も「あと何枚ですか」と名刺交換目標の進捗確認をしてくれます。
そして圧巻なのは、会終了間際に蛍の光が会場に流れてから、「ここからが本番」だと名刺を20枚近く交換するなど、最後の最後の最後まで粘り強く戦い抜くコミット力を持っています。
「絶対に展示会を成功させ、事業目標も達成させる」という強いコミット力を持ったセールスも、ログラスの贅沢すぎる武器です。

社内の大喜利スレから抜粋。終盤の粘りはログラスの風物詩。※画像は公式のフリー素材です。


展示会に全力投資を続ける3つの理由

遅くなりましたが、いよいよこの記事のタイトルである「3つの理由」に迫っていこうと思います。

理由1 出会うべき人との出会いを通じて市場を切り開ける

展示会の大きな特徴のひとつは、アーリーアダプターと出会えることです。わざわざ都心から少し離れた会場まで足を運び、半日近くをかけて展示会に来る方には情報感度の高いアーリーアダプターの方が多いです。

アーリーアダプター
新しい技術や製品を早期に受け入れる消費者グループです。彼らは革新的なアイデアに対し積極的で、新製品の市場導入初期に購入する傾向があります。市場動向やトレンドを形成する上で重要な役割を果たしています。

ChatGPTによるアーリーアダプターの解説


新しい会社やプロダクトは一般的には多くの消費者には選ばれにくく、全消費者の26%と言われるイノベーター、アーリアダプターと呼ばれる層に一定の評価を受けてから徐々に選ばれるようになっていきます。
ログラスは、会社やプロダクトのみならず、身を置いている経営管理SaaS市場自体がまだまだ成熟しておらず、存在自体を知らないお客様も多く存在しています。そのため、まずはアーリーアダプターに出会うことが重要です。
もちろん、すぐに受注に繋がればそれが一番ですが、短期的に事業成果が確認できるかだけでなく、まずはアーリーアダプターに知ってもらい、社内でデモの感想やパンフレットを共有していただくことも非常に貴重な情報発信で、展示会にはそのような方とプロダクトを引き合わせられるという意義があります。

「キャズム理論とは?キャズムが発生する理由、越えるための7つのポイント」
東大IPC https://www.utokyo-ipc.co.jp/column/chasm-theory/より引用


理由2 お客様と直接会えることで組織が成長する

言わずもがなですが、展示会は直接お客様と出会える場所です。
それも一気に、様々な業種、様々な課題を持っているお客様と出会えるという特徴を持っており、これが成長過程にあるスタートアップ・ベンチャー企業と相性がとても良いです。
成長している企業ほど、毎月必ずと言っていいほど新しいセールスが入社してきます。その一方で、急増するセールス人員に対して教育やイネーブルメントをやり切れていないケースがほとんどです。

そのような課題に対し、展示会はアサイン次第で一気に新入社員のスキルを磨き、目線を引き上げる研修プログラムにすることができます

例えば、入社間もないセールスであれば、展示会で集客担当として現場に立つことで3日で100を超えるであろう顧客接点を持つことができ、結果として顧客インサイトや自身の力量について飛躍的に解像度を上げることができます。
理解が深まってきたら、次はデモ担当としてプロダクトの画面を見せながら深い説明をすることで、より具体的なお客様からの反応やプロダクトの課題を学び、自身のプロダクト理解度や説明力を推し量れます。

ログラスの展示会はセールスの成長曲線を意識しながらアサインのバランスをとることで、商談を抱えるベテラン社員の負担を軽減し、新入社員の早期立ち上がりを支援すること意図して設計されています。

加えて、次の記事で触れようと思いますが、エンジニアやカスタマーサクセスなど、お客様の一次情報が必要な職種についても積極的にこの場に参加してもらうことで、「組織として圧倒的な顧客接点から学ぶこと」を価値として認識し投資しています。

実際に、展示会から気づきを得て自信をつけるセールスが本当に多いです。

展示会で学んだことをまとめる入社間もない遠藤さん
トップセールスの高橋も、展示会接点から様々な仮説を確かめている。


理由3 職種を超えた絆がカルチャーを強固にする

展示会の現場は過酷です。
3日間、ほぼ立ちっぱなしでお客様に声をかけ続けたり、次々と来る様々な業界の方に対して想像力を働かせながらデモをし続けることは、想像以上に精神的にも体力的にも削られます。足は痛くて立ってられなくなりますし、私は展示会初期の頃、必ず展示会後の土日に体調を崩していました(笑)
でも、そのような過酷な環境の中だからこそ、協力し合ったひとつひとつのことで絆が生まれます
協力してアポが獲得できたり、お客様から想像以上の反応がいただけたり、ギネスを達成したり、新しいトークやオペレーションのあり方を共に作り上げたり・・・濃密な3日間を過ごすことで、昨日まで話したこともなかった他職種のメンバーと「戦友」になれるんです。

急成長する会社にとっては、組織の急拡大とカルチャー維持のトレードオフが課題になることが多いと思います。
事業成長のために増員は不可欠だが、人が増えすぎることで組織的魅力が薄まり、組織が内側から壊れていく・・・拡大と維持、これらをうまく両立させなければならない。
そういった難易度Aのバランシングが求められます。

加えて、SaaSビジネスでThe Model(ビジネス組織を細かく分けるモデル)を採用している企業にとっては組織のサイロ化も重要な課題です。しばしば「マーケ組織とセールス組織の分断解消」をテーマにしたセミナーを見かけますが、多くの企業で職種・部署間でKPIや利害の対立は課題になりやすいと思います。

このような壁を取り払う展示会は、設計次第では組織の急成長を支えつつ、カルチャー・組織力も協力に維持するツールになると実感しています。
実際に、展示会後は職種や職歴を超えた連携に感謝するメッセージのやり取りが溢れます。

インサイドセールスからの展示会担当への共に作る喜びと称賛の声。


仲間に自信があるなら、展示会に挑戦しろ

展示会への出展は、正直とても怖いです。
過去に色々なチャネルや施策を経験してきましたが、随一のプレッシャーがあります。

それなりに踏もうとすれば、費用は軽く1000万円を超えることもありますし、多忙な社員達の3日という貴重すぎる時間をもらって実行する以上、絶対に失敗できないプレッシャーもあります。
そんな重荷を背負うのに、実際に当日来場があるかは自分たちではまったくコントロールできない(会当日が雷雨だったら目も当てられないですしね・・・)。

初めて出展する展示会では一週間前くらいから胃がキリキリ痛みますし、開場後も人の少ない冒頭30分は嫌な汗をかきます。

初めての展示会出展だけでなく、毛色の違う展示会、複数ブース出展など・・・B2Bマーケに携わっていたら、そんな勇気を必要とする瞬間がきっと訪れると思います。
でもそんな展示会への挑戦をもしも怖いと感じ、出展をためらっているのなら2つだけ、セルフ診断して欲しいです。

自分たちの仲間は挑戦ゆえの失敗をなじるか?

自分たちのプロダクトを触ったお客様は喜ばないか?

この2つを、まずは考えてみてください。
もしどちらも「NO」なら、お財布事情の許す限り、挑戦することをお勧めします。

確かに、挑戦の結果失敗したら、多くのお金や工数を失うかもしれません。

ただ、多くのスタートアップや新規事業が本当に失いたくないのは、お金や工数ではなく、挑戦せずただ停滞していた時間なはずです。


最後に

ログラスには、失敗しても笑いながら挑戦を称えてくれ、成功するために最大限の努力をしてくれる仲間がいます。
知っただけで「こんなに便利なものがあるのか」と目を輝かせてくれるプロダクトと、それを磨き上げるために職種を超えフィードバックし合える風土があります。

どちらも、ログラスだからこそ備わっている最強の強みです。
もしかしたらここに書いてきたやり方・考え方は、ログラス以外には通用しないのではないか、そんな風に思うこともあります。

「仲間の強みを知り、最大限活用し切る」

それは市場を俯瞰し、仲間を巻き込む企画力が求められるマーケティングポジションにこそ必要な素養だと思います。展示会はただのイチ集客チャネルではなく、その素養を試し、学び、磨ける最高の舞台です。
圧倒的な意義があり、組織を一気に成長させる機会に溢れています。

それらの魅力、挑戦すべき価値が、この記事から少しでも伝わっていたら嬉しいです。

・・・本当に最後に!展示会についてアドバイスが欲しい方、ログラスについてもっと知りたい方、ログラスで展示会を通じてエモく成長したい方(未経験歓迎!)、少しでも興味があったらお話しましょう。知り合いのログラス社員からでも、XのDMでも、展示会会場でも、どこでもお待ちしています!!

私のXアカウントです!お気軽にフォローやDMください!
https://twitter.com/curly0423


ログラスのマーケで働く楽しさをもっと知りたい方に。


ログラスのマーケに興味を持ってくださった方に。

さて、プレアドベントカレンダーのバトンは、ログラスのスーツアクター(
ヒーローの中の人)、高野さん
に渡ります!!
私もまたプレアドベントカレンダーの最後に登場します。引き続きご期待ください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?