マガジンのカバー画像

歴史あれこれ

131
歴史(おもに日本史)について、思うところを綴りたいと思います。
運営しているクリエイター

#近代史

考古学と歴史学と 〜過去を追求する学問とは〜

考古学と歴史学と 〜過去を追求する学問とは〜

九條です。

我が国の過去のできごと(歴史)を専門的に研究する分野には、おもに以下の3つがあります。

(1)考古学
(2)歴史学
(3)民俗学(民族学ではありません)

これらは「広義の歴史学」と言われます。

1.各学問の特徴
以下にそれぞれの特徴をごく簡単に説明いたします。

2.考古学と歴史学
考古学の研究範囲は旧石器時代から始まり、縄文・弥生・古墳・(飛鳥・白鳳)・奈良・平安・中世・近世

もっとみる
【文化の日に思う】「文化」が流行した時代  ~大正時代の頃のことなど~

【文化の日に思う】「文化」が流行した時代 ~大正時代の頃のことなど~

九條です。

今日は2023年11月3日「文化の日」ですね。そこで「文化」という言葉について、その言葉の歴史や周辺のことなどを歴史学的にちょっとだけ考えてみたいと思います。

最後に研究者(学者)の端くれとして、ちょっと厳しい意見も申し上げます。その点はお許しください(本文約3,200文字)。なお、おもな文献の出典などは末尾の註にまとめて記しました。

1. はじめに(文化の定義)
「文化」という

もっとみる
【近代史随想】大阪弁の「どんならん」(動画あり〼)

【近代史随想】大阪弁の「どんならん」(動画あり〼)

【はじめに】
九條です。

大阪弁に「どんならん」という言葉があります。最近の若い人達は殆ど使わないようです。現在も使っているのは、たぶん私の世代(50代)が最後なのかも知れません。

この「どんならん」の意味は、「どうしようもない」「どうにもならない」「お手上げだ」という意味で使われます。

【どんならんの使い方】
例えば、雨が何日も降り続いて屋外での仕事ができないような場合、

という風に使い

もっとみる
【バーチャル・ツアー】古代への小旅行  〜狭山池博物館へ〜

【バーチャル・ツアー】古代への小旅行 〜狭山池博物館へ〜

九條です。

風薫る五月の大型連休。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?

私は昨日(2024年5月2日)、午後から大阪狭山市にある日本最古の人工の「ため池」である国の史跡狭山池と(そのほとりにある)狭山池の歴史を学ぶことができる大阪府立狭山池博物館へ行きました。

この博物館には10年ほど前に1度訪れたことがあるのですが、今回は「古代の土木開発技術を学びなおそう」と思い、再訪しました。

この博物

もっとみる
百年前の広告いろいろ

百年前の広告いろいろ

九條です。

去る2024年3月1日に『大阪歴史倶楽部』にて公開いたしました、約100年前の大正時代(1912〜1926年)に発行された各種刊行物の中に掲載されている大阪市内の企業さんの広告のいろいろ。

その後、好評をいただいています。ありがたいです。

いろいろとご参考になるかも知れませんので、こちらの私個人のアカウントでもご紹介させていただきたいと思います。

100年前の大正時代の広告の数

もっとみる
約90年前(昭和初期)の東京の映像

約90年前(昭和初期)の東京の映像

九條です。

今日も働きました💦

さて、以下にご紹介する映像は、いまから90年近く前の1937〜38(昭和12〜13)年頃に撮影された東京の街の様子です。

戦前の東京の風景が映し出されています。当時の我が国の繁栄の様子がこの映像からよく分かると思います。当時を知るための貴重な資料だと思います。

もし、この映像について「戦後の高度経済成長期(昭和30〜40年代)に撮影されたもの」と嘘の説明を

もっとみる
大正3年の『カチューシャの唄』のことなど

大正3年の『カチューシャの唄』のことなど

九條です。

ずっと以前から気になっていることがありまして…。

松井須磨子さん(1886~1919年)が歌った『カチューシャの唄』。この歌は1914(大正3)年に発表されました。

私は以前、この歌のレコード(戦前のSP版)を持っていて聴いていたのですが、彼女の歌はどうも音程が微妙に不安定といいますか、ほんの少しズレているといいますか…。私にはそういう風に聞こえてしまいます。(>_<)

松井須

もっとみる
歴史を学ぶ醍醐味

歴史を学ぶ醍醐味

九條です。

歴史を学んで何が得られるのか?
歴史を学ぶ楽しさとは何なのか?

ここでは、聖心女子大学准教授の石原 比伊呂先生(日本中世史)の言葉の一部分を引用させていただきたいと思います。

とても分かりやすい言葉だと思います。石原先生は中世史がご専門ですが、言われている内容は考古学から現代史まで通じるものがあると思います。

とくに日本の中世史に興味がおありの方は以下の出典の全文をご覧になって

もっとみる
日本史の時代区分について

日本史の時代区分について

九條です。

日本史の大まかな時代区分を表にまとめてみました。細かい部分については諸説ありますのでお見逃しください。

表の見かたと意味

1段目〔原始時代〕
現在、歴史の時代区分としては使われていない言いかたです。その定義も曖昧で、古墳時代を原始時代とするかどうかも定まっていません。差別・侮辱的な意味合いを含んでいることばでもありますので使わないほうが良いと思います。

2段目〔原史(先史)時代

もっとみる