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思うままに正直に

電話をした翌日の、昼間の喫茶店でこの手紙を書きます。コーヒーしか注文していません。完全にシラフです。だから思うまま正直に書きます。重いかもしれません。途中で嫌になったら捨ててください。



傷つけてごめんなさい。本当に、本当にごめんなさい。

好きでした。今も好きです。会っていない時どれだけあなたを思い出したことか。一緒に行ったところをどれだけ愛おしく想ったか。素敵なものを見つけていつも一番に頭に浮かんだのはあなたでした。

メールが届くと笑顔がほころびました。突然会えると決まった日は全てを放り投げて「可愛いね」と言われたくて身支度していました。言ってくれた時は、心から笑って抱きしめたくなりました。肌を合わせなくても、ただあなたのとなりにいるだけで幸せでした。ずっとこの関係が続いて欲しいと願ったのは私の方です。絶対に。



だからこそ自制心が働きました。恐怖もありました。楽しいや幸せを感じるほどそれらは増してゆき、どうしたらいいかわからなくなりました。お酒を飲まないと押しつぶされそうでした。でもこれはただの自業自得です。

それでも一緒にいたくて、いる時は楽しく過ごしたくて。その安易な物差しで伝えた言葉が、結局あなたに深い傷をつけました。自分勝手極まりない最低な行為でした。本当にごめんなさい。

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あなたはかっこよくてやさしい。家族や親友、周りの人みんなを大切にする。少し大雑把だけどそこはご愛敬。あなたと初めて会った時に感じたあたたかさ、正しかったものです。

私に生きる楽しみをくれました。灰色の日々に色が溢れました。一生忘れない、忘れたくない、夢のような半年でした。そんな時間をくれたあなたを好きにならないなんて到底むりなことでした。

あなた自身のすばらしさがこの手紙から伝わればうれしい。ほんの少しでも。そうしたらこの出会いにも少しは意味があったと救われる気がするのです。



本当に傷つけてごめんなさい。きっとしばらく後悔します。いい天気の日こそ泣く気がします。そして少し経ったら、あなたがしあわせであることを祈ります。ずっとずっと祈ります。

ここまで読んでくれたならありがとう。今まで本当にありがとう。あなたも周りの人たちもどうかお元気で。

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