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イノシシを狩って料理する #未来のためにできること

 「SDGs」、「未来のためにできることは?」と聞かれたら。

 私は「狩猟」って答える。

イノシシ1頭を解体するのに、約3時間かかる

 私と夫が狩猟免許をとったのは、5年ほど前。冬のあいだは、里山の雑木林でイノシシを獲ってる。

けもの道をたどって、歩く歩く歩く

 フツウの主婦が狩猟を始めるのは簡単じゃなかったし、まだまだ慣れなくて正直大変だけど、すごくやりがいを感じてる。

 もちろん、獲ったイノシシは解体してお肉にする。そのお肉は夕飯のおかずになり、私たち家族のお腹に入る。

 私には子どもが3人いて、いま食べ盛りだ。

シシ肉はスライスして冷凍庫に保存

 狩猟を始めて、“お肉”という食べ物がどれほど大変でありがたいものなのか、私は心の底から実感せざるを得なかった。

 獲ったお肉も、買ったお肉も同じ。「いただきます」は生命をいただくこと。残して捨てるなんて……絶対にあってはならない。

きちんと処理されたシシ肉は、フライパンで焼くだけで美味しい!

 さて、こんな話をしていると、「自給自足的な山暮らし」をイメージするかもしれない。

 私たち家族は西日本の大都市にある郊外住宅地に住んでる。

 住宅街に住んでいても狩猟はできる。むしろ、誰かがした方がいい時代がきつつあるのでは?と思う。

(数年前、東京23区にイノシシが出たときは、私も驚いた!)

トレイルカメラに写ったイノシシ

 ちなみに、狩猟免許をとっただけでは、獲物を獲れるようにはなれない。技術のある人に教えてもらわないと、とても難しい。

 それがうまくいかなくて、若手ハンターが育ってないとも言われてる。

猟友会の帽子

 だけど私は運良く、素晴らしい技術を持ったベテランの師匠に出会えた。

 私たちのおもな狩猟のやり方は、ワイヤーを使ったくくりわなでイノシシを獲り、ヤリでとどめをさす。

わなにかかったイノシシ

 けもの道の見つけ方、わなの仕掛け方、解体の仕方、狩猟の心がまえ。他にも、何から何まで師匠に教わった。

 この地域の里山を何十年も歩き続けてきた大先輩は、地形や植生も知りつくしてる。

イノシシのヌタ場

 狩猟には、それぞれの地域に合ったやり方がある。

 高齢化で狩猟者も減ってるけど、地域ならではの狩猟を途絶えさせてはならないと思う。

イノシシの胆のう。薬として利用できるそう

 ハンターの私が未来のためにできることは、狩猟の技術を受けつぐこと、それを次の世代に伝えること。


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