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素晴らしいnote集

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皆さんが人生で培った経験が、古今東西、普遍的価値をもつnote
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#短編小説

ハイジと「傭兵」のお爺さん

ハイジと「傭兵」のお爺さん

大自然の中のハイジは輝いている

スイスの景色は素晴らしい。
限りなく緑の山々が続き、牧場の空気がおいしい。
遠景に見えるアルプスの山々・・・
アニメの「ハイジ」の世界が広がっている。

ハイジは可愛いですね。特にアニメに描かれている少女に備わっている
自然の賢さ・他人を愛する姿勢のすなおさに感動しない人はいないですね。
それに、頑固爺の愛情にあふれた「まなざし」に共感する人が多いで

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【短編小説】支柱

【短編小説】支柱

俺はとなりにいるあさがおを横目で見て舌打ちをする。
今日もきれいに咲いていやがって。一体誰のおかげでここまでこれたと思っているんだ。

いつも注目の的は、あさがおだ。
支柱である俺にはだれも見向きもしない。

この前、子どもが熱心に書いてた絵日記には、やっぱりお前しか描かれてなかった。

きっと、俺はこのまま誰の記憶にも残らず一生をおえるんだろう。

ある日、あさがおに異変が起きた。
鮮やかな色は

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【短編小説】「神よ、」

【短編小説】「神よ、」

 西への旅の途中で、ある異国の地を訪れた。

 正午を告げる鐘がなったその時。ところどころ崩れてぼろぼろになった石造りの神殿に群衆の大合唱が響いた。

「神よ、我らをお助けください!」
「お助けください!!」

 皆、つぎはぎだらけの貧相な服を着て、天を仰いでいる。虚ろな目で必死に叫んでいるさまは、まるで酒や薬物におぼれているかのようだった。

(……すごいところに来てしまったな)
 私は内心苦笑

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【短編小説】三途の川の渡し賃が足りない

【短編小説】三途の川の渡し賃が足りない

「ハイ、次の人ー」
そう呼ばれると、僕はいそいそとポケットの中からお金を取りだして渡した。

「ん?足りないですよ。あともうちょっとないですか?」

「えっ……」
あいにくもう手持ちはない。目の前が真っ暗になる。

「じゃ、戻ります?」
係の人は現世の方向を指で示してみせる。

「いや……それはいやです」
控え目ながらもはっきり言うと、係の人の目が丸くなった。

三途の川の渡し賃がたりない。
ああ

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【短編小説】分断がある国 あとがき

【短編小説】分断がある国 あとがき

 みなさま、物好きにこのあとがきまで来てくださって本当にありがとうございます!

 【短編小説】分断があった国はいかがでしたでしょうか。
論理が破綻しているところがなければ良いのですが…(笑)。

 さて、私が最近考えていることなんですが、

「相手が自分と別の世界の住人だと感じる」時ってないですかね?

 私は結構あって。
出会った瞬間、「あーなんかこの人とは話が合わないかもな」みたいな(笑)

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【短編小説】分断がある国

【短編小説】分断がある国

 その国の人たちには、妙に隔たりがあった。

 複数の民族がいるわけではない。
 言語が違うわけでもない。
 ましてや、経済的な格差がはげしいわけでもない。

 他国と比べると均一的な国なのに、なぜか隔たりが生まれ、人々が2つに分かれてしまうのだ。

 例えば、4人で議論を始めると、自然と2人ずつに分かれてそれぞれで話が盛り上がり、全員での議論が進まない。

 小学校でいすとりゲームをしようと、ク

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