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夏の目覚まし時計

回転球体日本の夜明け

朝の5時から鳴き出す蝉の声

発生源は隣の家の銀杏の木

腹から叫び命をかけて歌う声が

窓から染み出し部屋の中に溢れかえり

夢を見る僕を揺り起こしにかかってくる

タオルケットを顔まで引っ張って埋もれても

意識してしまったらもはや気になる

夏の目覚まし時計

鳴り響く、、

あぁ何がそんなに楽しくて毎日飽きもせずに

鳴いているのか聞いてはみたいが訊ねてみても

ジッと舌打ちされてどっかに飛んで行って

しまうんだろうなぁ

あぁ早く秋にならないかなとは思うものの

秋になればなったで毎日のように聞いていた

蝉の声が聞こえなくなり寂しくなるんだろうなあ

染み込んだ当たり前が失われる寂しさを思えば

今この瞬間も鳴き叫ぶ蝉たちの鳴き声を

聞いておかねばいけないのかもしれないが

あぁ困った事に僕はただひたすら

今はまだ眠っていたいのだ

浸るにしてもあと一時間は寝かせて欲しい

一時間がダメなら10分いや、せめてあと5分、、

蝉たちには申し訳ないが

僕には僕の生活リズムがあり

とにかく浸りたい夢の園

再び貪りたい快楽の極み

僕もまた蝉たちのように腹から泣き叫べば

思いが叶えられるだろうか

蝉たちはそれすらお構いなく

鳴き叫ぶだろうなあ

あぁ困ったものだ

瞼の向こう

タオルケットの薄い生地から差し込む朝の光が

僕の身体から眠気を奪っていく

僕が諦めるのが早いから

秋が来るのが早いか

蝉たちが受け入れてくれるのが早いか

5分後の世界にその答えがある、、



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