見出し画像

球体を転がしながら

地平線の先

アスファルトの上で

ゆらゆら踊る蜃気楼

空の上から太陽がギラギラ輝いて僕を見ている

ゆっくりとだけども着実に

僕は球体を転がしながら前に進んでいく

はじめに球体を転がし始めた時は

そこまで苦しくはなかったが徐々に

球体が膨らんできたからこそかかる重さが

僕の思考を鈍らせていく

順調に進んでいると思った

矢先に足を滑らせて転び頭を打ち

手のひらや首筋にかいた汗が

僕と球体との関係を乱れさせていく

あぁ苦しくともはじめたからには

途中で投げ出したく無い

今日も僕は球体とともに歩いていく

後ろを振り向けば転がる球体に押し潰された

草木や思考の残骸でこぼこした何かの塊

アスファルトに張り付き

乾いた風がそんな有象無象の上を吹き抜けていく

太陽に焼き尽くされる前までに

僕は歩ききれるだろうか

どこまでという明確な目的は

無いからどこまで行ってもそこはゴールじゃない

だからこれはただの僕の自己満足

球体をどこまで転がしていけるか

それだけの求めて始めた衝動的旅路なのだ

この先に何かが見つかればめっけもんだ

何も手に入らない事はないだろう

少なくとも何かは確実に手に入るだろうから

その何かがなんなのかを見極めるだけでも

この旅を続ける意味はあると言うもの

重くて険しくて長い道のりだ

ジリジリと太陽が笑っている

この旅は頭の中で言葉が生まれても

それが上手い事噛みあわないのに

もがきあがいて積み重ねていくのに

少し似てるかもしれない

疲れるし徒労に終わるかもしれないが

最後がどうであれ今を楽しみ

明日を夢見てとりあえず僕はまだまだ

球体を転がしながら歩いていく

この記事が参加している募集

#スキしてみて

526,258件

#私の作品紹介

96,392件

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?