なぜHSPは、やりたいことが見つからないのか。
あなたは、自分が何をやりたいのかがわからなくて悩んだことがありますか?
特にHSPの方で、「やりたいことはあるけど、それが本当にやりたいことなのかがわからない」という悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
「やりたいことはあったけど、実際にやってみたら違った」
「初めはやりたいことができて楽しかったけど、時間が経つにつれ、徐々に楽しくなくなってきて、それが本当にやりたいことかがわからなくなってきた」
「やりたいことはあるけど、実際に体が行動しようとしていないから、それが本当にやりたいことかがわからない」
上記のような悩みを抱えている方は、HSPの方意外にも、たくさんいると思います。
今回の記事では、「なぜHSPの人は、やりたいことがわからなくなるのか」というテーマで、その理由と対策について具体的に解説していきたいと思います。
また、HSPだけでなく「自分に自信がない人」「繊細で傷つきやすい人」にとっても、参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
※皆様のお役に立てるよう、時間をかけて一生懸命書きましたので、ぜひ購入してお読みいただけますと幸いです。
⚫︎HSPは、"繊細で自信がない"
まずは、HSPが持っている気質について簡単に紹介したいと思います。
私もそうですが、HSPの人は感受性が豊かなため、繊細で傷つきやすく、一般の人よりもストレスが溜まりやすい気質があります。
また、人の気持ちに敏感になりすぎる傾向があり、他人に迷惑をかけることや、他人からの信頼を失うことを極端に嫌います。
そのため、自分の行動や考えが、他人にどう思われているかを常に気にしており、他人から評価されない自分に価値はないと感じている方も多いのではないでしょうか。
つまり、HSPの人は他者から認められたいという承認欲求が強く、自分に自信が持てないから、他者からの評価よって自信をつけようとする傾向があります。
ここでは、"人の気持ちに敏感"や"承認欲求が強い"ということは置いておき、"繊細で傷つきやすい"と"自分に自信がない"というHSPの気質に焦点を当てて解説していきます。
⚫︎やりたいことが分からなくなる無限ループ
なぜ、HSP(特に繊細+自分に自信がない人)は、やりたいことが分からなくなるのか?
それは、繊細+自分に自信がない人は、現状維持から抜け出すことに恐怖を感じる、つまり、やりたいことを"実現"する喜びより、その実現の過程で自分が傷つく"恐怖"の方が大きいから行動できないのです。
もう少し例を用いてわかりやすく説明します。
私自身、「キャリアコーチになりたい」と思っていました。
なぜなら、キャリアコーチは、自分の興味・強み・価値観が全てマッチしている職業だったので、「キャリアコーチングが自分の本当にやりたいことだ!」と、自分の中ではかなり確信している状態でした。
しかし、そこまで確信しているのにも関わらず、実際の自分の行動は、"キャリアコーチングを体験してみる"こともなければ、YouTubeのおすすめにキャリアコーチングの動画が流れてきても、「後で見る」に保存するだけして、見ないようにしていました。
そして、ある時「自分はキャリアコーチになりたいと思っているが、実際には、キャリアコーチになろうとしている人の真逆の行動をしている」という"矛盾"に気がつきました。
その時、「やっぱり自分のやりたいことは、キャリアコーチングじゃないかもしれない」と思いました。
(以前までは、自分の興味・強み・価値観が全てマッチしているため、"自分のやりたいこと= キャリアコーチング"と、あれだけ確信していたのにも関わらず…)
そして、またやりたいことを新しく見つけては、実際にとっている行動が矛盾していることに気がつき、「これもやりたいことじゃなかったか…」と、またやりたいことを探すという"無限ループ"に入ってしまいました。
⚫︎思考と行動の矛盾する原因
この記事を購入して読んでいただいている皆さんの中には、先ほど紹介した無限ループに深く共感していただける方が多いのではないでしょうか?
ここでは、やりたいことは脳で理解しているのにも関わらず、なぜ矛盾した行動をとってしまうのかについて紹介していきます。
私自身、「なぜ、"キャリアコーチになりたい"と確信しているのにも関わらず、実際の行動は矛盾してしまうのか」という理由を考えてみました。
その結果、1つの理由が判明しました。
"自分の心が傷つかないための防衛本能が働き、現実逃避している"
先ほど、HSPの人は"繊細で傷つきやすく、自分に自信がない"とお伝えしました。
ここでもう一つHSPの人の特徴を紹介します。
それは、シミュレーション(妄想)が得意ということです。
HSPの人は、繊細であり、自分が傷つかないようにするため、事前に自分の行動が相手にどんな影響を与えるのか/どのように思われるかをシミュレーションする傾向があります。
さらに、基本的にHSPの人は自分に自信が多いので、ネガティブなこと(できない理由/やらない理由)ばかりシミュレーションしてしまいます。
実際に、HSPである私が「なぜ思考と行動が矛盾しているのか」というのを考えてみると、以下のような感情が出てきました。
「もし、本当にやりたいと思っていたキャリアコーチングが、実際に受けてみると、思っていたのと違ったらどうしよう…」
「もし、実際にキャリアコーチングを受けてみて、『自分にはできない』と、自信を失ったらどうしよう…」
「もし、キャリアコーチングが自分のやりたいことではないと気がついた時、自分はどうしたらいいのだろう…」
このように、まだ現実に起きてもいない「もしも話」、つまり、"ただの自分の妄想の中でできない理由だけを想像して、それが現実に起きることで自分が傷つくのが怖い(現実逃避)"というのが、"矛盾の原因"だとわかりました。
これは、"リスクマネジメントが得意"とポジティブに捉えることができる反面、"自分ができない理由/やらない理由を考えるのが得意"ということでもあります。
したがって、HPSの人は、"実際に行動して傷つくのが怖い"という感情が、思考と行動が矛盾する原因であり、その感情を解決しないことには、一生無限ループに入ったまま、やりたいことが見つからない状態になってしまうのです。
⚫︎無限ループからの脱出
ここまで読んで頂けた方であれば、"自己防衛のための現実逃避の思考の癖"を解決すれば、やりたいことが分からなくなる無限ループから脱出し、やりたいことの実現に向けて前進できるということに気づかれたのではないでしょうか。
しかし、生まれてから今までの十数年間かけて身についた思考の癖を、そう簡単に治すことはできません。
私も同じような状況に陥っていたことがあるので、「傷つくことを恐れるな!」や「自分にもっと自信を持て!」というようなアドバイスは、無意味であることを知っています。
ただし、自分が傷つくことを恐れて行動しなければ、自分がやりたいこと/なりたい姿が実現できないということは事実です。
そのため、ここでは、"あなたたが、やりたいことに向けて挑戦できる思考を得るためにはどうしたらいいのか"ということをお伝えしたいと思います。
◻︎過去志向から未来志向へ
あなたたが、やりたいことに向けて挑戦できる思考を得るためにはどうしたらいいのか?
それは、"過去志向から未来志向に切り替えること"です。
過去志向とは、過去の良い悪いを含めた経験(成功体験/失敗/後悔など)を参考にして、現在取るべき行動を決定する志向のことです。
例えば、「昔、難関大学に受かった経験があるから、それに比べたら就活なんて楽勝」と自信を持てるポジティブな過去志向もあれば、「昔、人間関係で失敗した経験がトラウマで、チームで進めていくプロジェクトは苦手」といったネガティブな過去志向もあります。
ポジティブな過去志向であれば、過去の成功体験を思い出し、現在の行動に自信を持つことができます。
一方で、ネガティブな過去志向は、過去の失敗やトラウマを思い出すことで、自己肯定感が下がり、より自信を失う+不安になるのです。
また、HSPの人は自分に自信がない人が多いので、どちらかというと"ネガティブな過去志向"が多いのではないでしょうか。
つまり、このネガティブな過去志向を変えないことには、やりたいことの実現には近づかないということです。
そのために取り入れるべき思考が、"未来志向"です。
◻︎未来志向の実践
未来志向とは、"自分が過去どうだったか"というのは一切無視して、"自分は将来どうなりたいのか"という未来に焦点を当てて考える思考のことです。
そのため、まずは自分のなりたい姿の明確化と、実現するための目標設定が必要です。
例えば、私の場合、「自分のやりたいことが分からなくて悩んでいる人の不安を解決してあげたいから、キャリアコーチになる」という将来のなりたい姿を明確にしたとします。
それを実現するための目標としては、下記のようなものが挙げられます。
そして、目標を明確にした上で、次は"なりたい姿になれなかった自分"と、"なりたい姿になれた自分"を考えます。
このように、思いつく限りたくさんあげることによって、より将来の自分の姿が明確になると思います。
ちなみに、ここまではまだ何も行動していませんし、誰かに見せてフィードバックをもらう訳でもないので、HSPの人でも傷つくことがなくできると思います。
しかし、「上記のワークをみなさんもやってみてください」と私がいったとしても、実際にやる人は5%程度ではないでしょうか。
ここでやる人は何かが変わると思いますし、ここでやらない人はまた誰かが新しいきっかけをくれるまで待つ事になり、"なりたい姿になれなかった自分"になる可能性がより高くなるだけです。
そして、"なりたい姿になれなかった自分"と"なりたい姿になれた自分"を具体的にイメージできた後は、先ほど挙げた目標の達成に向けて行動するかしないかです。
行動すれば、なりたい姿になれた自分に近づく。
行動しなければ、なりたい姿になれなかった自分に近づく。
とても簡単な事です。
もし、これでも行動できない場合は、"なりたい姿になれなかった自分"と"なりたい姿になれた自分"がまだ明確になっていない可能性が高いです。
そのため、よりそれらの姿を具体化してから、再度意思決定するようにしてみてください。
⚫︎最後に
最後に重要なことをお伝えしたいと思います。
それは、"行動から気づきを得て、ピボットすることが重要"ということです。
・キャリアコーチを目指したけど、なれなかった
・医者を目指したけど、試験に合格できなかった
・歌手になりたかったけど、それだけでは生活できそうにないと分かった
このように、実際に行動したけどできなかったパターンは、全く問題ないです。
その場合は、自分の興味・強み・価値観の中で、「違うな」と感じた部分のみをピボットするだけです。
例えば、私の興味・強み・価値観は以下の通りです。
興味:心理学、教育、相談
強み:共感力、洞察力
価値観:専門性を高めたい、自分の経験や知識を用いて人に貢献したい
そして、私がキャリアコーチに向けて色々行動した結果、「自分は人とコミュニケーションを取るのがあまり好きではないから、キャリアコーチは向いていないかも」と気付いたとします。
その場合、「またやりたいことが違った…」と落ち込むのではなく、自分の興味と価値観の軸はそのままで、強みだけをピボットさせます。
そうすると、キャリアコーチングサービスのシステム構築・宣伝・企画・ブログ作成・イベント主催など、自分の価値観が満たされる候補はたくさん出てくると思います。
また「人と話するのは好きだけど、キャリアコーチング業界で働いている同僚の性格やお客さんの性格は、自分に合っていないかも」と気がついた場合は、強み・価値観の軸はそのままで、興味のみピボットさせます。
そうすると、結婚相談・心理カウンセラー・学校の先生・営業職・企業の人事などの候補が出てきます。
つまり、何か行動を起こすことで、それが本当に自分のやりたいことかどうかを確かめることができ、もし違ったら違和感を感じた部分をピボットさせればいいだけの話です。
そして、行動しているあなたは、着実に自分のやりたいことに近づいていっているので、不安や心配を抱えず、自信を持って進んでください。
⚫︎まとめ
今回の記事は、「なぜHSPは、やりたいことがわからなくなるのか」というテーマで初めて有料記事を書いてみました。
この記事のまとめです。
HSPは、繊細で傷つきやすく、自分に自信がない
HSPは、やりたいことを実現する"喜び"より、その実現の過程で自分が傷つく"恐怖"の方が大きいため、行動できない
思考と行動の矛盾が、本当にやりたいことかどうかをわからなくさせる
思考と行動の矛盾の原因は、自己防衛のための現実逃避の思考の癖
ネガティブな過去志向を変えないことには、やりたいことの実現には近づかない
未来志向によって、「なりたい姿になれなかった自分」と「なりたい姿になれた自分」を明確にした上で、目標達成に向けて行動するかしないかが最も重要
行動から気づきを得て、ピボットすることで、最終的になりたい自分が見つかる
過去志向は"ローリスクローリターン"ですが、未来志向は"ハイリスクハイリターン"です。
つまり、完璧主義を捨て、自分が傷つくことを恐れずにアクションを起こすことができれば、必ず大きな利益があなたに返ってきます。
といっても、いきなり「自分が傷つくことを恐れずに進め!」と言われても難しいので、まずは自分が行動した場合の姿と行動しなかった時の姿の明確化と、それと同じくらい、精神と身体を健康な状態にしておくことが重要です。
最後に、HSPほど現状維持から抜け出す必要があります。
なぜなら、HSPは他の人にはない"素晴らしい能力"を持っているからです。
この記事がHSPの方にとって、行動のきっかけになれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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