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ひと言だけ

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雑記帳およびみじかい小説など
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#日記

夢の記録

夢の記録

えっちゃんと久々に会って、えっちゃんのものを取り扱ってるごはんやさんに食べに行く夢を見た。
帰りに、レジのところに並べてあるたまごパックをみて、これもう名前かわっとるがねーちょっと餌も変えたけんねー、米袋みて、これももうパッケージ変わっとるけん新しいのまた送らんとねー。何が変わったん?たまごはもう、あんまりやらんと米だけにしようとおもて。もう年だけんあれこれやれんくて。
そうかー残念やなー。
とえ

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雪は均一に降る

雪は均一に降る

着こんで着こんで、ロボットみたいに歩く私は街灯の明かりのなかで雪のカーテンの内部に幾重もくるまれて、息をすると口の中に冷たい氷の粒が入ってきて、瞬く間に消える。

見上げると目の中にも雪が降る。すぐに目をつぶってしまう。

去年の春に桜の下でこうやって空を仰ぎ、散歩した親友。

まる裸になった木立を、枯れ葉をさくさく音を立てて踏みながらたくさんのことを話した隣人の大学生。京都の日々。

白く、出来

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桜の枝がとどく窓

桜の枝がとどく窓

言葉に飽きてしまって、幼いころみたいに言葉を遊び道具にして、ろくに伝わらなくても伝わりすぎないのがちょうど良いんじゃないのかと。

思いついたある昼から、わたしはコミュニケーション上手をあきらめた。

まず気になってたかっこいい後輩の25歳早瀬くんにがんばって話かけたり盛り上げたりするのを手放した。常温の関係。

上司に笑顔をばらまくのをやめた。言葉を紡ぐ…事実を表すより伝わりやすいように…これも

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天気雨とシュークリーム

天気雨とシュークリーム

ダイエット中といって予防線張ったのに、おかまいなしに、ヤマザキのシュークリームを手渡してくる母親は障害物でしかない、

このあいだ、小雨が降っていて傘がなかったから濡れて歩いていたら友人が働いている喫茶店が見えて、雨宿りしたかったけど、わたしは濡れているから店内には入らない方がいいなと思った。中は暖かくひとがたくさんいて、外にひとりで立つわたしがガラスに映る。足元は泥がはねて汚れていた。

気を使

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水平線の漁火

水平線の漁火

喫茶七つ森でココナッツカレーを食べてから、扉をカランカランさせて外に出ると、午後五時半の西日の中に、わたしの腕がチリチリと照らされる。産毛が金色に光る。

日焼け止めしてないから駆け足気味にアーケード街へ入る。

ブックオフの冷えた風につられて、欲しいものがないのに店内をほっつきあるく。サンボマスターの新譜がもう安売りされて四枚も並んでる。料理本も紀行本も小説も何にも興味が持てないのだが、まだエア

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evergreen

evergreen

CDを入れ替える。

流れてきた曲にあわせるように、窓から風が、車の中をかけぬけていった。

助手席でサトコが口ずさむ歌詞を聞いて、わたしはこの曲のタイトルの意味を知り、おもいがけず驚く。

「見送りに出てこなかったなあ」

「今度はあの子連れてあんたに会いにいこうか」

「うーん夏になったら、あたしがまた来る」

サトコはうすく笑って続きを歌う。

わたしはほんとうに来るだろうか。

あなたが大

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夜中に窓をたたくのは

夜中に窓をたたくのは

恋愛小説を書いてる友人が、夜中に窓をそっとたたき、チョコレートケーキを食わせろという。

糖分が足りないのだと。

チョコレートケーキもだが、わたしの意見が必要なんだろう、と思いながら招き入れてやる。

これ読んで。なんか、終わらないんだけど、

長いだけで堂々めぐりやん。

なんで先に進まないのかね。

さぁ…あ、チョコレートケーキ、切らしてるわ。

アドバイスも糖分ももらいそこなったくせに、翌

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ねんりん

ねんりん

38年生き残っている。脳が取捨選択して、ほとんどの瞬間は思い出せないけど。じゃあ思い出せることのなにがそんなに重要かとゆうと、初めてわかった、てゆう感覚だと思う。つまり成長の年輪。人も木もおなじだな。たくさん年輪があれば太くて立派な木になれる。たくさんチャレンジして生きよう。

雨の日

雨の日

違和感をかんじるものがなくなって日記を書かなくなり、大学生活も尽きかけた10月。

アルバイト先のセブンイレブンで、インドネシア人の店長が来週からサーフィンしに地元へ帰るから、一ヶ月シフトを任せるという。

店長はあいかわらず制服を着ないで、派手な青いシャツ姿。せいぜいアルバイトにしか見えない。しなやかな肌の濃い笑顔で、やっと帰れるわと鼻歌を歌う。

一ヶ月したら帰ってくんのほんとに、と突っ込んだ

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高速道路はサービスエリアだけが好き

高速道路はサービスエリアだけが好き

くるりの「ハイウェイ」という曲が大好きです。あれを聴くと、心にきれいな雨が降る。鬱屈した思考が洗い流されて、空気は透明になり、ものがはっきりと遠くまで見渡せる。自分本来の感性が表れてくる。

この曲が聴けて、それだけで生まれてきて良かったという気すらする。

そんな絵を描きたいものだ。

人を本来の姿に戻せるような絵。

ここでもう一度自分に約束を。「面白い事、心からの疑問・返答しか口にしない」。

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ユキちゃんはアルバイトを辞めるという

ユキちゃんはアルバイトを辞めるという

もう4年半もアルバイトをしていて、ユキちゃんは店長とたまに夫婦と間違われることもあるくらいに、お店の顔をしている。

カフェのメニューにも歴史があって、ユキちゃんの初期にやったことは専門学校時代に得意だった粉もののお菓子、スコーンやマフィン、クッキーを店長のいれるコーヒーに合わせて出すことだった。それから、常連さんが差し入れてくれる旬の果物をつかったケーキが登場し、店長がいつも残りのお菓子をまかな

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今だけが人生

今だけが人生

地震があったね。

あっというまに日常のニュースに紛れ込んでしまった。

阪神淡路大震災はすごかった。日常があそこで分断された。

9.11のときも、世界があそこで分断された。

3.11のときも、日常が強制終了ボタンを押されたみたいになって、一旦日本が仕切り直しみたいになった。

夏目漱石が、「悲劇はえらい、悲劇のみが人を真面目にする。命に関することだけが悲劇だ。あとは喜劇だ。現代は喜劇ばかりが

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イライラするので、おのれを分析!

イライラするので、おのれを分析!

イライラして困るので、原因を追究してみました。

誰かおなじことで困ってる人の参考になれば、えいな。

せっかちで、先を急いでいるから、なんか忘れたり時間に遅れたりたとき、余裕をもって「あらあら」とならずに、「なんで、もう!イライラ」となる。

せっかちはどこから来ているか。

仕事で一度にいろんなことに気を付けながら、あれもやってこれもやって、急いでばっかりいるから、それが普段も持ち越されてる。

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時計の音もまた違う

時計の音もまた違う

夜はおなじようには訪れない。長さも暗闇の濃さも。その中に含んでいるモノや音や湿度も。

怖い夜。暖かい夜。寒い夜。一人の夜。うるさい夜。永遠と続くような夜。布団の中で一瞬で終わる夜。布団の中で永遠と続くような夜。

夜、夜。よるよるよるよるよるよる。よる。

わたしは時計の刻むカチカチ、という音とともに夜を進めている。この音がなくなったら、もう朝がこないと思う。

ひんやりとした床を歩き、玄関へ向

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