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夜中に窓をたたくのは

恋愛小説を書いてる友人が、夜中に窓をそっとたたき、チョコレートケーキを食わせろという。

糖分が足りないのだと。

チョコレートケーキもだが、わたしの意見が必要なんだろう、と思いながら招き入れてやる。

これ読んで。なんか、終わらないんだけど、

長いだけで堂々めぐりやん。

なんで先に進まないのかね。

さぁ…あ、チョコレートケーキ、切らしてるわ。

アドバイスも糖分ももらいそこなったくせに、翌朝には「書き終わった。ありがとう。」とメッセージがきた。

「たまにはまた喫茶店に書きに来い。チョコレートケーキも切れっ端じゃなくて、ちゃんとしたの食べに来い」

初めてうちの喫茶店で見かけたときは小学生で、お父さんと手をつないでいた。あのときからチョコレートケーキ好きなのはおなじ。身長だけむちゃくちゃ伸びた。あと本を読むのじゃなく、書くようになった。

高校になると部活が遅いから、喫茶店から徒歩20秒の我が家に夜、来るようになった。

わたしは大学生のバイトから店長へ。

そして堂々めぐりをしてるのは、あの子の小説の話、だけではない気がする。



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