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35歳フリーランス、自分のキャリアと妊娠出産について考える

新しい年を迎えた、2024年1月1日。私の気分は最悪で、特別何かがあったわけではないのにずっとイライラしていました。

きっと、生理前だからだ。

そう思っていたけれど、一向に生理が来ない。いくら生理不順の私でも、こんなに遅れることは滅多にないなと思って、試しに妊娠検査薬を使ってみたのでした。すると、うっすらと陽性反応が。

あぁ、もしかして、妊娠したのかな。

陽性反応があったということはきっとそうなのだけど、細い棒に現れた線を見ただけではほとんどその実感は湧きませんでした。それから1週間後、産婦人科を受診して検査をしてもらい、子宮の中に受精卵があることがわかりました。

夫婦ともに、妊娠はずっと望んでいたことでした。それでもなかなかできない状態が続いていたので、妊娠しているとわかったときは「本当に現実のことなのだろうか…?」と不思議な感覚になりました。もちろん嬉しさはあったけれど、いざ妊娠すると「今、抱えている仕事は最後までやり切れるだろうか?」「今年やる予定だったあの仕事、妊婦では難しそうだから相談しないと…」「仕事はいつまでできるかな?」「産後はいつから仕事ができるかな?」など、私の頭の中に最初に浮かんできたのは仕事のことばかりでした。

そんな幕開けとなった2024年。今は妊娠14週目を迎え、安定期に入るまであと少し、というところです。妊娠がわかった直後に感じていた不安や自分のライフステージについての考え方は、この2ヶ月間で少しずつ変化していきました。

この記事では、初めて妊娠をした私が妊娠発覚から14週目の現在に至るまでに考えていたことを書いていきたいと思います。

まずは妊娠前のことを

普段の私は、フリーランスとして主にWEBメディアや雑誌に載せる記事を書く仕事をしています。取材やインタビューのために外出することはありますが、多くの時間は自宅で仕事をしています。

年齢は35歳。パートナーとは2年半前に結婚しました。

もともと子どもを持つことへの強い願望があったわけではないけれど、「子どもは私たち夫婦だけでは見ることができない世界を見せてくれる存在だろうな」と、子どもがいる未来をそんな風に思い描くことはありました。夫婦2人の暮らしだって十分豊かだけれど、子どもがいる暮らしだってそれとはまた違った豊かさがあるだろう。そう思っていました。

自分の子どもがほしいと思ったとき、女性である私は自分で産まなければいけないので、やはり年齢のことは意識しました。いわゆる妊活を始めたのは去年の1月頃。それから半年間は産婦人科に通いました。その後は、産婦人科には通わずに過ごしていました。

産婦人科に通うことをやめた理由は、過去にスタエフで話しています。

そして、年が明けた今年1月。冒頭に書いた通り、妊娠していることがわかりました。

つわり期間に感じていたこと

つわりが始まったのは、妊娠8週目頃からでした。それまでは本当に妊娠しているのかと疑いたくなるくらい、体にはなんの変化もありませんでした。

実際につわりが始まると、起きている間は一日中吐き気が続くようになりました。つわりが全くない人もいれば、水も飲めないくらいにつらくて入院する人もいる。私の場合は入院するほどではなかったけれど、ずっと乗り物酔いをしているような状態が続き、食べ物の匂い(特に炊き立てのお米の匂い)は受け付けなくなりました。このときは、「美味しいものを美味しいと感じられることってなんて幸せだったんだろう…」と思っていました。

自分の仕事である執筆をしようとしても、気持ち悪い状態では集中力も続かず、少しPCに向かっては横になる。ただそれを繰り返していました。1日1日が、本当に長かった。

ちょうどこの時期に、あるメディアから取材記事の執筆依頼が。取材先は、私がいつか仕事として訪問してみたいと思っていた場所でした。これはチャンス…!でも、自分の体は徐々に思うように動かなくなっていたときでもありました。「妊娠している」と自分から言わなければ相手にはわからないし、頑張ればいけるかな…と少しだけ思いました。けれど、それと同時に浮かんだのは、「自分1人の体ではないんだな」ということ。私が無理をしてしんどい思いをするということは、胎児にも影響がある。そして何より、無理をして取材中に体調が悪化したり、「結局、書けませんでした」なんてことになったら依頼をしてくれた相手にまで迷惑がかかってしまう。そう思って、今回いただいた依頼は諦めることにしました。

「チャンスを逃してしまった」とも言えるかもしれないけれど、今はタイミングではなかったのかもしれません。そう思うしかない。

とにかく無理をしないように、この時期の仕事は最小限に留めていました。気持ち悪さを紛らわせるために、横になりながらNetflixを見たり、漫画を読んだりも。ちなみに、妊娠出産についてインプットするために、漫画『コウノドリ』は全巻読みました。

この時期は、今以上に胎児の成長も気になっていました。妊娠初期はまだ流産する確率も高いため、気になることがあるとついネットで検索をしたりも。ただこれは、不安になるだけなのであまりやっても意味がない。

段々と心配し続けるのも疲れてしまって、「まぁ、なるようになるか」とだけ思うようになりました。心配してもしなくても、流産するときはするし、しないときはしない。ただその現実を受け止めるだけだ、と。

12週目に入った頃には徐々につわりが落ち着いてきました。夕方以降は腹痛や吐き気があったけれど、日中はほとんど動けるように。それに伴い、仕事もいつものペースに戻していきました。

体調が回復して何より嬉しかったのは、集中して仕事ができるようになったこと。外に取材にも行けるようになったこと。それに伴い、気持ちも前向きになったこと。胎児はもちろんこの先も何があるかはわからないけれど、12週を越えると流産の確率はぐっと下がるので安心感もありました。

妊娠14週目に入った今、吐き気はほとんどありません。服を着ていればわからないくらいではあるけれど、お腹も徐々に大きくなってきています。

自分のキャリアについて思うこと

出産予定は9月上旬なので、7月末くらいまではこれまで通り仕事をする予定です。

「出産を終えてからは、2ヶ月間くらい休んだらまた仕事を再開しよう」

妊娠がわかってすぐの頃はそう思っていました。けれど、出産後の仕事との向き合い方については、当時と今では少し考えが変わりました。過去の私は、“子育てをする自分”と”仕事をする自分”をきっぱりと分けていました。そして、どう両立するかを考えていた。

「仕事と子育てを両立するとなると仕事は今まで通りにはできない。少しセーブしよう。パートナーとも話し合いたいな。子どもはいつから保育園に預けよう?預けたあとは、仕事も増やしていけるかな。でも、子どもとの時間も大切にしたいしな」

…という感じで。

もちろんそれらを考えていくことは大切なのだけど、それ以前に、もっと大きな枠組みで自分の人生を捉え直す必要があるのではないかと思うようになりました。

冒頭に書いた通り、私たち夫婦が子どもを持つことを考えるようになったのは、「夫婦2人だけでは見ることができない世界を見せてくれる存在だろうな」と思ったからでした。私たち2人で生きていく中では決して出会うことがない人や場所、モノとの出会いがあるかもしれない。そんな未来への期待がありました。

今までは本当に自分の好きなことを好きなときやってきました。独身時代も、結婚してからもそれは変わりません。でもきっと、子どもが生まれたらそれまでのような自由は少なくなるでしょう。それは捉え方によっては不自由なことなのかもしれません。

そうかもしれないけれど、子どもが連れて行ってくれるであろう新しい世界では、自由とか不自由とかそんなことがちっぽけなことに感じるような体験が待っているのではないかとも思ってしまうのです。そして、子どもとともに過ごす時間や子どもがいることで経験できることは、必ず自分のキャリアに繋がっていくだろうとも思っています。

子育てによってキャリアが止まってしまうとは、私は思っていません。お金をいただくような仕事に限らず、丁寧に誠実に向き合い続けてきたことは、どんな経験であっても自分の人生の幅を広げてくれる。

だから今は、出産後の自分が具体的にどう仕事をしていくかについてはあえて細かく決めないようにしておこうかなと思っています。もちろん決めなければいけないときはくるし、仕事で繋がりのある方との連絡もきちんとしていきたいと思っています。けれど私の特性上、「⚪︎月までに仕事を再開する!」と決めてしまうと、それが叶わなかったときに大きなストレスになってしまうだろうなとも思うのです。

胎児の成長と同じように、自分のキャリアも、なるようになる。

そう思いつつ、目の前のことに、丁寧に誠実に向き合い続けることが今の私にできることです。


1ヶ月ほどお休みしていたスタエフでも、妊娠がわかってから感じたことを話しています。





最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。