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結婚して、名字を変えたのは夫でした。

「結婚したら、女性が名字を変えるのは当たり前」

なんて、さすがに言われたことはないけれど、何となくそういうものだと思って生きてきました。

女性である私自身「もし結婚したら私の名字は変わるのか」と当然のことのように思っていました。結婚した女友達は、みんな名字が変わっていく。その事実を知っても、違和感を感じることはありませんでした。


私は同棲していたパートナーと結婚することになり、今年の夏に婚姻届を出しました。

半年前、「これからも人生のパートナーとして共に暮らしていきたいね」という意思をお互いに確認して結婚することに決めました。

いざ「自分の名字が変わるかもしれない」と思ったとき、私にはそれがすごく抵抗感のあることだと、そのとき初めて気付いたのです。自分がこれまで名乗ってきた名前が、役所に届けを出した日から急に変わってしまう。

日常生活や仕事で使う名前は旧姓を使えばいいのだけど、本名が変わるというだけでも大きな変化だと思います。


日本では、夫婦別姓が認められていません。結婚する意思があってもそれぞれが名字を変えたくないカップルは、事実婚を選択するしかないのです。

最初は事実婚も視野に入れて考えていましたが、話し合いの末、私たちは法律婚をすることに決めました。2人がお互いのことを大切にするだけではなくて、これからはそれぞれが相手の家族とのつながりをもっと大切にしたいと思ったからです。

婚姻届を出さなくたって、その気持ちを家族に伝えればいいし、それが伝わる行動をすればいい。もちろんそうです。けれど、その気持ちがよりそれぞれの家族に伝わるのはやはり法律婚だろう。そう思って、決断しました。

どちらを選ぶかは、それぞれのカップルの価値観で決めれば良いと思っています。


次に考えたのは、名字。

日本ではほとんどの夫婦が夫の名字を選びます。結婚のときに妻の名字を選ぶ夫婦は約4%。

最初は私が名字を変えるものだと思っていたし、夫も自然とそう思っていました。けれど、なぜ「女性が名字を変えることが当たり前なんだろう?」と2人で一度立ち止まり、私たちはどちらの名字を選ぶのかを丁寧に話し合うことにしました。

時間をかけて考えていく中で、段々と私自身の気持ちが変化していきました。「名字が変わっても慣れてはいくだろうし、仕事では旧姓を使い続ければいいか」と。夫も、自分の名字が変わる可能性について真剣に考えてくれました。

結局、自分の名字が変わることに抵抗があるのは一緒で、変わったとしても日常生活で使う名前は旧姓を使えばいい、という考えは共通していました。そして2人とも「変えてもいい」という意見になりました。


最後の決め手は、夫からの言葉。

「どっちでもいいなら、建石(私の名字)にしよ。せっかくこんなに悩んだんだから、これでマジョリティである僕の名字にしたら、なんだか普通だよね。妻の名字にしたら、きっと”なんで?”って聞かれる。そしたら、2人が大切にしてる価値観を周りの人に伝えられる」


私たちは話し合いを重ね、最終的に妻となる私の名字を選ぶことになりました。

2人が大切にしている価値観とは、「当たり前」だからその選択するのではなく、一度立ち止まって「なぜ?」と考えること。そして、対話すること。

どんな結論を出すかよりも、その結論に至るまでに「どう思考したのか」「納得するまで思いを伝え合えたのか」の方が大切だと思っています。


そして、日本中のカップルが自由に“自分たちの結婚”ができるような、そんな社会になることを願います。


最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。