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昔の話をば

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これまで書いてきた私の幼少期から高校生までの話。思い出話は思い出した時に残さないと。
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サンタさんの正体

サンタさんの正体

毎年自分にプレゼントを届けてくれるサンタクロースというものが、白いひげの外国人のおじいさんではなく、自分の親(あるいは祖父母や親戚など)と気づいたのはいつだろうか。

私はというと、かなりはっきりと覚えているが、4歳の頃には既に親がクリスマスプレゼントをくれていると気づいていた。ただ、空気を読んでかなり大きくなるまでそのことについて誰にも言ったことはなかった。小学校高学年でサンタさんを信じているの

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E先生との思い出

E先生との思い出

私は某私立女子校の出身である。

母校は幼稚園から大学院までそろった一貫校でありながら、高校卒業後はほとんどの生徒が他大学に進学するという学校だった。漏れなく私も大学受験をし、青春を謳歌しつつも、高校3年間は受験色の強い日々だったように思う。

私の女子高生時代については、担任のE先生なくして語ることはできない。毎年クラス替えがある中で、私は高校の3年間、ずっとこのE先生が担任だった。

E先生は

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10歳の頃のあこがれ

10歳の頃のあこがれ

 10歳の時、初めて随筆なるものを知った。向田邦子の「眠る盃」がきっかけだった。そのころから随筆家・エッセイストというものにあこがれを持っている。

 当時中学受験の塾に通っていた私は、国語の授業で小説、詩歌、論説文といった様々な文章を読むのが楽しみだったが、その中で出会い、ひときわ印象深く思ったのが向田邦子の随筆であった。

 例えば、受験問題の題材になるような小説は、当時の私にとっては説教臭い

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