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手音足音
2023年10月29日 11:33
急に寂しくなったので、僕は家から出て、「おーい! 誰か俺と話しようぜ!俺とオレンジでも食べながら話しようぜ!ドラマでもアニメでも最新家電でも話題は何でもいい!とにかく俺とお話しようぜ!俺は今寂しいんだ!誰か俺に構ってくれ!構ってくれないなら俺は何するか分かんないぜ!全然俺、今から人を傷つけてもいいからね! だって寂しささえ紛れたら、それでいいんだから!ねぇ! 誰も構ってく
2023年10月28日 12:39
いともたやすく糸を絶やした午前10時、僕は糸を買いに外へ出た。すると、その2分後、名前は知らないけど、常に笑顔の人という認識はあるおじさんの足を踏んでしまった。その瞬間僕は、特に申し訳ないという気持ちもなく、「あ、すいません」って感じの対応を取ったんだけど、おじさんはそれでも笑顔で、なんならもっと笑顔になった。それだから僕は、なんか変な恐怖を感じて、「いや、ホン
2023年10月22日 11:05
こうなることは全部、最初から、熱々おでんを食べている時から、隙間に落ちた物を取ろうと腕を精一杯伸ばしている時から、分かってはいたんだけど、僕がのんきにカフェでコーヒーの飲み比べをしていたせいで、それを未然に防ぐことはできなかった。くそっ!こうなることは全部分かっていたのに!何をしているんだ僕は!マヌケすぎる!あれじゃん! バカじゃん!自分に失望した。くそっ……くそっ!
2023年10月21日 13:12
落ちこぼれな同学年が陽気に歌を歌っていたので、俺はとりあえず、その歌に合わせ、リズミカルなダンスをしていく。すると、そこに同学年の秀才がやってきて「活発だな」と発言してきた。その発言に対し、俺は踊りながら「まぁな、それが俺という存在の証明だし」なんて反応していき、「今後とも俺という存在から目を離さないでくれ」とヨロシクオネガイした。そうしたところ秀才は、笑顔を
2023年10月15日 14:47
一緒に居てもつまらない友人と一緒に花火をして、なんの盛り上がりもない夜を過ごす今日、思い返せば朝からずっと今日はつまらなかった。今日はまだ一度たりとも笑ってないんじゃないか?笑った覚えがない。信号待ちをしている時に、抱っこされている赤ちゃんから笑いかけられたけど、僕はそれを平然と無視したし、木に引っ掛かっている風船を取ってあげて、女の子から「ありがとう!」と笑顔を向けられ
2023年10月8日 11:44
本日十匹目の蝉を虫カゴに入れた吉倉くんは、ふと我に返り、「こんなに蝉を取ってどうするんだ?」と思った。ただ、そうなったからと言って、吉倉くんは蝉を逃がしてやろうとはせず、「ミンミンうるせーな」と愚痴りながらも、蝉と共に家へと帰った。その翌日、朝食に炒められた蝉を十匹出された吉倉くんは、「ええ……お母さん、ええ……」とテンションダダ下がりの朝をお見舞いされる訳だけど、吉倉
2023年10月7日 12:01
だからそう、だから言ったんだ僕は。だからあの時、僕は興奮を抑えられず、パンを食い散らかしながら言ったじゃん。君の嫌そうな顔は覚えているよ。遂にキレて、「お前、食いながら話すなよ!」って言われたのは覚えているよ。でも僕は、君の注意を無視して食いながら言った。君も覚えているでしょ?あの時のことを。でも、ごめん。なんて言ったっけ僕?「だから言った」って今君に、偉そうに