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高齢期リハビリのココロエ

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これから高齢者になる方たちへ。高齢者リハビリ17年の作業療法士が考える高齢期リハビリにおけるたいせつなことをお伝えしていきます。リハビリは決して機能訓練だけではないんですよ。先入… もっと読む
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2023年3月の記事一覧

高齢期リハビリのココロエ5 男性は元気なうちに家事を慣れておくべし

高齢期リハビリのココロエ5 男性は元気なうちに家事を慣れておくべし

要介護になっても基本は同じ、動かさない機能は衰えます。いいですか、『要介護になっても』ですよ。口酸っぱく言ってますが、高齢期しかも要介護であれば受け身のリハビリ(ベッド上でマッサージや筋トレ)では心身機能は向上どころか、低下していきます。それはなぜかといいますと、圧倒的に活動量が少ないからです。
結局は自分があるいは周囲の手を借りてでも活動量を上げるしかないんです。手足頭をとにかくつかうことです。

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高齢期リハビリのココロエ8 高齢者は自分の能力に目を向けるべし

高齢期リハビリのココロエ8 高齢者は自分の能力に目を向けるべし

 運動会の親子競技ですっころぶお父さん、必ずいますよね。あれは自身がもっている運動能力のイメージと実際の運動能力にズレが生じて発生すると考えられます。いわゆる『思ってた以上に足がついていかなかった』状態ですね。25歳くらいまではイメージ通りに動けるのですが、いつしか運動をしなくなり、『いざ!激しい運動!』となったときに老化している自分に気付いてなかったケースは多々あります。
 高齢期リハビリの現場

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高齢期リハビリのココロエ10 暇だからって一日テレビを観てはいけません

高齢期リハビリのココロエ10 暇だからって一日テレビを観てはいけません

『一日テレビを見て動かない』高齢者は日本中におられると思います。そんな方たちにぴったりな介護保険サービスはというと通所サービス(デイサービスやデイケア)です。そこで運動したり、人と交流してきてほしい、そんな願いを込めてケアマネさんやご家族は高齢家族を送り出します。
 ではなぜ、家で日がな一日テレビを見て過ごす高齢者が増えたのか?
①家族の過度なリスク管理
ご家族が『動いたら危ないから』とご本人の生

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高齢期リハビリのココロエ9 高齢者は四の五の言わずに楽しいことを続けるべし

高齢期リハビリのココロエ9 高齢者は四の五の言わずに楽しいことを続けるべし

作業療法では、この作業(活動)はこの身体(認知)機能の回復に役立つから、それを治療に使ったりします。医師に例えると「この薬は○○に効きますよ。」です。作業療法士は「この作業は〇〇に効きますよ。」と作業を提供するのです。
 しかし、高齢期リハビリでは楽しい、満足だ、人の役に立っている(本人主観が満たされる)と感じる作業(活動)を行った結果、各機能の回復、老化抑制につながる、という筋道で進めたほうが効

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高齢期リハビリのココロエ7 家族とはなるべく仲良くしておくべし

高齢期リハビリのココロエ7 家族とはなるべく仲良くしておくべし

『姥捨て山』、昔話でありましたね。国のおふれで60歳以上は親であっても山へ捨てなければならない。仲の良い親子がおり、息子はおふれ通り母親を山へ捨てるが、結局連れ帰った。そして床下に部屋をつくり母親をかくまった。
 そんなとき、戦中だった隣国に無理難題をいわれた殿様、その難題をこの息子が解いて戦を回避するんですが実は知恵を出していたのは60歳を越えた母親だった。それから殿様は60歳以上の老人を山に捨

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高齢期リハビリのココロエ6 高齢者施設入所攻略法

高齢期リハビリのココロエ6 高齢者施設入所攻略法

 想像してみてください。何もせず一日ボーッと壁や眼の前にいる方を見ながら過ごす毎日。時間が来たら職員が呼びに来てトイレへ連れて行かれ、食事が目の前に運ばれてきます。時々、レクリエーションなるやたらとテンションの高い職員がゲームをし、日が暮れたら就寝。
 最初は「何かすることないですか?」と利用者さんも職員に尋ねてきますが「座っててくださいね。もうすぐご飯ですから。」と1時間先の昼食の予定を伝える職

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高齢期リハビリのココロエ4 こんなリハビリ専門職に注意すべし

高齢期リハビリのココロエ4 こんなリハビリ専門職に注意すべし

 介護保険下にも医療保険(病院)同様にリハビリサービスがあります。専門職は3職種。作業療法士、言語聴覚士、理学療法士です。
 さて今回のテーマはこんなリハビリ専門職に注意すべし、です。ではどんなリハビリ専門職か?を紹介していきます。
それは…
1.ベット上で手足をストレッチ
2.筋トレ
3.歩行練習(できなければ立ち上がり練習や座位練習)
を10人中10人に行う療法士です。これは要注意ですよ。こん

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