誰のための「平等」か。シルバー民主主義を打ち破るために #27
木下斉さんのVoicyを聴いていると、
シルバー民主主義という言葉が
たまに出てきます。
高齢者優遇の施策がとられて、
必要な改革が行われない政治のことを指します。
ぼくの高校の同級生が、
飲み会の席でこんなことを言いました。
「オレが総理大臣になったら、
年代別に国会議員の議席数を割り当てて、
その議席数は若年層ほど多くする」
ぼくは
なるほどなと思いました。
人口で言えば、
圧倒的に老年層が多い日本。
ただでさえ
人数のボリュームがあるのに、
選挙の投票率もお年寄りが高い。
これで
若者や子どもの声に耳を傾けた政治が
果たして行われるんでしょうか。
確かに、
日本国憲法第14条第1項では、
「すべて国民は、法の下に平等であって、
人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、
政治的、経済的又は社会的関係において、
差別されない」
と規定されていて、
ここから、
選挙における「一人一票の原則」が
導かれています。
でも、
「一人一票」と言いながら、
選挙区ごとの議員定数の不均衡に関する訴訟では、
衆議院議員について2倍未満の格差を
最高裁は許容しています。
人口密度、住民構成、交通事情や地理的状況などの
非人口的要素を一定考慮することを
立法府の裁量として認めているのです。
ならば、
年代別に議員数の枠を設けたり、
投票権に重みづけをしても、
許される場合があるんじゃないでしょうか。
調べてみると、
当然同じ問題意識を持っている人間がいて、
例えば、
米国の学者ポール・ドメインが提唱した
「ドメイン投票」という方法があります。
この制度では、
・未成年者を含む全国民に投票権を与える
・ただし、実際には未成年者は投票が困難なため、親が代わりに投票する
・そうすることで、より若い世代の民意を反映しやすくなる
・また、負担が重い子育て世代へ配慮した政策が打ち出しやすくなる
とされています。
また、若年層に限らず、
社会的に弱い立場にある人を積極的に優遇する
「アファーマティブ・アクション」
という考え方もあって、
アメリカでは、人種差別の解消のために、
大学入試や就職・昇進などの分野で採用されました。
誰のための「平等」か。
次の世代のために、
そろそろ席を譲ってもらうときが
来ていると思います。
(参考:衆議院憲法調査会事務局作成資料)
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