見出し画像

中南米でコロナが大流行してしまった本当の理由

こんにちは。

LeoSosUnGenioです。

私はご縁あって中南米と10年以上のおつきあいがあります。日本の方々に中南米が少しでも身近な存在になるよう ”教科書では学べないディープでリアルなラテンアメリカの魅力 をお届けする” をコンセプトに書かせ頂いております!

紹介が長くなってしまいました。本日の本題にはいります。
Vamos a empezar / ヴァモス・ア・エンペサール! ※はじめましょう

本日のお題は......

中南米でコロナが大流行してしまった本当の理由

1. 中南米とカリブ海地域の感染状況

中南米とカリブ海地域ではこれまでのところ少なくとも約7,400万人の感染者と約170万人の死者が報告されています。日本は感染者約2,020万人、死者約4.3万人ですので特に死者数が桁違いです。

参考までに、

ブラジルは感染者3,450万人(68.5万人)、アルゼンチンは感染者970万人(13万人)、メキシコは感染者706万人(33万人)、そしてコロンビアは感染者630万人(14.2万人)です。     ※(  )は死者数

2. 中南米の感染症に対する盲点

私はこれだけ中南米で感染症が広がってしまった背景として感染症に"盲点"をつかれたことがあると考えています。

A. ハグやキスの文化

中南米には、"挨拶としてのハグとキス"という文化"があります。

日本でも最近の若者は "あいさつもせずに全く礼儀がなっとらんわい!” と愚痴を言っておられる年配の方を見かけるかと思いますが、ラテンアメリカではHola!という掛け声とともに、挨拶する当事者二人が男性x女性、あるいは女性 x 女性という場合であれば頬を相手の頬に擦り合わせてそっとキス(スペイン語でBeso)をするのが挨拶の基本となります(アルゼンチンは男性x男性でもBeso)。親友や恋人などさらに親しみが持てる間柄 (Besoだけでは足りないほど親しい)なら加えてハグをします。

これは家族間ではもちろん、ラテンアメリカでは学校でも職場でも行われるごく一般的な光景です。というか、これがマナー、信頼の証です。恥ずかしがってBesoをしないと礼儀知らず、"私を信頼していないの?”と相手を疑心暗鬼にさせてしまいます。

日本ではコロナ対策としてsocial distanceが叫ばれて久しいですが、この挨拶としてのハグとキスという文化が、コロナ渦でもsocial distanceをとるのを難しくさせたのではと私は推測しています。

B. ディスコの文化

ラテンアメリカ最大の娯楽はDiscoteca(ディスコ)で踊る事です。レゲトン、サルサ、バチャタ、サンバ、メレンゲ、クンビアetc. 枚挙にいとまがないほどラテンミュージックはジャンルが豊富で名曲揃い。

それに合わせて地元っ子達は週末(いや,,,,平日もかw)はお気に入りのディスコに親友や恋人と繰り出し、朝まで踊る、強い酒もたくさん飲んで人生を謳歌する、日ごろのストレスを解消するという文化があります。

日本は歌う、つまりカラオケが文化ですが向こうは踊るが文化です。

この踊るがコロナ禍は問題で、通常 "密着" して"踊ります。友人同士でも普通に手をとって踊るし、知り合いなのに距離をとって踊っているの見たことありません。みんなで集まって固まって歌を共有して歌いながら踊るこれがDiscotecaの醍醐味です。

要は三密に近い状況をDiscotecaは提供してしまっていると思うのです。無論、ワクチンが開発される前の2020年初めはロックダウンにより町は閉鎖されディスコも営業できなくなりました。ただし中南米はinformal(つまり闇営業)のディスコも数え切れないほど報告、検挙されておりロックダウン時もそういった所で感染が広がっていた可能性もあります。

C. 共有の文化

皆で共有する文化も感染症拡大に一役買ってしまった可能性があります。共有する文化は時間的な共有はもちろん、今から取り上げるのは物質的な共有です。

ア.  アルゼンチンのマテ茶

アルゼンチン人にとってマテ茶を共有することは、友情、信頼の証です。なぜなら、マテの容器は1つ、Bombilla(金属製のストロー)もグループに1つで回し飲みだからです。

余暇に家族のメンバーで外出先で、又は平日は職場の仲間や大学の仲間とあれこれ話しながらマテを共有すること、それは彼らにとってかけがえのない有意義な時間なのです。

特に若年層で、コロナが流行り出した初期の段階でこの回し飲みが原因で、感染し命を落とした方が多かったと聞いています。

画像2
マテ茶の回し飲みは信頼の証
画像2
Bombillaと呼ばれるマテ茶用のストロー

イ.  ビール、コップ(グラス)の回し飲み

ラテンアメリカでは週末になると皆で集まってビールを瓶で大量に購入し仲間内で共有するという文化があります。ビールは日本よりもはるかに安価なので、皆で小銭を集めればかなりの量を買い込むことができます。

私も向こうに居たころは断ってばかりいましたが、アルゼンチンのマテ同様、ビールを1つのグラスについでそれをグループで回し飲みすることは文化なのであり、あまりお断りばかりしていると良くないんだそう。まわってきたものは基本は受け入れるのがマナーだそうです。

※私が駐在していたのはコロナ以前。

さすがに今はやっていないとは思いますが、回し飲みの文化もコロナ禍では感染症対策の観点からよろしくありません。

おわりに

中南米でコロナが猛威をふるった理由について自分なりの考察を書かせていただきました。

感染症さえなければ、中南米のハートウォーミングな習慣であり現地で過ごす醍醐味になるはずなのに😢。その人間らしさや愛くるしいチャーミングな一面が、感染症を拡大する要因になるとは。悲劇と言わざるを得ません。

コロナで亡くなられた方にご冥福をお祈りするとともに、一日でも早いコロナの収束を心から願っております。

これからもラテンアメリカの事を色々発信させていただきますので記事が面白いと思ってくださった方は是非、スキ&フォローを宜しくお願い致します。

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?