My-Mythology〜新しく綴りあげる神話の世界〜 #note神話部 投稿用マガジン
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2020年5月の記事一覧
〘異聞・阿修羅王3〙須彌山の須羅
本人もあずかり知らぬところで、勝手に須羅(しゅり)と名づけられた阿修羅族の若者には、確かに性別の縛りはなかった。
『どちらでもなく、どちらでもある』
そう表現される所以は、例えばインドラ──摩伽(まか)のように、己で選んで性を変えられることとは大きな違いがある。
「王よ。かの者は、一体、何者でございましたのか?」
邸に戻ると、若者──須羅は、立ち働く者たちに不安そうな面持
文芸部は眠らせないnote出張版其の四
前置き:noteにはご無沙汰していました、成瀬川るるせです。
今回お送りするのは、NOVEL DAYSにて連載中の
『文芸部は眠らせない』の92話と93話です。
実はこのお話は枕があって、91、92、93話で
『ぶんぶんがくがく:4』の(上中下)となっているものです。
(上)である91話では、この小説に出てくる〈敵〉の見定めの
話をしています。が、カットしました
(そこを抜き出しても
〘異聞・阿修羅王2〙須彌山の摩伽
不承不承、己の邸に戻った摩伽(まか)は、阿修羅族について情報を得るべく動いた。
「阿修羅族について詳しい者を寄こせ」
申し付けられた者は一瞬躊躇した。
散々、小言を並べた直後である。いつもなら顔を見ようともしなくなるところなのに、と訝しむも、すぐに礼をして下がった。
「やれやれ、口うるさいことだ……」
さっさと相手を下がらせ、ようやっとひとりになった部屋で、摩伽は今し