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ブランディングと価値創造

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『出版物の価格はコンテンツでは、決まらない』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

『出版物の価格はコンテンツでは、決まらない』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

皆さん、こんにちは。
コルクの佐渡島です。今日は、よろしくお願いします。

まず自己紹介をしますと、僕は今、39歳(※講義時)です。講談社という出版社に2002年に入社して、10年間、漫画の編集に携わってきました。

例えば皆さんがご存じの作品だと『SLAM DUNK 』の作者である井上雄彦 さんが描かれた『バガボンド 』という作品に先輩編集者と一緒に携わりました。僕が担当したのは、『バガボンド』

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「投資とは」を考えさせてくれる会社 ー 農林中金バリューインベストメンツ

「投資とは」を考えさせてくれる会社 ー 農林中金バリューインベストメンツ

もしも、こんな社長がいたら、、、某社の社長は新規投資を行うことにした。
驚くことに投資先が続々と集まってくる。
その数はみるみる増えていく。
結果、その数、何と!2,159!
部下が社長に質問する。
「スゴい数です。一体、この中からどこに投資するんですか?」
社長は答える。
「全部だ。2,159の候補先、全てに投資する。」
社長の判断は絶対だ。その判断が覆ることはない。
部下はもう一つ質問する。

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奥野一成、母校に帰る~洛南高校キャリア教育講演会から パート2~

奥野一成、母校に帰る~洛南高校キャリア教育講演会から パート2~

迷走しながらやりたいことを追求したそんなことなので、私は今ものすごくエキサイティングに仕事をしています。本当に好きなことを好きなようにやらせてもらっている。

農林中金っていう大きな金融機関ですけれども、そういう金融機関で私みたいに好き勝手やらせてもらってる人そうそういないと思います。普通ではあまりないと思うんです。

でもここに至るまでのキャリアの説明をすると、極めてくだらないキャリアだったとい

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『なぜ、人は自殺をしてしまうのか?』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

『なぜ、人は自殺をしてしまうのか?』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

なぜ、人は自殺をしてしまうのか?
もうひとつ、僕がコルクでどんなことをやっているのかを紹介しましょう。

皆さんは、京都大学出身の小説家の平野啓一郎をご存じでしょうか。
平野啓一郎は、コルクに所属している作家です。コルクができる以前の作品なのですが、出版時に関わった作品で『私とは何か』という新書があります。

平野さんと僕の出会いは『決壊』という小説がきっかけでした。

ここからは少し小説のコアな

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『自分の好きな分人が活躍する社会 Vtuberという体験』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

『自分の好きな分人が活躍する社会 Vtuberという体験』 【株式会社コルク代表取締役 佐渡島庸平氏 京都大学寄附講義から】

自分の好きな分人が活躍する社会
今日ここにいる皆さんが、必ずしも自分の人生に満足しているかどうかはわかりません。しかし、これまで話したように家族、友達、職場、アルバイト先で、必ず皆さんの分人が構成されているはずです。

でも、どの分人にも自分で好きになれる分人がいない。
そのときにVR (Virtual Realityバーチャルリアリティ、仮想現実。コンピュータで作られた三次元空間を、視覚をはじめ

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『佐渡島庸平という人』 【京都大学寄附講義を終えて NVIC奥野一成】

『佐渡島庸平という人』 【京都大学寄附講義を終えて NVIC奥野一成】

佐渡島さんとの出会いは比較的新しい。
講義録でもある通り、ある運用友達からの紹介で「面白い人がいる」と聞いて会ったのは今年の初めだった。

表参道のカフェでお互いに小一時間話しただけだが、「この人は僕と同じ種類のことをやっている」と直感した。

佐渡島さんが対象にするのは漫画家・作家であり、そのコンテンツを取り扱う。
僕は運用者であり、もっぱら興味の対象は企業価値とその株価である。
一見全く異なる

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