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#読書
『ミステリと言う勿れ』 7 田村由美
このマンガは誰に勧めても評判が良い。男性だったからかたまたま田村由美さんを読んでいなかったマンガ通にも、70歳の母の評判が良かった。母が貸した友人たちにも評判が良いというミステリマンガ。一言で言えば「面白い」なのだけれど、色々な側面において素晴らしいので「評判が良い」という表現にさせてもらう。
7巻は密室殺人のような、山小屋での事件。今回のエピソードで「ミステリ」的に鮮やかなのは、一つではなく複
『人生を変えるクローゼットの作り方』 ベティ・ホールブライシュ
ニューヨークの五番街にある百貨店、バーグドルフ・グッドマンには90歳(発刊当時)のパーソナルショッパー別名「買い物セラピスト」ベティ・ホールブライシュがいる。その彼女の半生記。日本語タイトルが示すようなクローゼット整理のテクニック、例えば「1年着ていない服は捨てましょう」「シーズンや色ごとに分けてしまいましょう」といったことは書かれていない。私だったら手に取らなかっただろうタイトルの本は、アパレル
もっとみる『ぼくが13人の人生を生きるには身体がたりない。』 haru
一生懸命読んでいたら降りる駅を乗り過ごした。6歳から25歳、男も女も性別不明も含めた13人の人格が1つの体に宿っている。「多重人格」というのが私の知っている言葉。タイトルには「解離性同一性障害」と書いてあるから、それが正式名称なのだと思う。そこの辺りのワーディングがわからないので、失礼にあたる言葉の使い方をしていたらごめんなさい。
そういったこともわからないけれど、頭の中に本人含む13人の声がす
『保健室のアン・ウニョン先生』 チョン・セラン
ひときわ長い梅雨のジメジメした空気の中、この本を開いたら、爽やかさに包まれた。「今日こそは好きなあの子に告白しよう」と決意する男子高校生の恋心からこの本は始まる。そしてタイトルになっている保健室の先生は特殊能力を持っていて、学校にはびこる「ソレ」とおもちゃの剣とBB弾の鉄砲で戦う。私の中二病がうずきだす。表紙も非常にPOPでかわいらしい。
手入れの足りないパサパサの髪をした保健の先生がストッキン
『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』 キャスリーン・フリン
タイトルがなんだかなあ。狙っているんだろうけれど、いけ好かない。その表現はジェンダー論的にどうなのか、と思って手を伸ばさずにいたのだけれど、中身は面白そうで、結局読んだ。原題『The Kitchen Counter Cooking School』。うん、このタイトルでは読もうと思わなかったとも思う。
フランスの名門料理学校ル・コルドン・ブルーを37歳で卒業したアメリカ人が、この本の筆者であるキャ
『あのひととここだけのおしゃべり』 よしながふみ
意味がわからないけど、すごいことが書かれているのはわかる。だから食らいついてみよう、ということが時々ある。「『やおい』は男同士だけではない。女同士でも男と女の間でもある。『やおい』の定義とは」えっと・・・やおいってBLと同じものじゃなかったの?え、ごめんどういうこと?
『きのう何食べた?』『大奥』と底力のあるマンガを描かれるよしながふみさんの対談集。対談相手は萩尾望都さん、羽海野チカさん、三浦し
『お葉というモデルがいた』金森敦子
竹久夢二、責め絵の伊藤晴雨、日本の洋画界で長く指導的役割を果たしてきた藤島武二という異なる3人の画家のモデルを勤めてきた女性、佐々木カ子ヨ(かねよ)。彼女はどんな人物だったのか。
大正時代にヌードモデルをし、さらに緊縛され乱れ髪の姿も描かれ公開されてしまう女性。タイトルの「お葉」は竹久夢二のつけた愛称で、彼との関係が最も多く書かれる。男と女、描く者と描かれる者、視る者と視られる者。内面も発露させ