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「質問力」マニアが8冊の雑多なジャンルの本から「質問」に関係する部分を抜き出してみた。

私が様々なビジネススキルの中で最も重要と考えているのが「質問力」です。
これをなんとかお伝えできないか、と考えたのが、雑多な本から質問に関する記載部分を抜き出してみること。お役に立つか分かりませんが、個人的には改めてその重要性を認識する結果になりました。こんな読み方も面白いですね。
(なお、対象としたのは、手の届くところにあった「質問」をテーマとしていない本、となります。若干古めなのはご容赦ください。)
ご注意)気がついたら4千字を大きく超える分量になりました。ほとんど引用ですがあらかじめお断りさせていただきます。申し訳ありません。

1、まずは「質問」の重要性をズバッと指摘するこの2冊から

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「もし自分が死にそうになって、助かる方法を考えるのに1時間あるとしたら、最初の55分は適切な質問を探すのに費やすだろう」と言ったのはアインシュタインです。
(『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』94ページ)
実際のところ、「何に答えを出すべきなのか」についてブレることなく活動に取り組むことがカギなのだ。
(『イシューからはじめよ』3ページ)
「問題を解く」より「問題を見極める」
(『イシューからはじめよ』21ページ)

どれも、問題の解決のためには、適切な質問(答えを出すべき問題)を正しく設定することの重要性を説いています。

すぐやる人は質問で前向きになり、やれない人は質問でやる気を失う
古今東西の成功者はもちろん、「すぐやる人」は、いい質問は人を動かし、悪い質問は人から行動力を奪ってしまうことを知っています。
(『「すぐやる人」と「やれない人」の習慣』94ページ)

という記載もありました。

2、次に「質問」の効能、手法等かなりのページ数で記載されているこの2冊

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原則19  自分から話すより、聞き役に徹する

実は成功する起業家とマッキンゼーのプリンシパルの目立った共通点をひとつ挙げるとすれば、両者ともよく質問することです。結果として相手の話を聞くことが多くなり、自分から話すのはごく控えめです。これは、あらゆる業界の一流のCEOと言われる人たちすべてにも共通して言えることで、おそらくあなたが尊敬する人たちにも当てはまるのではないでしょうか。

極めて有能な人は、とても謙虚です。1時間あったら、自分の過去の業績について10個話すよりも、あなたから新しい話を10個引き出す方を選びます。
(『47原則』113ページ)
原則44 踏み込んだ質問で相手の答えを引き出す

優秀なコンサルタントは、駆け出しの頃から、質問形式でクライアントを成功へ導いていく方法を身につけていきます。一方、無能なコンサルタントの典型は、いつでも自分が答えを教えなければならない、すぐさま教える立場に回らなければならないと考えています。

大抵の場合、クライアント企業のトップや幹部層はすでに多くの答えを持っているものです。教えるよりも、むしろ彼らの答えを引き出し、彼ら自身に発見させるプロセスが重要なのです。

マッキンゼーでトップクラスの業績を上げているシニア・ディレクターは、的確な質問をするコツを心得ていました。
(中略)
別の視点から物事を考えてもらう方法は、他にもあります。マッキンゼーで使われていた、相手の答えを引き出すための質問をご紹介しましょう。

1、「もし〜だったら」と理想の状態を想定した質問
2、「〜だと納得するためには何が必要ですか?」と尋ねる質問
3、「逆の立場に立たせる」質問
4、「他の選択肢や代替案」を尋ねる質問
5、「現実的で実行可能な次のステップ」を尋ねる質問
(『47原則』241ページ)

こちらは、世界一と言われるコンサルティングファームで活躍した筆者が得た知識、仕事のやり方を47原則としてまとめたもの、という本です。そのうち2つは質問に関することでした。

第3章 人の考えを引き出す
(中略)
こたえやすい質問からはじめる
相手からなにかを聞き出したい場合、最初に相手がこたえやすい質問をする。すると相手はリラックスする。迷わずにこたえられるというのは、誰にとっても快適なことである。(中略)これがスムーズに会話をはじめるコツだ。

質問を組み立てる
(中略)
具体的な質問はこたえやすい。こたえる側は思考を組み立てる必要がない。(中略)だから会話をスムーズにはじめるには具体的な質問からはじめるのがベストだ。
(『「話し方の心理学』54ページ)
第8章 頭をはたらかせる
(中略)
質問をして相手の思考を刺激する
こちらが述べたことについて相手が考えるようにしむけるには、質問をうまく使えばよい。(中略)ここで紹介するのは相手を刺激して考えてもらうための質問だ。

つまり言ったことを相手に理解してもらうことが目的であり、相手の考えをあきらかにすることが目的ではない。こちらの考えを相手の頭に植えつけるための質問である。
(中略)
質問とは情報をリクエストすることである。リクエストにこたえるためには、受け身の状態から能動的な状態になる必要がある。漫然と聞いているのではなく、自分の頭をはたらかせて思考しなくてはならない。(中略)つまり、今話したばかりのことについて相手に質問したら、相手はこちらの言った内容について考えざるを得ないということだ。

覚えておいてほしい。自分の考えていることを相手に言うだけではわかってもらったことにはならない。こちらが言ったことについて相手が頭をはたらかせ、反応を見せたら、ようやく目標達成だ。それを起こすために質問する。
(『「話し方の心理学』161ページ)
目的に沿った質問をする
人の考えを変えようとするのであれば、上手に質問することだ。理路整然と説得するよりよほど効き目がある。
(『「話し方の心理学』170ページ)
質問を習慣にする
質問はとても便利に使うことができる。情報収集はもちろんのこと、質問することで相手の見解をはっきりさせたり、同意を引き出したりすることができる。相手の思考を活発にさせて誘導して行ける。
(中略)
会話で質問する習慣をつけよう。(中略)相手に何かを伝えたいときには、ただ自分の思いを言葉にするだけでは不十分である。わたしの考えをあなたはどう思いますか、と反応を見る。必要な情報をわたしておしまいではない。
(中略)
この人を説得したいという場合、念入りに質問を組み立てる必要がある。まず「相手を納得させるために必要な情報」を考えてみる。そして相手からその情報を引き出すための質問をする。めざす情報を得たところでさらに質問する。すると相手は説得に応じるかどうか、態度を決める。
質問をする習慣がつくと会話の情報量が増えて、おたがいの思考が刺激を受けて活発なものとなる。
(『「話し方の心理学』179ページ)

こちらは古典的名著、ということで日本でも2005年に出版されたものです。話し方というタイトルにもかかわらず、かなりのページを割いて質問の重要性をかなり細かく解いています。特に、相手に伝える、特に説得するには、ただ話すだけではダメで、質問をすることだ、というのを何度も強調しているのが印象的でした。

3、最後は質問を通じて様々なことが実現できる、という4冊

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「質問」を効果的に使おう!
 〜相手の力を引き出す「学習者」の質問とは

(中略)
そもそも「よい質問」には次のような効果があります。
よい質問は正しい答えを導く よい質問は、最適な道筋、答えにたどり着く力になります。

良い質問は思考を深め発見を促す よい質問は、思索と内省を深め、新しい発見を得るきっかけになります。
よい質問は人に力を与える よい質問は、行動に駆り立てるパワフルな動機とエネルギーを与えます。
(中略)
ぜひ、学習者の質問を活用して、参加者の力を引き出すアプローチをしてください。
(『場が変わり、人がいきいき動き出す 研修・ファシリテーションの技術』207ページ)

こちらは主に集合研修で講師を行う場合の技術を説明した本です。単に一方通行ではなく、ファシリしていくという狙いもあるため、講義中の質問の仕方については上記以外にも触れられていました。

戦略構築のための条件1
戦略構築に必要な情報を抽出するための効果的な質問をする

(中略)
ここで重要なことは、必要な情報を引っ張りだすための質問である。なぜなら質問を間違えると、必要な情報が得られないからである。
(『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』20ページ)

これだけ、なのですが、企業戦略の立案にも、まずは質問から、ということですから、その重要性がわかるところかと思います。

CHAPTER 9 「良い質問」がすべてを変える
ー「問う」ことの驚くべき効果

(中略)
興味を引き出す「良い質問」をする
(中略)
目標につながる「質問」を考える
(中略)
質問すべき「相手」を1人見つける
(中略)
質問を「洗練」させていく
説明を聞き終えると、デビットはさっそく先ほど思いついたばかりの質問を使って、「アイディア・ネットワーキング」の第2ステップ(質問する相手を見つける)を開始した。6週間後、彼から電話があった。第一声は、「26人目でした」だった。私は一瞬考え、そして気づいた。
「そうか」私は答えた。「26人目の相手から、仕事のオファーをもらったんだね。」
その通りだった。デビットは、大手の国際銀行から就職の誘いを受けた。
(中略)
質問で「知らない世界」を開拓する
(『超、思考法』188ページ)

これは、コロンビア大学ビジネススクールで最も重要と言われる講義のエッセンスをまとめたもので、メインは、究極の能力、「第7感」で考える、ことで深い考えを生み出す(脳がスパークする、と表現)手法について書いたものです。引用した部分は、自分の本当にやりたいことを見つけ、実行する「人生戦略マップ」をやった学生が卒業後の進路について相談しに来る、という場面となります。
要は、質問をして回ることで、26人目に質問した相手から希望とぴったりのオファーをもらい、就職ができた、という話です。
文量の関係で全部中略としてしまいましたが、質問をブラッシュアップしていく過程だけでも分かればということで項目名だけ引用しました。
最後は、質問で知らない世界を開拓できちゃいます。

第3章 相手を引き込む「高確率な質問」の威力
(中略)
秘訣 話をよく聞く
質問は理由があってするもので、ねらいは相手が知っていて自分が知らないことを知ることだ。質問をしておいて答えに耳を傾けなければ目的にそむく。
(中略)
相手が話しているときに次の質問を考えてはいけない。
まず聞いて、それから考えること。(中略)もし興味が持てず注意が散漫になると、相手は即座にそれを感じとり、売り手を適格でないと判断するかもしれない。会話に集中すること。
(『売り込まなくても売れる!』83ページ)

これはセールスの本です。内容としては、こちらからお客さんを選んでいく、だから、こちらから断ることもあるんだ、でもそうすると、実は高確率なんだ、というメソッドを紹介した本です。とはいえ、質問したからにはちゃんと聞かないとダメだよ、という場面ですね。


以上です。

思えば、いろんな本を読んだものです。

抜き出しただけでかなり長文になりました。

ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

「質問力マニア」としては楽しかったのですが、正直、4千字を大きく超えてますので、皆様を完全に置いてきぼりにしたなぁ、とその点は後悔しております。
申し訳ありません。

ただ、8冊分、「質問」というテーマで横串さす経験もないかと思いますし、ここまでお読みいただけた、ということは、何かしらお持ち帰りいただけたことがあったのではと(勝手に)嬉しく思います。

なお、以下も質問についてまとめたもの(もう少し短いです)になりますのでご興味がありましたら(別の日にでも)ぜひご覧ください。

お読み頂きありがとうございました。

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