- 運営しているクリエイター
#コールセンター
戦闘服からヘッドセットへ 22 〜おバカでウルフルズな夜~
上杉と莉里の前には、飲み会で帰りが遅くなったような学生たちが、楽しそうに駅へ向かっていた。
「前の職場でそんな事があって、今の所に来てから研修の担当をするのは、挑戦だったんじゃ?」
「ああ・・・うん、挑戦だったね。でも、それ以上に、もう一回やり直せるかも知れないって思ったの。初日はすごく緊張したんだけど、思っていた以上に楽しくて」
お酒で気持ちが高揚していたのかもしれない。莉理は、珍しく研修担
戦闘服からヘッドセットへ 21 ~莉里の消えない傷~
瑠美と莉里は、カウンター席からチームメンバーが座る小上がりに合流した。皆が勢ぞろいした飲み会は久しぶりだった。
「おい、それ本当か?」
上杉は驚き、瑠美に向かって声を荒立てた。
「うん、そうだよ」
「そんな状況だったのか、相談してくれたら協力したのに。女が外でタイマンは危ないだろう。せめて職場で話した方が安全だ」
「そうだな。それか、すすきの交番の前とかな」
赤い顔になり始めた佐々木は、真
戦闘服からヘッドセットへ 16 ~奇異な二つの事件②~
気づくと、もう48歳。時間が過ぎるのは、早いものだ。
17年前、彼女との出会いを振り返ると、最初はどこにでもいる可愛い女の子だと思っていた。
初めてデートをした日。
予定時間に着いた約束の場所には、白いワンピース姿の彼女が花のように佇んでいた。
ウエストは細いベルトで締められ、スタイルの良さが際立ち、髪型や雰囲気はオードリー・ヘプバーンのように愛らしかった。
だが、強く印象に残