私がコーチになるまで~「自分らしさ、強みを発揮してもらいたい」と心の底から願う理由~
「対話を通して、人の支援に繋がると嬉しい」
ビジネスコーチとして、心の奥底から感じる私の気持ちです。
キャリア形成
チームマネジメント
上記の課題はリーダーたちを悩ませ、成長させる課題です。この2つの課題を専門的に、リーダー(または、リーダーを目指す方)向けにコーチングを提供しています。
私自身、「自分が楽しいと思える環境で思いっきり仕事がしたい!」と、いつも思ってきました。
この気持ち、きっとビジネスパーソンなら誰もが感じていることですよね。
とはいえ、私も最初からこのような気持ちを持っていたわけではありません。
上司と私の関係を壊した冷たい一言
私は25歳のときに、上司と部下の信頼関係が大切なことを知りました。
当時、ハードワークが続き椎間板ヘルニアで2週間ほど入院してしまったのです。
そこにお見舞いにきてくれた上司は、ベッドの上で身動きひとつとれない私に向かって「いつ仕事に戻れる?」とぶっきらぼうに聞いてきたのです。
その一言はとてもショックでした。
「え?毎日毎日残業して仕事ばかりしてきたからこうなったのに、いまそれ聞く?」
そう言いたい気持ちを我慢して、謝ったことを覚えています。
「会社は何も保障してくれないし、個人よりも組織が大事なんだ…」という悲しい現実を目の当たりにし、同時に「自分を大切にすることが何よりも大切なこと」だと気づいたのです。(今では社員を大切にする会社がたくさん増えてきていますが、私が25歳のときは今とは世の中が違っていました)
病院で言われた心無い言葉がきっかけとなり、私と上司の信頼関係はどんどん崩れていきました。
私はこの体験を通じて、「上司はメンバーが置かれている状況に理解を示すことが大切。さらにはチームマネジメントを行っていく上で、上司と部下の信頼関係が何よりも重要」だと知ったのです。
リーダーの孤独を味わった夜
このような体験をして大切な学びを得たにも関わらず、数年後、転職先のベンチャー企業でチームリーダーに就任した私は、メンバーから定期的にクレームを言われるようになっていました。
「岡村さんがどうしたいのかがわかりません」
「もっと私たちのことを見て欲しい」
プレイングマネージャーとして、ビジネスマネジメントに加えてピープルマネジメントでも成果を求められていました。
求められていることは理解している。しかし、当時の私はピープルマネジメントの知識がない。スキルもない、当然経験もない。
まさに無い無い尽くしだったため、うまくいかないのは当然のことでした。
それに付け加え、正直なところリーダーという役職に全く興味がなかったため、急にできた「部下」という存在に戸惑っていたのです。
自分が部下だったときに気づいていた、「上司はメンバーが置かれている状況に理解を示すことが大切」ということも、チームマネジメントを行っていく上で「上司と部下の信頼関係が大切」だということも、忘れてしまっていました。
さらに、
「リーダーは常に頼れる存在でいないといけない」
「人に甘えをみせられない」
「誰かに頼りたいけど頼れる人がいない」
こんな間違った思い込みを暴走させ、とにかく「自分で何とかしなければ」とプレッシャーの中、孤軍奮闘していました。
会社からの期待値に対するプレッシャー、他部署からの無理な要望やメンバーへの批判ともとれるようなクレーム。
それらを一手に引き受けて、チームメンバーに火の粉が降りかからないように必死でやっているのに、なんでわかってもらえないんだろう?
「誰にも言えない。頼れない。リーダーってつらいな。孤独だな。」
このような思いを感じていたのです。
それでも、どうにかこうにか成果を上げることができていたので、「多少メンバーがついてこなくても最後は自分が頑張ればなんとかなる」と、ハードワークと引き着替えに、チームワークを軽く見ていた自分がいました。
「責任感はないのか!」〜悔しくて泣けてきて〜
そんな中、私にある日突然、さらなる昇進の話が。
まさかの事業部長に就任することに!
私はチームリーダーをこなすだけで精一杯に感じていたので、素直に昇進を喜べたわけではありません。
それに、社内にロールモデルもいないし、事業部長として何をしていいのかサッパリわからない…。
しかし会社から、私個人も部署全体も、さらなる飛躍を期待されていることだけは嫌でも理解できました。
私は複雑な気持ちを抱えたまま、事業部長となり仕事に取り組んでいくことになります。
でもやはり覚悟のない状態では、チームマネジメントはうまく機能しません。
この時、キャリア最大のピンチを迎えました。
「メンバーに任せていた大きなプロジェクトが3か月遅延する」という事態が起こりました。
前任者からこのプロジェクトを引き継いだ時点で、すでに納期が1か月遅れていたのに、さらに現場から「あと1か月遅らせて欲しい」という報告が入りました。
会社と相談の上、遅延を承諾したのですが...
悪いことは続きます。
その数週間後に、さらに1か月遅れるという報告がきたのです。
「すでに2か月遅れているにもかかわらず、さらに1か月遅れるってどういうこと?」
「ちゃんとスケジュール管理していた?」
「なんでもっと早くに報告してこなかったの?」
「お客様にはすでに告知しているんだよ。お客様にご迷惑をお掛けすることについてどう思ってんの?」
矢継ぎ早にメンバーに詰め寄りました。ここまで言ったらもう止まりません。
私は、悔し涙を流しながら担当メンバーに言いました。
「前回も言ったよね、もう遅延はないよって。会社にもお客様にもすごく迷惑をかけることになるんだよ!どう思っているの!」
メンバーからは、「自分のプロジェクト管理が甘かったです。多少遅延しても仕方がないという甘えた気持ちもあったかもしれません。これ以上の遅延は絶対にないようにします。申し訳ありませんでした」という言葉がありました。
悔しさでいっぱいでしたが、これ以上なにを言っても現状は何も変わらない。
お客様にも丁重にお詫びして、3か月遅れでプロジェクトのリリースまでこぎつけました。
これまでは直接自分の目で見て判断し、成果を出せていたビジネスも、プロジェクト規模が大きくなり、また同時進行で複数のプロジェクトに責任を受け持つようになってくると、すべてを自分の目で見て、直接的に把握することはできなくなる。
だからこそ、メンバーに任せることが事業部長の役割だと思っていました。
「まずはメンバーに任せよう」
あまり口出しせず、定期的に来る報告だけを信じて動こうとしました。
ところが、最初の報告と期日間近の報告が大きく変わることが頻繁にありました。
「自分の当たり前と、チームメンバーの当たり前は違う」
「自分のイメージ通りに現場で仕事が行われているわけではない」
そんな当たり前のことを知った体験でした。
さらに言えば、チームを動かすためには、時には強い気持ちをもって相手に要望することも必要なのに、それができていなかった自分にも気づいたのです。
メンバーが増えて初めてわかったのは、自分ひとりの頑張りだけではどうにもならないということ。
「ひとりで頑張っていてはダメだ。人のチカラが集まって組織は成り立っているんだから。」
リーダーが孤軍奮闘するのではなく、メンバーを信頼し、チームの力を最大限に発揮することが何よりも大切なんだと気づきました。
この体験がきっかけとなり、少しずつ私のマネジメントスタイルが変化し始めました。
自分の成長がマネジメントスキルに磨きをかけた!
さらに、私のチームマネジメントに磨きをかけたのは、「コーチングメソッド」に出会ったことがきっかけです。
コーチングを学んでいるうちに、過去にチームマネジメントで感じた悔しさが思い起こされていきました。
コーチングを学び、感情的な言葉をそのまま部下にぶつけてしまった自分を反省しました。
と、同時に自分の考えや想いを自己開示することによってメンバーに想いが伝わり、メンバーが動くきっかけになっていたことにも改めて気がつきました。
そして、コーチングを学んでいくにつれ、部下の状況や想いを聴くことが、まったく足りていなかったことがわかりました。
25歳の時、メンバーが置かれている状況に理解を示すことが、上司として大切なことだと気づいたけど、私は具体的にどうすればいいのかをわかっていなかったのです。
コーチングを部署運営に導入して行く中で、「コーチングっていいよね」という想いが、いつしか「これだ!」という確信へと変わっていきました。
そして私自身も、凝り固まっていた考えから解放され、しなやかでブレない自分でいられるようになっていったのです。
勝手に背負っていた重たい荷物を、ひとつずつ下ろしていくような感覚を得たのを覚えています。
コーチとしての決意
「リーダーが抱える悩みや葛藤に寄り添い、ともに前進する」
私が思い描く未来は、「誰もが自分の強みを最大限に活かし、互いにサポートしあえるような働き方を増やすこと」です。
「自分の強みを生かす」ことは、誰かに「自分の弱みを助けてもらう」こと。
そして、「お互いに強みを生かしあう」ということ。
リーダーは、過去の私のように「自分ひとりで何でもやろうとする」のではなく、成果を出すために、自分の強みを知り、メンバーの強みを知り、互いの強みを組み合わせ、チームの中に共創を生み出す必要があります。
組織のリーダー・マネージャーとして15年以上のキャリアがある私は、部下へのリーダーシップの発揮、チームマネジメントの大変さも楽しさも知っています。
だからこそ、リーダーに自分らしくイキイキと活躍してもらいたい!
リーダーが抱える悩みや葛藤に寄り添い、ともに前進する。それが私の喜びであり、パワーの源です。
あなたも、自分らしく強みを活かして働く人が増えると楽しいと思いませんか?
これからも若きリーダーたちのために、この想いにこだわりコーチとしてサポートを続けていきます。
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