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GMOアスリーツを退部します

昨日リリースがあった通り、2022年4月30日付でGMOアスリーツを退部しました。 理由は「昨年度から抱えていた故障が慢性化してしまい、自分自身が実業団選手として立てた目標を達成するのが難しいと判断したから」です。 もともと、実業団選手として競技をするのは2024年のパリオリンピックまでと決めていました。 自分はどちらかというと、これまで強豪校ではない環境で自分の記録を伸ばしてきた、というバックグラウンドがありました。 だから、正直、自己ベストを目指すのであれば、あえて

    • マラソンにおけるペースメーカー

      マラソンにおけるペースメーカー(以下PM)について。 色々な意見が出ていて面白いと思ったので、PMに対する僕の視点を書いておく。 僕は今回ケースにあげるマラソンには出場していないので、あくまで外野からの考察に過ぎないことは留意してほしい。 それでも、PM付きレースを走ったことがあり、(主がトラックであるが)幾つかのレースでPM経験もあるので、多少の実感は伴っていると思う。 PMについて面白いのは、一緒に走った選手と視聴者が下す評価に差が生じる場合があること。 選手からした

      • 両立で得られるもの

        両立のついての考えを軽くまとめておく。 高校・浪人時代には「陸上選手として自分史上最高の状態で東大に入るか」を最重要視しており、今振り返るとなかなかチャレンジングなことをしていたと思う。 その時の陸上に関するnoteはこちら。 (大学以降は陸上専業に近かったので、両立というテーマで語れることはないです) 2つの物事で成果を上げようとする過程で、閾値や最適化という概念を体得できたのは、今でも財産となっている。 例えば、労力の割き具合を0〜10とすると 得られる成果は労力に

        • レースに向けた強化や調整をわかりやすく

          陸上競技における、レースに向けた強化や調整に対する理解を書いておく。 レースに向けた強化や調整を説明する際には、色々な例えが用いられることが多い。 「土台を作る」や「刀を研ぎ澄ます」という例えは、聞いたことがある方も多いだろう。 各々がしっくりくるイメージで取り組めば良いと思うが、ここでは自分が一番しっくりくる例えを紹介する。この例えで多くのことが説明できると思う。 一人一人に水の入る容器が与えられ 「与えられた期間で容器内の水の量を最大にしてください」 という課題が与

          「最大酸素摂取量(VO2max)が高い人ほど競技能力が高い」のだろうか

          「最大酸素摂取量(VO2max)が高い人ほど競技能力が高い」とは中長距離界隈でしばしば言われることだが自分の考えを書いておこう。 VO2maxとは、体重あたり、時間あたりに摂取できる最大酸素摂取量(ml/kg/min)のことである。持久性パフォーマンスの指標として1番馴染みのあるものだと思う。 村澤さんがVO2maxに関する興味深いnoteを書いているのでシェア。このnoteにあるように、一定レベル以上ではVO2maxが有効なパフォーマンス指標ではないことは今や通説となっ

          胸を打つジャンプ

          北海道清里町に”さくらの滝”という名所がある。 さくらの滝では6月から8月にかけて、川を遡上するマスが滝をジャンプする光景が見られる。 清里町は大学時代に合宿でお世話になった場所だ。ホクレンディスタンスが開催される網走から距離が近いこともあり、社会人になってからも顔を出している。 オフの日曜日、今年もガタンゴトンと電車に揺られて清里町へと出向いた。地元の子どもたちと少し走ったあと、さくらの滝に連れて行ってもらった。 だだっ広い砂利の駐車場に車を止めて、踏み固められた土

          書くことは考えること

          前半シーズンは故障の影響でレースに出ることが叶わず、それゆえ投稿のタイミングを完全に逸してしまった。 それなりにしっかりした文章を書くことから離れた結果として、文章力云々ではなく、残念なことに思考能力自体が落ちてしまったと感じる。やはり書くことは考えることなのだ。今回はそれについて書いていきたい。 頭の中で考えていることでも、いざそれについて書け、話せと言われたら言葉に詰まって「自分ってこんなに書けない、話せないものなのか」と落胆した経験はないだろうか。 頭の中で考える

          東大生がトップレベルの実業団チームに飛び込んだ話

          「はじめまして。GMOアスリーツ監督の花田勝彦です。」 こう始まるメールが、大学3年の箱根予選会が終わった後、自分のもとに届いた。箱根予選会が2017年10月14日、メールが届いたのが10月16日だった。 花田監督の選手時代や上武大学監督時代の実績は知っていたし、自分の中では「テレビに出ているような有名人」だったので、そんな人からメールが届いたのは不思議な感覚だった。多くの場合、まずは実業団の監督と大学の監督との間でコンタクトが取られるので、直接連絡を頂くというのは普通な

          ジョグはまとめてやるべき?分割しても良い?|参考になりそうな論文を添えて

          タイトルのような質問があったので、自分なりの答えを導き出そうと思う。 同じ距離を走るにしても、1回でまとめて走るべきか、2回に分割するべきか、ランナーによって様々な見解があると思う。例えば、1回で20km走るか、朝と午後で10km*2回にするかといった具合である。 最初に自分の考えを言うと、トレーニングの内容自体(ジョグでいえば、距離、運動時間がメイン)による効果に比べると、何分割するかや、どのタイミングで走るかによる影響はそれほど大きくないと考えられる。つまり、各々が最

          ランニング故障中のクロストレーニング(スイム、バイク)

          故障などでランニングができない時、代わりとなる運動で持久的能力を維持しようと考える人は多いだろう。 題名の”クロストレーニング”とは、専門競技以外の運動を取り入れる、という意味で用いられることが多い。ランニングであれば、走る以外の運動が該当する。 ランナーのクロストレーニングで代表的なものはスイムとバイクだろう。すでに取り入れたことがある人も多いと思う。この2つを中心に、クロストレーニングに対する考えを書いていきたい。 まず、故障が軽いもので、2週間以内に治りそうな目処

          びわ湖毎日マラソンを見て競技者としての価値を考えさせられる

          びわ湖毎日マラソン、すごかったですね。日本記録更新をはじめ、終了が惜しまれるほど歴史的なレースでした。 様々な点での"すごさ"をSUSHI MANさんがまとめてくださっているので、引用させていただきます。 一方で、びわ湖まいにちマラソンに限らず、ここ1〜2年の記録水準の急激な上昇によって、記録の価値がわからなくなってきており、持ち記録が競技者としての価値に直結しなくなってきていると感じる。それは僕だけでなく、おそらく多くの競技者が感じていることだろう。 例えば、マラソン

          ランニングシューズの個体差

          同じ種類のシューズでも、モノによって履き心地が異なることがある。そんな話だ。 気に入ったシューズが見つかったら、同じ履き心地を求めてリピートする人は少なくないと思う。自分もその1人だ。例えば、ナイキのインフィニティランはもう4足ほど履いている。一度種類が決まれば以降はオンラインで注文することができる。 しかし、同じ種類のシューズでも履き心地が異なり驚くことがあるかもしれない。 シューズの個体差をまず感じたのは、今や廃盤となったナイキのペガサスターボ2。 レースシューズ

          ようやく走り始め

          ニューイヤー駅伝が終わってからは、レースの予定も立てず、休養に専念していた。 右脛の治りが悪いためMRIを撮ったところ、全く痛みのなかった左も含めて、両脛骨疲労骨折という診断だった。これは治癒過程だったこともあり、それほど長引かなかった。 MRI上で白くなっている部分が、骨にダメージがある部分。かなり広範囲に渡って骨がダメージを受けていた。 また、左膝裏の内側(半腱半膜、長内転筋、薄筋が交わるあたり)を慢性的に痛めており、こちらの方が復帰を遠ざける原因となった。この部位

          2021年は利確ラインを決める

          久しぶりのノートです。 遅くなってしまいましたが、ニューイヤー駅伝の応援ありがとうございました。 チームは9位、自分は6区区間5位という結果でした。 優勝を目指していましたが他のチームは強かったです。結果を受け入れてまた頑張っていきます。 2021年は(正確には2022年ですが)ニューイヤー駅伝優勝、個人区間賞。 トラックでは5000m13分20秒台、10000m27分台を目標とします。 駅伝の目標については言わずもがなです。 トラックの記録は、このラインが日本のトッ

          早稲田大学記録会5000m

          13’36”19、組2着でした。 自己ベスト。日本選手権A標準(13’42”00)突破。 7月のホクレン千歳で13’44の自己ベストを出してすぐに、秋シーズンの目標を13‘40切りに定めた。 これもシーズンイン時点の自己ベストを13秒更新する十分なタイムだったが、レースが終わったあと、まだやれたんじゃないかという思いが自然と湧き上がってきたからだ。 ホクレンが終わって1ヶ月以上にわたる夏合宿では、常に秋のトラックシーズンを意識して過ごした。 長距離の夏合宿というと一度ト

          レースへの調整方法

          昨日の走る研究室では【レースへの調整方法】を扱った。各地でレースが開催されてきたこともあり、需要のあるテーマだったと思う。 今回は調整方法の中でも、テーパリングを主に扱った。 テーパリングとは、試合に向けて徐々にトレーニング負荷を減らすことを指す。 テーパリングは、トレーニング負荷を軽くすることで疲労は抜けるがフィットネス(体力)は減少しないことを利用している。例えば、トレーニング量を4週間かけて85%減少させても、VO2maxは下がらなかったという研究もあるくらいだ。