GMOアスリーツを退部します

昨日リリースがあった通り、2022年4月30日付でGMOアスリーツを退部しました。

理由は「昨年度から抱えていた故障が慢性化してしまい、自分自身が実業団選手として立てた目標を達成するのが難しいと判断したから」です。

もともと、実業団選手として競技をするのは2024年のパリオリンピックまでと決めていました。

自分はどちらかというと、これまで強豪校ではない環境で自分の記録を伸ばしてきた、というバックグラウンドがありました。
だから、正直、自己ベストを目指すのであれば、あえて実業団に属す必要はないとわかっていました。
また、その喜びが得られれば競技者として十分すぎることもわかっていました。

でもその一方で、実業団という新しい環境に飛び込んで、これまでの延長線上にはない自分が見たい、という捨てられない思いもありました。

両方の気持ちがせめぎ合う中で、ひとつの落としどころとして、自分なりに明確な期限を決めて競技をしていました。

ところで、オリンピックに出場するためには2023年の代表選考会で勝負する必要があります。
その代表選考会に出るには、今年中に良い記録を作る必要があります。

一方、昨年もズルズルと競技をしてしまい、慢性的に壊れた身体を取り戻すには、まとまった時間が必要でした。

この状態でズルズル続けても、自己ベストの更新すら難しい。
他方、本格的に立て直そうと思ったら、ある程度のまとまった時間が必要で、ドミノ倒し的に先の目標の達成が不可能になる。
自分が立てたビジョンと現状の整合が完全に取れなくなりました。

自分のビジョンに適う行動が難しいとはっきりわかったとき、実業団選手として競技を続ける必然性がなくなりました。
そして、そう思ってしまった時点で、プロとしてはおしまいだということもわかりました。

昨年秋には、今年のニューイヤー駅伝を最後にチームを離れることを決めました。
一方、GMOは本気で優勝を目指しているチームなので、ニューイヤー駅伝までは気持ちは自分の中でとどめて、チームとして最後の挑戦をすることも決めました。

ニューイヤー駅伝が終わり、年始最初の集合で花田監督に辞意を告げました。
聞かされた方からしたら唐突でしょうが、こちらは気持ちをじっくりと、十分に固めた上での進言でした。
その後、安田部長など、チームのマネジメントに関わる方々との話し合いも幾度かあり、正式にチームを離れることが決まりました。

端的に事実を書くと、チームを離れるまでの経緯はこのような形でした。


もう一度実業団に行きたいか?

一般論を言うなら、他に生かすところが少なく、3年で終わってしまうようなキャリアは筋が良いとは言えません。
特に転職活動をすると、実感としてよくわかりました。

逆に言うと、実業団に行くという選択は、心が突き動かされたあの時の自分にしかできない選択でした。
人生2周目の自分にはできない、容易に人に勧めることもできない、あの時の自分が全責任をもって下した選択でした。
そういう意味では、過去の自分が下した、再現性のない選択に誇りを持っています。

チームを離れるにあたって、温かく送り出してくださったGMOの皆さんには本当に感謝しています。
そして、今まで応援してくださった皆さんの温かさをひしひしと感じています。

数年後、今の自分が下した選択に誇りが持てるよう、また一歩ずつ歩んでいきます。

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