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亀の甲羅と 美味しいごはんと

また月曜日がやって来ました。
「連休って あったっけ?」
「あったような なかったような….」
「もう ずいぶん前のことのような気がするよ。」

何でも終わってしまうと、あっという間に過去のものとなって
どんどん後方へいってしまいます。

りこちゃんと こざる達は、
今日も いつものように
皆で一緒に 夕食を食べています。

テレビでは、秋に行われる天皇陛下の即位の儀式
「大嘗祭」で使う米を収穫する地方を選ぶ儀式のニュースをやっています。

「占いで、米を使う地方を選ぶんだね。」
「亀の甲羅を炙るんだ。」
その ひびの入り具合で、どの地方か決めるのだそうです。
こざる達は、興味津々です。

「亀の甲羅といえば、カシオペイア!」
「エンデの『モモ』だね!」

りこちゃん、こざる達が大好きなミヒャエル・エンデの『モモ』に登場する
不思議な力を持った亀、カシオペイアという名前です。
甲羅に文字が浮かんで、会話をするのです。

「亀は、やっぱり特別な生き物なんだね。」
皆、うんうん頷きます。

「そして、やっぱり日本は お米だよね。」
「うん、みんな、パンも大好きだけど、やっぱりお米だね!」
「天皇陛下の即位の儀式で使うんだもんね!」

りこちゃんも、こざる達も、パンが大好きです。
でも、どっちか一つ選ぶとしたら、そんな機会はないかもしれませんが、
やはり お米、ごはんでしょう。

「白いホカホカのごはん、とっても美味しいよね。」
「昔、りこちゃんが握ってくれた おにぎり、美味しかったなぁ。」
「あとねー、炊きたての 湯気が出ている ごはん、
りこちゃんが、ちょっと食べさせてくれたのも 美味しかったよ。」
「お弁当箱に入って、冷めても美味しいよね。」
「お櫃に 移しておくと、いい具合に水分が保たれて、
木のいい香りがつくんだよ。」
「お茶漬けにしても美味しいし。」
「お寿司のごはんも美味しいよ。」

美味しいごはんの話は尽きませんね。

「今夜の筍ごはんも、とっても美味しいね!」
皆、うんうん頷きます。

「それに、田んぼの景色は、本当に美しいよ!」
「うん、青い空と 緑の田んぼ、その上を風が渡る光景….。」
りこちゃんも こざる達も、その眺めを思い浮かべます。
「綺麗だよねー。」

そろそろ 皆、夕飯を食べ終わるようです。

「じゃあ 食後のお茶を淹れてくるねー。」
こざるちゃんが立ち上がります。
「僕も行くよー。」
「お願いねー。」

こざる達は、台所で お茶を淹れます。
ラジオからは、こざる達の大好きな歌が聴こえてきます。

「輝く五月の草原を さざ波はるかに渡ってゆく
飛行機の影と雲の影 山すそ かけおりる」

松任谷由実の『緑の町に舞い降りて』です。

こざる達は、お茶を淹れながら、一緒に歌います。

「セロファンのような午後の太陽 
綾とる川面を ゆっくり越えて
いつか いつか この季節
たずね来れば きっとわかるはず
あなたが気になりだしてから 世界が息づいてる」

今日も こざるカフェでは、ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
田植えの季節ですね。
よい毎日でありますように (^_^)

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