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その27:女子剣道再考(中)
昭和27年(1952)年10月、全日本剣道連盟が発足して女性の剣道愛好家が少しずつ増えてきた。それでも戦前から高野佐三郎先生の修道学院で修行した高野初江先生が、女性で初めて七段に合格したのは昭和41年(1966)11月(47歳)である。
戦後の女子剣道発展を昇段状況に限ってみてみると、高野初江先生の後25年経過して平成3年(1991)5月、小林節子先生が2人目の七段に合格した。次に平成6年(
その26:女子剣道再考(上)
2021年2月中旬、イギリス在住の松田和世さんが『世界のファインレディース剣道』(FINE LEDIES KENDO WORLDWIDE)という雑誌を発刊した。年間2・3回発行するという。創刊に当たって何か書いてほしいというメールを頂いたので、「松籟庵便り」に掲載する予定でまとめていたものの中から引用して送った。その全文を3回に分けてお便りする。
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令和2年(2020
その25:新型コロナウイルス感染症1周年
昨年の2月26日、イギリス・ノッティンガムからマーク・タッカーとダニエルが来日し久し振りに稽古をした。彼らは翌日から数日京都と大阪方面を観光し関西空港から帰国した。感染者がそれほど多くなかったから外国人旅行者も沢山各地にいたと思う。そういう意味ではマークとダニエルは、記念すべきギリギリの日本旅行だったと言ってよい。以来コロナ禍は丁度丸1年過ぎた。
3月1日から2週間の休館措置を取り、その2週
その20:三つの宝(2)
私は70年の人生の大半64年間剣道を修行した。そのことによって人生の意義をかなり大きなものにした。剣道そのものは、『松籟庵便り(15)』で説明したように、日常生活とは大きく掛け離れた動きの連続で、教えて貰わなければ生涯使うことがない動きである。礼儀作法以外は、今の時代に生きるために必要なことだとは決して言われないものだと思う。それを何十年も修行しているのは、端から見れば異様なことと言っても不思議
もっとみるその18:三つの宝(1)
10年以上前に購入した本を引っ張り出して久し振りに読んだ。元慶応大学塾長小泉信三先生の著書『練習は不可能を可能にする』である。私自身は剣道をただ一生懸命励んできただけだったので気が付かなかったのだが、「スポーツが与える三つの宝」を読んでまさにその通りだと思った。ここでは、剣道はスポーツか、武道かということは、またの機会にして、先生の文章を要約して記して行くことにする。
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