野火に囲まれ窮地に!倭建命其の二二 神話は今も生きている ことの葉綴り五四七
心地よい風に両手広げて
おはようございます。曇り空の日曜日。皆さま、お元気ですか?
今朝、目覚めて書いた「モーニングノート」には、「頬を緩めて笑う」「ささやかだけど尊い幸せを見つける」「一日くつろいで過ごす」
私は今朝も、神社のお参りへ。気温も高くなく、鎮守の杜と境内を風が吹き抜けていき、「あ~心地よい~」と、両手を広げて深呼吸してきました。気持ちよかったです。黄色い蝶々も飛んでいました。
一日のはじまりに、“小さな幸せ”を見つけてきました。
皆さま、お一人お一人にとって、今日も佳日でありますように!!
ささやかだけど尊い幸せが、すぐそばにありますように!!
いつも、本当にありがとうございます。
感謝と笑顔を送ります。
暦は、八月二十九(日)、六曜は「仏滅」で勝負なしの日。十二直は「除(のぞく)」で、障害を除く日。掃除、種まきに吉。二十八宿「房(ぼう)」は、ご神事・仏事、衣類新調、開店、婚礼などすべて大吉。そして、ご神事に関する吉日の「神吉日」。
八月三十日(月)は、六曜は、万事によしの吉日「大安」、十二直は、すべてが満たされる「満(みつ)」。二十八宿「心(しん)」も、神仏の祭祀、旅行、移転に吉。こちらも「神吉日」の吉日です。
そして、早速、神話の物語へ入ります。
悲劇の英雄として有名な倭建命(やまとたけるのみこと)さまの物語です。
<ことの葉綴り>ご案内
この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。
最新のマガジンは、天照大御神さまが伊勢の神宮にお鎮まりになられるまでの「元伊勢」物語 神話13~17です。
<倭建命様の物語。これまでのあらすじ>
父を裏切っていた兄を殺めたことから、父、景行天皇(けいこうてんのう)に疎まれ、遥か熊曾建(くまそたける)兄弟征伐を命じられた小碓命(をうすのみこと)さま。
強敵を打ち破り、「建」の名を授けられ、倭建命(やまとひめのみこと)となられます。
英雄として帰還するも、天皇はまたすぐさま、「東の国の荒ぶる神々を討て」と、命じます。
敬愛する父に拒絶された倭建命(やまとたけるのみこと)さま。
叔母で伊勢の神宮の斎宮(いつきのみや)の倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、皇統が受け継ぐ、ご神剣と御袋を授けました。
途中、尾張の国で出会った、美夜売比賣(みやずひめ)さまと、契りの約束を交わし、また愛する妃の弟橘比賣命(おとたちばなひめのみこと)さまと、わずかな家臣と共に、東国へと進んでいきます。
沼の荒ぶる神
相武国(現在の静岡県あたり)に辿りつくと、太子(ひつぎのみこ)の倭建命(やまとたけるのみこと)さま一行を、国を統べる国造(くにのみやつこ)が、待ち受けていました。
国造(くにのみやつこ)たちは、広い野原に中の大きな沼に、とても荒々しく凶暴な神がいて、怯えて困り果てているといいます。
「どうか、お助けください」
倭建命(やまとたけるのみこと)さまは、「あい、わかった」と、すぐに頷くと、「その沼まで案内してもらおうか」と、大沼の荒ぶる神討伐へと向かうことになりました。
ありがたきこと。さぁこちらでございます。
広く深い野の中へ
国造(くにのみやつこ)たちが、先導となり、見渡す限り草が生い茂る野原を進んでいきました。
どんどん草の丈が高くなっていきます。倭建命(やまとたけるのみこと)さまの背丈よりも高いほどです。
「建命(たけるのみこと)さま~~こちらでございます」
お供の御鉏友耳建日子(みすきともみみたけひこ)が、草をなぎ倒しながら、歩む道を確保します。
倭建命(やまとたけるのみこと)さまは、隣をゆく弟橘比賣命(おとたちばなひめのみこと)が少しでも歩きやすいようにと、肩を抱き、草でケガをしないようにと、守りながら進んでいきます。
どれほど歩いたことでしょう。
沼は一向に見えてきません。
見えるのは、背の高い草だけ。
お供の姿も、草に隠されていて、「おーい」「こっちだ」と、声を掛け合いながらでないと、位置の確認もなかなかできません。
国造を見失って
弟橘比賣命(おとたちばなひめのみこと)も、息があがっています。
倭建命(やまとたけるのみこと)さまは、旅へ同行したことを、申し訳なく思っていました。
それを、察知したのか、弟橘比賣命(おとたちばなひめのみこと)さまは、「私は、大丈夫でございます」と、懸命に足を一歩一歩進めます。
そのときです。
前方から、御鉏友耳建日子(みすきともみみたけひこ)の大きな声が響いてきました。
「建命(たけるのみこと)さま~~。国造(くにのみやつこ)たちを、見失ってしまいました!! 申し訳ございまぬ」
??! これでは沼への方角もわからぬ……皆、声を出して、国造(くにのみやつこ)へ呼び掛けよ。我らは、この近くて集まれ~。そして、呼び掛けるのだ!!!
国造(くにのみやつこ)よ~どこじゃ~~~?!
お~い、お~い、倭建命(やまとたけるのみこと)さまは、こちらにいらっしゃる! おぬしたちは、どこなのだ~~?!
倭建命(やまとたけるのみこと)さま、まったく返答がございません!!
野火に囲まれ窮地に!
家臣たちが、叫びながら、いくら声をかけても、どこからも、人の声は聞こえてきません。
草が生い茂る野に、風が吹き抜けていきます。
これは……あやしい!
倭建命(やまとひめのみこと)さまが、そう確信したそのときでした。
野を吹き渡る風にのって、なにやら焦げ付くにおいがしてきました。
そして、次の瞬間です。
四方の草をなぎ倒すように燃え盛る炎が、迫ってきたのです!!
絶対絶命のピンチです!!
―次回へ
#一度は行きたいあの場所
#私の作品紹介
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?