見出し画像

豊玉毘賣の願い 海幸山幸23 神様も“失敗”して成長した ことの葉り。百八六

天赦日と満月

おはようございます。
9月2日の今日は、百の神さまが天に昇り万物の罪を赦すという「天赦日」
何をやっても万(よろず)よし! 最大の吉祥日です。
何かやってみたいことを、スタートするのにもいい日。
さらに、午後14時22分には、魚座の満月
願いごとをするのにも最適ですね。
なんだか、ワクワクします。
私も「ことの葉綴り。」を綴ったら、お仕事前に、氏神様へお参りに行こうと思います。そして夜はお月様を見上げて願い事をしようと思います。

画像3


産屋を建てる

さて、晴れて豊葦原中つ国を統べる神さまとなられた山幸彦さま。
そこに、愛する豊玉毘賣さまが、竜宮城より突然、山幸彦さまの元へとおいでになりました。

再会を喜ぶ、山幸彦さま。
豊玉毘賣さまは身ごもっており、出産が間近となり、
天つ神の御子を、海原ではなく、地上でご出産するためにいらしたのです。
山幸彦さま、喜び倍増です!!

なんとめでたい!! すぐに、産屋をつくらせよう!!

山幸彦さまは、大切な妻の豊玉毘賣さまと我が子を迎えるために
海辺の波打ち際に、鵜の羽を集めて萱(かや)にし、産屋を造らせました。

画像3


昔は、出産するときには、普段暮らしている家とは別に、産屋を建てて、出産の前後をそこで過ごしました。
そしてお産のときの血を、穢れとして、母屋と産屋の、炊事の火を別にしたのです。
これは、伊邪那岐・伊邪那美さまの物語でも綴りましたが、
黄泉の国での竈門の火で焚いたものを食べると穢れてしまうというお話とつながっています。



豊玉毘賣のたっての”お願い”

あとは、屋根に萱(かや)を葺くだけというときです。

豊玉毘賣さまは、急に産気づかれたのです。

屋根が葺き終わるまで、もう待てません。

お腹の御子が生まれそうになり、こらえきれなくなり、その産屋にお入りになりました。

産屋へとお入りになるときに、豊玉毘賣さまは、夫である山幸彦さまに、こうおっしゃいました。

私は海原という他の世界からきたものです。
異郷のものは、出産するときには、故郷の世界の国の姿形に戻って産むものです。
私も、本来の姿になり御子を生みましょう。
お願いですから、決してその姿はご覧になりませぬように!!!

山幸彦さまに、そう強く念を押されて、産屋に閉じこもられました。

わかった。

産屋へ入る豊玉毘賣さまをそう見送った山幸彦さまですが、
妻の言葉の意味に首をかしげていました。

比賣(ひめ)が言っていたことは、どういうことなんだろう。
元の本当の姿ってなんのことだろう?
わからぬ……。

不思議に感じた山幸彦さま。
いよいよ出産というときです。
屋根が葺きあがっていない産屋に近づいていきます。
そして建物の隙間から、愛する妻のお産する姿を、
そう~っと顔を近づけて、のぞき見したのです!!

そこで山幸彦さまが目にしたものは……。

画像1

―次回へ。

この記事が参加している募集

#習慣にしていること

130,749件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?