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可憐で美しい乙女 倭建命 其の五 神話は今も生きている ことの葉綴り五二八

金運招来寅の日 “お金さん”は気持ちよく送り出そう!

おはようございます。今日も最高気温40度近くに上がる地域がいくつもあるそうです! 皆さん、水分しっかり補給して熱中症に気を付けて、お互い元気に過ごしましょうね!
今日は、お仕事前のひととき「ことの葉綴り」に向かいます。
八月十日の暦は、六曜「先負」(せんぷ)午後が吉。平静で控えめがいい日。 十二直は、物事を突破する「破(やぶる)」、二十八宿「(しつ)」は、祈願始め、祭祀、お祝い事に吉
そして、千里を往って千里を還る虎にちなんだ寅の日
必ず戻る”ことから金運によい日といわれます。
今日は、何かお支払いするときに「大切な、私の“お金さん”。気を付けていってらっしゃい。世の中を楽しく巡って人を幸せにしてきてね」と、気持ちよく送り出してみてはいかが?(^^)

さて、今日も神話の物語に入ります。

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<ことの葉綴り>ご案内

この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。

最新のマガジンは、天照大御神さまが伊勢の神宮にお鎮まりになられるまでの「元伊勢」物語です。

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熊曾建兄弟に見つけられた小碓命!

父の景行天皇(けいこうてんのう)を裏切った兄の大碓命(おおうすのみこと)を許せなかった、小碓命(をうすのみこと)は、兄を殺めてしまいます。
父は、その少年の持つ荒々しい気性を恐れ、皇子を遠ざけるために、遥か九州の地で、宮廷に叛逆する熊曾建(くまそたける)兄弟の征伐を命じます。
勝てる見込みのない勝負。

なんとしても成敗しなければ、私は大和に帰れない。
熊曾建(くまそたける)を討てば、父もきっと許してくださるにちがいない

まだ十五の小碓命(をうすのみこと)は、熊曾の領地で、知恵を目降らして、“その時”を待ちました。

そして、熊曾建(くまそたける)兄弟の館の新築落成祝いの宴の日に、伯母の倭姫命(やまとひめのみこと)さまよりもらいうけた、女性の御装束を身にまとい、“女装”をして、給仕のふりをして、館へと潜入したのです。

飲めや、歌えや、無礼講!
と、大盛況の酒宴で、酒を運び、男たちに酒をつぎながら、小碓命(をうすのみこと)は、広い広間の前方中央に、見るからに屈強そうな二人を見つけました。

あれが、熊曾建(くまそたける)兄弟だな!

その瞬間、熊曾建(くまそたける)兄弟の鋭い目が、小碓命(をうすのみこと)の姿をとらえます。

じっとこちらを、ねっとりとした目で見ています。

小碓命(をうすのみこと)が、一瞬、どうするか? と思った瞬間。
熊曾建(くまそたける)兄弟が、大きく手を振り上げて、大きな声を出しました。

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可憐で美しい乙女!?

おいっ!

おいっ!

そこの、娘! そうだ、お前だ! こっちに来い!

おお、可愛い顔をしているじゃないか!

こっちにきて、酌をせい!

小碓命(をうすのみこと)は、正体がバレたわけではありませんでした。
ふぅ~ですね。

美しい可憐な乙女にしか見えなかったので、熊曾建(くまそたける)兄弟は、その美しさに目をつけたのでした。

おい、早く、こっちに来い!!

がたいのいい熊曾建(くまそたける)兄弟が、太い腕で手招きをしています。

小碓命(をうすのみこと)は、小さくうなずくと、しずしずと歩いて、熊曾建(くまそたける)兄弟へと近づいていきました。

おお、こっちじゃ、こっち。
ここに座れ!

なんと、兄弟の二人の間に、小碓命(をうすのみこと)を座らせたのです。

よし! 酒をつげ!

はい……。

近くで見ると、さらに美しいではないか。

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熊曾建兄弟に酌をして「待つ」


小碓命(をうすのみこと)は、熊曾建(くまそたける)兄弟に、はさまれながら、それぞれの盃に酒をついでいきます。
敵は、すぐ隣にいます。
でも、すぐには、動きませんでした。

何度も酒をつぎながら、熊曾建(くまそたける)兄弟から話しかけられると、微笑みを浮かべつつ、相手の様子をしっかり探りました。
熊曾建(くまそたける)兄弟の、どちらが兄で弟か
熊曾(くまそ)と呼ばれる兄がこっち。そして弟の建(たける)はこっち。どんな動きをしそうか、どちらが強そうか、じっと作戦を練りました。

熊曾建(くまそたける)兄弟も、楽しそうに豪快に酒を飲みかなり酔ってきているようでした。

そして、ここでも、その瞬間を、辛抱強く待ったのです。

すっかり夜も深まり、宴も最高潮に盛り上がりを見せていきます。

広間の皆も、酔っ払い、歌い踊りと、騒がしいほどに宴を楽しんでいます。
熊曾建(くまそたける)兄弟も、かなり酔いが回っているのがわかります。
周りの声もきこえないほどです。

よし、今だ!

小碓命(をうすのみこと)が、満をじして、俊敏に動きました!

さて、小碓命(をうすのみこと)さま、何をする? どうなる?

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―次回へ
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