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心に寄りそう皇子 応神天皇五 神話は今も生きている ことの葉綴り六二四

寅の日の日曜日

おはようございます。十一月ももう半ばですね。少し移動もしやすくはなりましたが、皆さん、いかがお過ごしですか?
さて十一月十四日(日)の暦は、六曜は「先勝せんしょう」は、午前が吉。おでかけは午前中に。先んじることで幸を勝ち取る日。
十二直は「たいら」物事が平らかになり、平等円満に成立する日。お祝いごと、旅行、相談、婚姻、建築、すべて障りなし!
二十八宿は「せい」で祭祀、ご神事、お参り、治療はじめ、お手洗いの改修に吉の日。
そして金運招来の縁起日「寅の日」です。お財布を新しくするのもよさそうですね。旅立ちにもいいですよ。
皆さま、楽しい秋の日曜日をお過ごしくださいね!!


<ことの葉綴り>全体のご案内
この「言の葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて読めるようになっています。
「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごとに18のマガジンに分かれています。全体のご紹介は、こちらをどうぞ。
600回の節目に、まとめてみました。

最新のマガジンをつくりました! 

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父の心に寄りそう大雀命おほざきのみこと

品陀和氣命ほむだわけのみことさまは、ご即位されて、第十五代応神おうじん天皇の御代となりました。
そして御子、男の王十一柱、女王ひめみこ十五柱の中で、皇位を継ぐ候補となったのは、
大山守命おほやまもりのみことさまと、
大雀命おほざきのみことさま……
そして、もう一柱の皇子でした……。

物語は、時間が経過して、皇位継承をめぐるお話へと入っていきます。すでに、御子たちも成長されています。

ある日のことです。
応神おうじん天皇さまは、大山守命おほやまもりのみことさまと、大雀命おほざきのみことさまを、お呼びになり、ある問いかけをなさったのです。

そなたたちは、父として、年が上の子と、年が下の子とでは、どちらが、可愛いと思うか?

この問いかけに、いちばんの年上でもある、大山守命おほやまもりのみことさまは

それは、最初に生まれた年上の子がかわいいと思います

そう答えました。
これは、ある意味、常識的な優等生な答えですよね。
長子が受け継ぐことが多いとされていたでしょうし。

うむ……。

応神おうじん天皇さまは、表情をくずさずに、いらっしゃいます。

隣に控えている大雀命おほざきのみことさまは、そうした父である天皇すめらみことの表情から、「父上のお心は、どうであろうか? どう思っていらっしゃるのであろうか……
と、敬愛する父の心に寄りそい思案し、そして、こう答えたのです。

の子は既に人と成りて、これいぶせきこと無きを、
おとの子は未だ人と成らねば、これぞしき

父上、私が思いまするに
年上の子は、すでに成人しておりますので、行く末を心配して気にかかることもございませんが、しかし、年下の子は、まだ成人してらず幼いので、気がかりなこともあり、こちらの方が可愛く思われます

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応神おうじん天皇 問いの“真意”


この大雀命おほざきのみことさまの言葉を聞かれると、応神おうじん天皇さまは、表情を緩められて、深くうなずかれて、嬉しそうにこう仰られました。

さざき吾君あぎことぞ、我が思ふが如くなる。

大雀おほざきよ、よくぞ申したぞ。
そなたの言ったことが、私の思いである!!

なぜ、大雀命おほざきのみことさまは、年下が可愛いといわれたのか?

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寵愛される妃と皇子

皇位の候補は、三柱と書きました。
では、残りの一柱は?

系譜にも出てきましたが、実は、応神おうじん天皇さまには、寵愛する妃がおりました。
宮主矢河枝比賣みやぬしやかはえひめさまです。
その妃との間に生まれた宇遲能和紀郎子うぢのわきいらつこのことが、可愛くて、可愛くてしかたなかったのです。
そして、できるならば、宇遲能和紀郎子うぢのわきいらつこに皇位を継がせたいと考えていらっしゃったのです。

大雀命おほざきのみことさまは、こうした父の思いをよくご存じだったのですね。
でも、敬愛する父、天皇の思いとはいえ、そこに寄りそうことは、なかなかできるものではありませんよね。
しかも、同じ皇子同士で、身分でいうと、きっと后の子のほうが上なのではないかしら……。
大雀命おほざきのみことさまって、優しいですね。

さて、これから、どうなるでしょうか?

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―次回へ
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