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聖なる火 倭姫命さまの火打ち石 倭建命其の二五 神話は今も生きている ことの葉綴り五五〇

五五〇回の感謝と朝露の美しい玉 

おはようございます。今日から九月! 皆さん、いかがお過ごしですか?
私は今朝、お朔日参りに行ってきました。気温も低く風が気持ちよかったです。雨上がりの鎮守の杜は、色味が深い緑で味わいがありました。
朝露が宿った草木に美しい水玉が!!
秋の気配を感じながら、神さまにお参りできました(^^)
そして、今回で、「ことの葉綴り」気づくと、五五〇回! ありがとうございます。前回では、愛らしい絵と文を更新されているシバイヌモモさんから、嬉しいコメントを頂戴しました。ありがとうございます
一重に、皆さんのおかげです!心より御礼申し上げます。「ことの葉綴り」を一度でも訪れてくださった皆さん、お一人お一人の「ご縁」に感謝し、皆さまの幸せをお祈り申し上げます。感謝をこめて

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防災の日 二百十日 こころの原点

九月一日は大正十二年(1923年)九月一日に、関東大震災が発生したことから「防災の日」。
そして、二百十日と二百二十日は、台風に気をつけなければならない「厄日」。
昔から、人の暮らしに欠かせない糧となる農業、漁業の被害にあうことは、命にかかわることでした。
今のように、「気象予報」はないけれど、人々は、「厄日」を設定することで、備えをして、また風や嵐を鎮めるお祭りをして、人知を超えた自然の働きである「神さま」に、収穫の無事を祈ったのですね。

古の人は、自然恵みをもたらしてくれるものであり、命や糧を奪う猛威にもなることを、肌身で、もっと実感していたのでしょうね。

人を超えた偉大なるもの、カミへの祈りは、自然との「共生き」を願うものだったのでしょう。
私たち以上に、自然とのつながりが深く、五感を大切に生きていたのではないでしょうか。

風の吹き方、流れ方、向き、匂い、海の潮の満ち引き、朝日の昇る角度、星の輝く位置、草木の芽吹き方、月の満ち欠け……
稲の実り方、小鳥の囀り、虫の音、気温、雨の降り方……などなど、あらゆる森羅万象の様子を、見て、聞いて、触れて、嗅いで、味わって、フル稼働して、そこから、知恵として、二百十日や二百二十日をはじめ厄日や吉日をつくり、「森羅万象とともに、家族や仲間とともに、祖先とともに、未来のために、共に生かせてください」と、祈り、カミを祀られてきた気がします。

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倭建命さまを救った「火打ち石」

前回、倭建命(やまとたけるのみこと)さまの物語で、「草薙剱(くさなぎのつる)」により一命を救われ、また倭姫命さまから授けられた伊勢の「火打ち石」が、迫りくる猛火を押し返す向い火になったことを綴りました。

書き綴っていて、浮かんだことがあるのです。

「草薙剱(くさなぎのつるぎ)」が、皇統の御印である、三種の神器の一つであることはご紹介しました。

もう一つ、「御袋」の中身の伊勢の「火打ち石」から熾した火です。

もう十五年以上も前のことです。社会人で大学に通い、神職の資格取得のために、伊勢の神宮で、五日間ほどの研修を受けました。
そのとき、神宮の神職さんが、仰ったことで、忘れられないことがあります。

神道は、キリスト教やイスラム教などの一神教とは違い、森羅万象の自然の働きの中に神さまを見ます。
経典や教祖もいません。
そして、古来の人は、そんな自然の働き一つ一つを感じる感性を持っていました。
神道は、五感で感じるものなのです。
感じること、感性がとっても大切なのです。
古の人は、水も清らかであるか、淀んでいるか、火を一つ見えも、聖なる火か、邪なる火かを感じるこころを持っていました。その違いがわかったんです。
ぜひ、感性を磨いてください。そして、いろいろなものを五感で感じてください。聖なるものか、どうかを感じる心、感性を養ってください。それが神道に(神職)にとってとても大切なのです。

こんな風なことだったと思います。

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五感を大切に!

元伊勢 倭姫命さまの物語」でも、綴ったのですが、伊勢の神宮では、今も、日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)が、毎日朝夕、欠かさず執り行われています。

このお祭りを奉仕される神職さんは、前日から、「斎館」にお籠りになり、心身を慎み浄められます。
そして、天照大御神さまにお供えされる御水は、高天原の天の忍穂井(あめのおしほい)が移されたといわれのある「上御井神社」の清らかな井戸水を汲みます。
また御饌(みけ、神さまのお食事)の調理は、古来の「舞鑚式(まいきりしき)」で、木と木をすり合わせて火を熾すのです。

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聖なる火と邪なる火

ですから、『古事記』の倭建命(やまとたけるのみこと)さまの物語を読んでいたとき、倭姫命(やまとひめのみこと)さまから賜った「火打ち石」で火を熾されている姿を、その向かい火が、向かってくる火とぶつかっっているとこを想像したとき、あっきっと、この伊勢の「火打ち石」で熾された火は、聖なる火であったに違いない!!!

そう、感じたのでした。
『古事記』の解説などに、こんなことは書いてはいませんが(苦笑)

倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、お守りに授けられた「石」から生まれた「」と、倭建命(やまとたけるのみこと)さまを罠にかけようという心で発火した「火」は、火は火でも、ぜんぜん、違うように感じたのでした。
まさしく、「聖なる火と邪なる火」のように感じたでした(^^)

物語とは違いますが、このことも綴りたいな~と思いました。
私たちも、こうした感性を感じて、磨いていきたいですね。

あっ長くなってしまった。お仕事しなきゃ(苦笑)
今日はこのあたりで失礼します。

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<ことの葉綴り>ご案内

この「ことの葉綴り」全体の神話の物語のご紹介です。
神話は、「神さまも“失敗して成長した”」「“神話は今も生きている”」と、日本の魅力的な神様の物語編。
約、二千年前、伊勢の神宮ができるまでの「元伊勢」編。
ときおり綴る「エッセイ」編。
それぞれに「マガジン」で分けています。
下記のトップページから、スクロールしていただくと、物語別、神様べつに「マガジン」が選べるようになっております。
神さまの名前や、ご興味あるものを読んでいただけると幸いです。

最新のマガジンは、天照大御神さまが伊勢の神宮にお鎮まりになられるまでの「元伊勢」物語 神話13~17です。

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