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心の雑記帳

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心にフツフツと浮かんできた考えや思いが、言葉として纏まってきたら書き留めておこうと思います。
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篠笛修行 ~シンプルであることの怖さと奥深さ~

篠笛修行 ~シンプルであることの怖さと奥深さ~

10年ほど前から、趣味で篠笛を習っている。篠笛は竹の筒に指孔と吹き孔がついただけのとてもシンプルな楽器だ。

音を出すのは、それほど難しくはないのだけれど、きれいな響きで演奏するとなると本当に難しい。10年経ってもまだまだである。

シンプルなだけに繊細な楽器。ちょっとしたことが即影響する。

以前、熱い味噌汁を飲んでいて、唇をちょっとだけやけどした。そんなに腫れたわけでもないのに、いつもとわずか

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自分を癒す力

自分を癒す力

「癒し」という言葉は癒される、癒されたい受身で使われることが多く、外から与えられるもの、誰かに、あるいは何かに癒してもらうというイメージがあるように思います。自然治癒力(*注)という言葉がありますが、人間には本来自分で自分の傷んだからだを修復する力が備わっていることは誰しも知るところでしょう。その力は身体だけではなく心にも働いているのですが、私たちは案外、自分のなかにあるそうした力を信じてはいな

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苦しいときほど、急がば回れ!些細な変化を大切に。

苦しいときほど、急がば回れ!些細な変化を大切に。

カウンセリングの仕事のなかで感じること、考えること、気づいたことの諸々を時々upしてみることにしました。

苦しければ苦しいほど、早く楽になりたいもの。だから劇的な効果を期待したり、大きな変化が起きることをどうしても求めてしまいます。

少しものごとが良い感じになったとしても、「ちっとも変わらない」「こんな程度ではまたまだ…」と、そんなクライアントの言葉を聴くことは少なくありません。

劇的な変化

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good enough感覚で、肩の力を抜いてみる!

good enough感覚で、肩の力を抜いてみる!

good enoughという言葉は「ほどほどに良い」という意味があります。

イギリスのウィニコット(1896-1971)という精神分析家、小児科医が、「good enough mother (ほどよい母親)」という概念を提唱しました。言葉もまだ話せない赤ちゃんの子育てでは、母親は我が子の欲求を汲み取れなかったり、ミスキャッチしてしまうことはままあります。それはあたりまえで自然なこと。赤ちゃんは自

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こんがらがった糸をほぐす

こんがらがった糸をほぐす

あらゆるこんがらがった糸というのは、根気よくていねいにほどいていけば、いつかは、すっと一本の糸にもどせる。
逆に、「何か特別にいい方法があるか?」と、それを探そうとすると、
ますますこんがらがることになる。
とにかく、ほどきはじめることしかないのだ。
ほどくことを、はじめる。それしかないのだ。
 糸井重里「ボールのようなことば」(ほぼ日文庫)

 たしかにそうだなあと共感。縫い物好きの私は、これを

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心の持久力の養い方

心の持久力の養い方

昔は、体力に自信がなかった。特に持久力。マラソン大会は周回遅れ、小学校低学年のとき、最後は泣きながら走り、先生がおぶってくれてゴールしたこともあるくらい(笑)。山登りも苦手。家族で行った登山では、途中で具合悪くなりギブアップ。母と途中の山小屋で待つという情けない状況。

体力は年齢とともについたけれど(初老期に入り下降気味ではあるが)持久力は今も自信ない。 でもなんとか頑張りぬくコツはちょっと掴ん

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人生のアレンジメント(計らい)〜ちっぽけな自我とそれを内包する広大な自己〜

人生のアレンジメント(計らい)〜ちっぽけな自我とそれを内包する広大な自己〜

どんなに努力しても、実を結ばないことがある。
どんなに心砕いても、伝わらないことがある
こんなに頑張ったのになあ… あんなに色々と考えたのになあ… やっぱり自分はダメなのかなあ…
無力感に心折れ、気持ちが萎える、すべてが嫌になってしまう。そんなときありませんか?

自我(意識の自分)は所詮、ちっぽけなもの。でもその自我が自分のすべてだと思っていると、ネガティブな気持ちに押し潰されてしまう。

自我

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「待つ」にまつわる心の風景

「待つ」にまつわる心の風景

春が来た!

今年は寒い冬だったから、春の暖かい陽射しはありがたく嬉しい。

月1回開催しているアートセラピーグループで春の絵を描いた。

描きながら、雪国で暮らしていた子ども時代のこと、春を待ちわびていた気持ちを思い出していた。

今年は日本海側、北海道はかつてないほどの豪雪に見舞われている。

私が暮らしていたのは新潟県上越。半世紀も前のこと・・・

当時の記憶では、年越しのあたりから雪が本格

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「記憶」について思うこと

「記憶」について思うこと

私たちは色々な記憶に彩られて生きている。
記憶は人を支えもすればときに苦しめもする。

認知症だった父は発症初期の頃、「頭に霞がかかったみたいなんだ」と、自分の記憶が薄れてあいまいになっていくさまを訴えた。以前の父からは考えられないような、頼りな気で不安な表情だった。家族の思い出話をすると「そうだったかね」とどこか困ったような心もとない笑みを浮かべていた。

記憶の欠損は、心の拠り所をなくすことで

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