2号

suisaiというアカペラグループで歌っています。なんとなく、きれいな風景のような場所…

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suisaiというアカペラグループで歌っています。なんとなく、きれいな風景のような場所になれるように。@suisai_acp

記事一覧

例えばそこが、

あなただけの大切な、かけがえのない場所だとしたら。 傷や疲れを、怒りを、憎しみを、弱さや嘘を連れたまま、その扉を開けさえすれば、護られ、包まれ、深く大きく息がで…

2号
3年前
1

未来が過去を変えるとき。

あっという間に5月が終わり、6月を迎えた。 息をつく暇もなく、昼もなく夜もなく、 少しだけ出来た隙間を都度継ぎ接ぎして、この文章を書いている。 落ち込むことが多い。…

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4年前
2

だからこそ、こころを込めて。

3/1、本日出演予定だったアカペラライブ「ヒカリノテラス」への出演を辞退した。 suisai official website 【重要】新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係るライブ出演…

2号
4年前
3

いつも、あの窓から。

季節の継ぎ目に、天気はくるくると変わって忙しい。 泣きながら笑う自分に戸惑うように。 風が春を告げていた。 すぐ後に、その風に雪が載っても。 自分で名付けられない…

2号
4年前

いいんだよ。って、

いいんだよ。 それでも。 いいんだよ。 ---------------------------------------------- ここ三か月、ずっと、体調を崩している。 年末のことも、新年のことも、一月の…

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4年前
3

うたの降る日に。

その日は朝から晴れた。 晴れた空から、うたの切れ端が、まるで天気雪のように静かに舞う日だった。 天気雪は「風花(かざはな)」ともいうらしい。 此方も、空気は冷たいが…

2号
4年前

12/8「遠隔地でのグループ活動におけるリモート練習法の一形式」

「いるといないとは、距離のもんだい。」 -いしいしんじ『麦ふみクーツェ』より抜粋- ---------------------------------------------- 0. はじめにこの度、 「ACAPPE…

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4年前
13

トブタメニ。

少しずつ、平穏な日々に戻していきたいと思う。 空白に、どんな自由を詰めていくか。 暮らしと、うたと、珈琲と、 そして少しだけ、手付かずの空白を、そのまま。 -------…

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4年前

言葉について。

季節はずれの、あたたかい雨が降った。 あとはもう次第に冷えて硬くなっていくだけの、この場所のすべてに。 –ずるいな。人の気も知らないで。 どうして、こんなことがで…

2号
4年前
2

木犀の香を思い出すように。

山が色づいていたことに、漸く今日、気が付いた。 最近は朝から晩まで、必死で体を動かして働いている。 言葉にすると大仰だが、「命を搾り取っている」と、感じる。 そん…

2号
4年前

優しさについて

優しさ、って、いったい何だろう。 わからない。 優しい心があれば、それでいい。 本当だろうか。 届かない優しさは、優しさと呼べるだろうか。 「優しさ」と優しい…

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4年前
4

山を下りても

何処までも何処までも、細い道を歩くと、 何時の間にか、かつて見下ろしていた微かな灯りの数々は、夜になってもなお瞳の底を貫くような、眩い光に変わっていた。 そのせい…

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4年前
1

さびしさと、吊り合うものを。

抱き締めて、手を握る。 握った手を、離す。 大きく手を振る。 またねえ、と、声を出す。 まだ届く、まだ届く、それでも、 だんだん、だんだんと、離れていく。 そうして…

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4年前
1

みどりを渡る風。

「それでも生きていかなければならないとは、おそろしい言葉である。 ほとんどの人間が、それぞれの幸福の絶頂期に、あるいは辛いことのさなかで、死ぬことができない。 た…

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5年前

「ユートリズム」#4

畢竟、ひとりだ。さびしいのだ。 語り得ない、わからないものごとばかりある。 だから、俺は歌っている。 -----------------------------------------------------------…

2号
5年前

「ユートリズム」#3

「人間が「なぜ、私は私なのか」ということを、建築や都市が変らないことで確認している可能性があるのではないか。」 建築史家であり、建築家の藤森照信氏の言葉。 友人…

2号
5年前
1
例えばそこが、

例えばそこが、

あなただけの大切な、かけがえのない場所だとしたら。
傷や疲れを、怒りを、憎しみを、弱さや嘘を連れたまま、その扉を開けさえすれば、護られ、包まれ、深く大きく息ができる。

そんな場所があるとしたら。

suisaiのon-line package "mado"
先日、第2回の配信を終えた。
ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。

8/10までの間、以下のリンクからアーカイブ視聴が可能なので

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未来が過去を変えるとき。

未来が過去を変えるとき。

あっという間に5月が終わり、6月を迎えた。
息をつく暇もなく、昼もなく夜もなく、
少しだけ出来た隙間を都度継ぎ接ぎして、この文章を書いている。
落ち込むことが多い。それでも、やっぱり自分を救ってくれるのは一杯の珈琲と、それからうただ。

今回も、suisaiのことについての文章になる。

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だからこそ、こころを込めて。

だからこそ、こころを込めて。

3/1、本日出演予定だったアカペラライブ「ヒカリノテラス」への出演を辞退した。

suisai official website
【重要】新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係るライブ出演辞退のお知らせ

先ずは、楽しみにしてくださった皆様におかれましては、直前の出演辞退となってしまったこと、大変申し訳ございません。

この判断をした上で、今更何を書こうか、
あまり多くを書き散らすことはせず、

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いつも、あの窓から。

いつも、あの窓から。

季節の継ぎ目に、天気はくるくると変わって忙しい。
泣きながら笑う自分に戸惑うように。

風が春を告げていた。
すぐ後に、その風に雪が載っても。

自分で名付けられないものでも、
なんとか切れ切れに、結び目だらけのことばを繋げていくことさえできれば、

思いがけず、軽やかにさらりと、
名まえを付けて呼んでくれるひとが居る。

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いいんだよ。って、

いいんだよ。って、

いいんだよ。
それでも。

いいんだよ。

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ここ三か月、ずっと、体調を崩している。
年末のことも、新年のことも、一月のことも、結局なにも言葉にできなかった。
前も後ろも、見ている余裕がなかった。

それでも何か、刻み付けておかなければ、と思った。
だから、思い浮かぶまま、言葉をキーボードに投げつけている

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うたの降る日に。

うたの降る日に。

その日は朝から晴れた。
晴れた空から、うたの切れ端が、まるで天気雪のように静かに舞う日だった。
天気雪は「風花(かざはな)」ともいうらしい。
此方も、空気は冷たいが、まだあの凍りつく手前の匂いはしない。
ゆっくり、でも思い切り息を吸い込んで、肺の中を、朝で充した。

その日は、suisaiが歌う日だった。
空に向けて、皆でうたを放った日だった。

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12/8「遠隔地でのグループ活動におけるリモート練習法の一形式」

12/8「遠隔地でのグループ活動におけるリモート練習法の一形式」

「いるといないとは、距離のもんだい。」
-いしいしんじ『麦ふみクーツェ』より抜粋-

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0. はじめにこの度、
「ACAPPELLER.JP」と「アレンジャーの会」による
「アカペラアドベントカレンダー」
という企画に参加し、
僭越ながら12/8の記事を担当することになった。

自分は「遠隔地でのグルー

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トブタメニ。

トブタメニ。

少しずつ、平穏な日々に戻していきたいと思う。
空白に、どんな自由を詰めていくか。
暮らしと、うたと、珈琲と、
そして少しだけ、手付かずの空白を、そのまま。

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このnoteでも、3度目になる。
今年もこの報せができて、よかった。

12月7日、8日に行われる「ソラマチ

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言葉について。

言葉について。

季節はずれの、あたたかい雨が降った。
あとはもう次第に冷えて硬くなっていくだけの、この場所のすべてに。

–ずるいな。人の気も知らないで。
どうして、こんなことができるんだろう。

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小さな頃から、口が災いしてきた。
そんな風に思っている。今も。
胸のなかには、いつも

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木犀の香を思い出すように。

木犀の香を思い出すように。

山が色づいていたことに、漸く今日、気が付いた。
最近は朝から晩まで、必死で体を動かして働いている。
言葉にすると大仰だが、「命を搾り取っている」と、感じる。
そんな中でも、suisaiの活動について、言葉にして残しておかなければならないことがある。
だから、とても遅くなって心苦しいが、感謝を込めて、書き残しておく。

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優しさについて

優しさについて

優しさ、って、いったい何だろう。
わからない。

優しい心があれば、それでいい。
本当だろうか。
届かない優しさは、優しさと呼べるだろうか。

「優しさ」と優しい心は、
似ているようで、全然違うと、いまは思う。
優しさには、方法が必要だ。
まごころには、込め方がある。
心が物や行動に変換されて、相手の必要を充たす。
それができてはじめて、優しい心は「優しさ」になる。
次第にそう思うようにな

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山を下りても

山を下りても

何処までも何処までも、細い道を歩くと、
何時の間にか、かつて見下ろしていた微かな灯りの数々は、夜になってもなお瞳の底を貫くような、眩い光に変わっていた。
そのせいか、月は少しだけ小さく霞んで見えた。
今朝まで確かに暮らしていた、そして、こうしてここまでやって来なければ見ることもなかった、
山、誰が決めて描いたのかーその穏やかな裾野の遥か上に。

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さびしさと、吊り合うものを。

さびしさと、吊り合うものを。

抱き締めて、手を握る。
握った手を、離す。
大きく手を振る。
またねえ、と、声を出す。

まだ届く、まだ届く、それでも、
だんだん、だんだんと、離れていく。
そうしてふたりはまた、ひとりとひとりになった。

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8/3に、広島で行われたアカペラライブ
「Work Lif

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みどりを渡る風。

みどりを渡る風。

「それでも生きていかなければならないとは、おそろしい言葉である。
ほとんどの人間が、それぞれの幸福の絶頂期に、あるいは辛いことのさなかで、死ぬことができない。
たいていが落ち目の長い坂をくだりながら、あるいは依然として辛い毎日を、
衰老に向って生きていかなければならない。」

つづく日々、
どうして、終わらせてくれない?

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「ユートリズム」#4

「ユートリズム」#4

畢竟、ひとりだ。さびしいのだ。
語り得ない、わからないものごとばかりある。

だから、俺は歌っている。

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しっかり振り返れるだろうか。
6月2日に、suisaiの1st mini album「ユートリズム」Release One-man Liveを、無事開催すること

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「ユートリズム」#3

「ユートリズム」#3

「人間が「なぜ、私は私なのか」ということを、建築や都市が変らないことで確認している可能性があるのではないか。」

建築史家であり、建築家の藤森照信氏の言葉。
友人から借りた本の一節、今も心に留めている。

自分を形作り、確かめるものとして。
食べるものや、身に纏うものを選ぶように、
「居場所」を選ぶ。もっと、軽やかに。

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