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あなたはコオロギを食べると言った。現代詩。

知りたいだけなんだろう

知りたいだけなんだろう

なんとなく

吐息のような

白い息は

安堵という

目的は

求めてないらしい。


完璧な感謝の行き先に

ただ

ポールを差した

老人は

無邪気な

子供のように

笑いながら

ポールの先を指す


そこには

そこには

なにがあるの。


そこには

そこには

なにがあるの。


無邪気に

つばを飛ばしながら

やたら笑う

そこに

なにがあるの。


なにがあるの。


何を残すの。


ただのいみを


求めた。



探求者はだれだ。

探求者はだれだ。


あなたは

コオロギを

食べるといった。

嫌いなものを

残して

満面の笑みで

コオロギを

食べるといった。


なんか

腑に落ちない。


老人はまた

無邪気に笑い出す。


なぜかわからないが、

無邪気に笑い出す。


キャベツがとれすぎたから

トラクターで

たくさんなってる

キャベツ畑の

キャベツを

土に混ぜていった。

食べられる

キャベツを


土に戻していった。


それを

みて

コオロギを

食べたいとあなたは言った。


あなたは

満面の笑みで

それを

みながら

コオロギを食べると言った。



牛乳をしぼって


牛乳をしぼって


牛が


余って


牛を
 
殺したら

殺したら

国から

お金がもらえるらしい。


酪農家が

苦しみながら

牛を殺した。
 

苦しみながら

牛を殺した。

酪農家は

そんなために

牛を育てたわけではない。


そういう

場面の隣で


あなたは

えがおで

コオロギを

食べると言った。


笑顔で

コオロギを食べると言った。



なすび農家が

売れない規格外の

なすびを

畑に土と一緒に混ぜた。


おいしいのに

混ぜた。


都会では

SDGsといって

なすびの皮を

食べられるようにして

エコだといった。


歪だけれども

おいしいなすびは

畑に食べられた。


コオロギをあなたは

食べると言った。


コオロギを食べると

あなたは言った。


満面の笑みで言った。




知りたいだけなんだろう

知りたいだけなんだろう

なんとなく

吐息のような

白い息は

安堵という

目的は

求めてないらしい。


完璧な感謝の行き先に

ただ

ポールを差した

老人は

無邪気な

子供のように

笑いながら

ポールの先を指す


そこには

そこには

なにがあるの。


そこには

そこには

なにがあるの。


そこには

そこには

なにがあるの。


真実を知りたくなった。


ただ。

それだけだった。


老人は満面の笑みで笑った。


無邪気な子供のように。


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