見出し画像

英語の勉強法

世の中には英語の勉強法があふれています。「聞き流すだけでペラペラに」「3か月でTOEIC900点!」などと威勢の良い言葉が並んでいるものも多くあります。英語が出来ると間違いなく世界が広がりますし、様々な情報を入手でき世の中の情勢にも詳しくなれます。海外旅行の際は、英語が出来ると現地での楽しみもぐっと増えるというものです。残念ながら当分コロナで海外旅行は難しそうですが、いずれにしても英語が出来て人生で損をすることはありません。

では英語、特にビジネス英語の勉強法として、何が一番適しているのでしょうか。米国ビジネススクールへの留学を志し1年半ほど本気で英語を勉強した僕個人の経験も含めて、いくつかのヒントを書かせて頂こうと思います。

まず何よりも大事なのは単語力です。単語(およびイディオム)を知らなければ、絶対に英語が上達することはあり得ません。「聞き流すだけ」で上達するのは少なくとも日常会話レベル以上の単語力がある人の話しです。単語力のない人がいくら聞き流しても英語が出来るようにはなりません。例えばですが、普通の日本人がアラビア語の会話を解説なしに毎日1時間聞き続け、いつかアラビア語がペラペラ話せるようになると思いますか?(発音の真似はうまくなるかもしれませんが)絶対に話せるようにならないことは間違いありません。基本単語すら知らない人には、聞き流しは全く意味を持たないということです。

次に良質な(ネイティブの)英語の文章を大量に読むことです。この時に重要なのは、日本人が書いた英語ではダメだということです。完全にネイティブな日本人であれば問題ありませんが、日本で出ている英字新聞の英語は、時にひどいレベルのものが混ざっています。特にビジネス英語を学ぶのであれば、お勧めは新聞ならFinancial Times、Wall Street Journal。雑誌ならBloomberg Businessweek、Economistといったところです。これらの記事を毎日一時間ずつ読んでおけば、ものすごい勢いで英語力があがっていくことは間違いありません。毎日睡眠時間を削って半分泣きながら(寝ながら)読んでいたのを思い出します。

良質な英語を大量に読むことのメリットはたくさんあります。もちろん語彙力もあがりますし、いわゆる「英語らしい」表現のオンパレードなので英語的な表現の仕方、言いまわしを習得出来ます。そして何よりもStandard Written English(SWE)と言われる、書き言葉として正しい英語を学ぶことが出来ます。日本ではほとんどSWEという言葉を聞きませんが、教養のある英語国民が書き言葉で英語を使うときのルールといったものです。ここでは詳しくは紹介しませんが、SWEにおいては文章内のパラグラフの構成の仕方や各パラグラフ内での文章の書き方にかなり厳密なルールがあります。そのルールを理解すれば、実は非常に簡単に長い文章の大意をつかむことが出来、文を読むスピードを飛躍的にあげることが出来るのです。

次の段階にいたってようやく「聞き流し」が効果を持ちます。ビジネス英語の放送をたくさん聞く・見ることが効果を発揮するのです。ただしこの時もアメリカ英語ならCNN、イギリス英語ならBBCといったように、放送を選ぶことが重要です。よく映画で英語を学ぶということが言われますが、ことビジネス英語に限っては賛成しません。なぜならば、英語圏においては職業、人種、階層、地域などにより語彙や言いまわし、表現などが全く違うことが多いからです。日本人がアフリカ系アメリカ人の英語を使うと非常に怪訝な顔をされます。また立派なビジネスマンが、ブルーカラーが使うような表現を使ったら一発でアウトです。

もちろん海外旅行で発音よくハンバーガーを注文したい、というレベルであればどのような方法でも構わないでしょう。英語国に長く住めば、その土地の英語が話せるようになる可能性も高いことは間違いありません。しかし英語圏、特にイギリスとアメリカにおいては、使って居る言葉により社会的クラスが区別されるということを理解しておくことが重要です。知らない間に身につけた英語がビジネスでは全く使えない、むしろ馬鹿にされるような英語になってしまっては意味がありません。もし映画で英語を勉強するのであれば、自分が「目指す英語」をしっかり理解して、それにマッチする映画を選ぶようにしてください。

最後はやはり実践です。とにもかくにも、英語は使わなければどんどん力が落ちていきます。偉そうに書いている私自身、しばらく英語を使わないでいると海外に行って最初は言葉を出すのに苦労します。理想的には毎日何らかの形で英語に触れるようにすること、特に話す機会を持ち続けることが重要です。英語を読み続けるだけでも、ある程度キープすることが出来ます。

一度真剣に勉強して、ある程度のレベルまで英語力を高めておけば一生の財産になります。ビジネススクールを目指していた時、当時のTOEFL(677点満点)で657点(今のiBT換算で116点)、GMATで740点を取ることが出来ました。それから20年以上経ってからTOEICを初めて受験し990点でした。家庭の事情でビジネススクールに実際に行くことは叶わなかったのですが、英語が出来るようになっていたおかげで、独立してからの仕事の幅が飛躍的に広がったと感謝しています。

私もそうでしたし、多くの人にとって英語の勉強は楽ではありません。つらく投げ出したくなることも多いと思います。しかしその苦労は必ず報われます。ぜひ英語をしっかり勉強して、将来のキャリアを広げて頂ければと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?