Koichan

IT業界30年、東京在住、数年前に独立しました。DXデジタルトランスフォーメーションに…

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IT業界30年、東京在住、数年前に独立しました。DXデジタルトランスフォーメーションに関する本が多数出版されていますが、最近時間に余裕もできてきたので、試しに読破してみようと思い立ちました。個人的な備忘録を兼ねて読書日記をつけていこうと思います。よかったら参考にしてください。

記事一覧

DX読書日記#18 『DX経営戦略』 ジェラルド・C・ケイン他

今回は「DX経営戦略」(2020年)という本を読んでみました。 著者はハーバードビジネススクール客員研究員でボストンカレッジ教授のジェラルド・C・ケイン氏ほかの皆さんです…

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1年前
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DX読書日記#17 『DX戦略立案書』 デビッド・ロジャーズ

今回は「DX戦略立案書」(2021年)という本を読みました。 著者はコロンビア大学経営大学院教授のデビッド・ロジャーズ氏です。 コロンビア大学経営大学院では、エグゼクテ…

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1年前
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DX読書日記#16 『DXナビゲーター』 カロリン・フランケンバーガー他

これからしばらくの間、いわゆる「DX戦略」の本を読んでいこうと思います。 今回ご紹介するのは「DXナビゲーター」(2021年)という本です。 DX関連の本は多数ありますが、本…

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1年前

DX読書日記#15 『PUBLIC DIGITAL』 アンドリュー・グリーンウェイ他

はじめに今回は「PUBLIC DIGITAL」(2022年)という本を読んでみました。 著者はPublic Digital社のパートナー4名で、アンドリュー・グリーンウェイ氏ほかの方々です。 近…

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1年前
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DX読書日記#14 『DXMO』 KPMGコンサルティング

はじめにこれまで数回にわたってDX人材に関する本を読んできましたが、DX人材については前回で一旦終了としました。 次はDX推進組織について調べてみようと思い、今回「DX…

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1年前
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DX読書日記#13 『AI人材の育て方』 孝忠大輔

はじめに今回は「AI人材の育て方」(2021年)という本を読んでみました。 著者は、NECのAI人材育成センター長の孝忠大輔氏です。 データサイエンティスト協会のスキル定義委…

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1年前
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DX読書日記#12 『DX人材の育て方』 岸和良他

はじめに今回は「DX人材の育て方」(2022年)という本を読んでみました。 著者は、住友生命の理事でデジタルオフィサーの岸知良氏と、同社でDXの推進を担当されている皆さん…

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1年前
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DX読書日記#11 『デジタル人材育成宣言』 角田仁

はじめに今回は、デジタル人材育成学会会長で、千葉工業大学教授の角田仁先生の「デジタル人材育成宣言」(2021年)を読んでみました。 角田先生は、数年前に30年間務めた東…

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1年前
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DX読書日記#10 『DX人材の教科書』 石井大智・鶴岡友也

はじめに引き続きDX人材に関する本を読んでいこうと思っていますが、 タイトルだけで選んだだめ、少し想定と違う本を購入してしまいました。 ただ、大変良い本でしたので…

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1年前
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DX読書日記#9 『デジタルケイパビリティ』 野村総合研究所

はじめに今回も引き続きDX人材に関する本を選んでみました。 野村総合研究所の「デジタルケイパビリティ」(2020年)という本です。 著者は野村総合研究所のIT系コンサルタン…

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1年前
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DX読書日記#8 『人材トランスフォーメーション』 柴田彰

はじめに前回に引き続き、DX人材に関する本を読んでみました。 「人材トランスフォーメーション」(2019年)という本です。 著者はコーン・フェリーの組織・人事コンサルタン…

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1年前
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DX読書日記#7 『デジタル時代の人材マネジメント』 内藤琢磨

はじめに前回読書日記#6に書きましたが、今回から数回、DX人材に関する本を読んでいこうと思います。 最初に選んだのは、野村総合研究所の「デジタル時代の人材マネジメン…

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1年前
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DX読書日記#6 読書計画を検討してみました(DX人材)

はじめに以前読書日記#2の「はじめに」にも書きましたが、世の中で、ことさら「DXは難しい」と喧伝されているのが何故なのか謎でした。 理由として想定しているのは以下の…

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1年前
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DX読書日記#5 『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 伊神満

はじめに以前読書日記#3で取り上げたオライリー&タッシュマン著の「両利きの経営」は、個人的には、分かりづらいだけでなく、いろいろと違和感のある本でした。 組織学習…

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1年前
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DX読書日記#4 『変革とパラドックスの組織論』 山岡徹

はじめに前回DX読書日記#3では、オライリー & タッシュマン著「両利きの経営」を取り上げました。 その中で、「両利き」の内容理解のために併せて読んでいた、九州共立大学…

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1年前
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DX読書日記#3 『両利きの経営』 オライリー & タッシュマン

はじめに本書「両利きの経営」はDX関連で最も読まれている本のひとつと思います。 クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」に対する解決策を提供してくれる本として…

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1年前
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DX読書日記#18 『DX経営戦略』 ジェラルド・C・ケイン他

DX読書日記#18 『DX経営戦略』 ジェラルド・C・ケイン他

今回は「DX経営戦略」(2020年)という本を読んでみました。
著者はハーバードビジネススクール客員研究員でボストンカレッジ教授のジェラルド・C・ケイン氏ほかの皆さんです。
「MITスローン・マネジメント・レビュー」誌とデロイト社が提携して実施した、4年間にわたる16000人以上を対象にした調査結果に基づいて書かれたものです。

本書は「デジタル成熟度」にフォーカスしたデジタル組織論になりますが、

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DX読書日記#17 『DX戦略立案書』 デビッド・ロジャーズ

DX読書日記#17 『DX戦略立案書』 デビッド・ロジャーズ

今回は「DX戦略立案書」(2021年)という本を読みました。

著者はコロンビア大学経営大学院教授のデビッド・ロジャーズ氏です。
コロンビア大学経営大学院では、エグゼクティブ向けの教育プログラムのファカルティ・ディレクター(学部長?)として、主にデジタル・ビジネスおよびデジタル・マーケティングを担当されているそうです。

本書では、デジタルが変化させている5つの戦略領域(顧客、競争、データ、革新、

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DX読書日記#16 『DXナビゲーター』 カロリン・フランケンバーガー他

DX読書日記#16 『DXナビゲーター』 カロリン・フランケンバーガー他

これからしばらくの間、いわゆる「DX戦略」の本を読んでいこうと思います。
今回ご紹介するのは「DXナビゲーター」(2021年)という本です。
DX関連の本は多数ありますが、本書が私の「イチ押し」です!

著者は、ザンクトガレン大学常勤教授で、同大学経営戦略研究所所長、エグゼクティブMBA学部長のカロリン・フランケンバーガー教授と、その他の皆さんです。

本書の原題は「DXのジレンマ The Dig

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DX読書日記#15 『PUBLIC DIGITAL』 アンドリュー・グリーンウェイ他

DX読書日記#15 『PUBLIC DIGITAL』 アンドリュー・グリーンウェイ他

はじめに今回は「PUBLIC DIGITAL」(2022年)という本を読んでみました。

著者はPublic Digital社のパートナー4名で、アンドリュー・グリーンウェイ氏ほかの方々です。

近年各国で公共領域のデジタル化が進んでおり、その中で、いち早く行政のデジタル化に成功した国の一つがイギリスで、それを牽引したのが、政府デジタル・サービス(GDS: Government Digital S

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DX読書日記#14 『DXMO』 KPMGコンサルティング

DX読書日記#14 『DXMO』 KPMGコンサルティング

はじめにこれまで数回にわたってDX人材に関する本を読んできましたが、DX人材については前回で一旦終了としました。

次はDX推進組織について調べてみようと思い、今回「DXMO」(2022年)という本を読んでみました。
著者はKPMGコンサルティングでDX推進支援コンサルティングサービス責任者の福島豊亮氏と他の皆さんです。

ちなみに「DXMO」はデジタルトランスフォーメーションマネジメントオフィス

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DX読書日記#13 『AI人材の育て方』 孝忠大輔

DX読書日記#13 『AI人材の育て方』 孝忠大輔

はじめに今回は「AI人材の育て方」(2021年)という本を読んでみました。
著者は、NECのAI人材育成センター長の孝忠大輔氏です。

データサイエンティスト協会のスキル定義委員として「データサイエンティストスキルチェックリスト」や「ITSS+データサイエンス領域タスクリスト」の定義を行ってきた方で、政府が掲げる「AI戦略2019」を実行するための特別委員会委員として大学生のための「数理・データサ

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DX読書日記#12 『DX人材の育て方』 岸和良他

DX読書日記#12 『DX人材の育て方』 岸和良他

はじめに今回は「DX人材の育て方」(2022年)という本を読んでみました。
著者は、住友生命の理事でデジタルオフィサーの岸知良氏と、同社でDXの推進を担当されている皆さんです。
住友生命で実践しているDX人材の育成について、具体的に、また、大変分かりやすく説明されています。

本書の概要本書では、最初に、DXの基本的な概念と、よくある誤解について簡潔に説明しています。

ここで、DXで目指すのは

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DX読書日記#11 『デジタル人材育成宣言』 角田仁

DX読書日記#11 『デジタル人材育成宣言』 角田仁

はじめに今回は、デジタル人材育成学会会長で、千葉工業大学教授の角田仁先生の「デジタル人材育成宣言」(2021年)を読んでみました。

角田先生は、数年前に30年間務めた東京海上を退職し、大学教員へ転じられた方で、東京海上時代は、IT企画部参与(部長)や東京海上日動システムズ執行役員を歴任された方です。多くのIT人材の育成にも尽力されたそうです。

本書は、日本全体としてのデジタル人材育成について論

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DX読書日記#10 『DX人材の教科書』 石井大智・鶴岡友也

DX読書日記#10 『DX人材の教科書』 石井大智・鶴岡友也

はじめに引き続きDX人材に関する本を読んでいこうと思っていますが、
タイトルだけで選んだだめ、少し想定と違う本を購入してしまいました。

ただ、大変良い本でしたので、紹介させていただきます。

株式会社STANDARDのCEO石井大智氏とCTO鶴岡友也氏による、「DX人材の教科書」(2021年)という本になります。

STANDARD社は、もともと学生ベンチャーで、2017年創業の大変若い会社です

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DX読書日記#9 『デジタルケイパビリティ』 野村総合研究所

DX読書日記#9 『デジタルケイパビリティ』 野村総合研究所

はじめに今回も引き続きDX人材に関する本を選んでみました。
野村総合研究所の「デジタルケイパビリティ」(2020年)という本です。
著者は野村総合研究所のIT系コンサルタントの方々のようです。
多数の方が執筆に参画されています。

DXを成功に導く組織能力(ケイパビリティ)を特定、定義し、ケイパビリティ診断もできるという本ですが、
なによりケイパビリティ定義の分量に圧倒されます。

以下、本当

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DX読書日記#8 『人材トランスフォーメーション』 柴田彰

DX読書日記#8 『人材トランスフォーメーション』 柴田彰

はじめに前回に引き続き、DX人材に関する本を読んでみました。
「人材トランスフォーメーション」(2019年)という本です。
著者はコーン・フェリーの組織・人事コンサルタントの柴田彰氏です。

本書の概要著者は、いま日本企業が、これまでとは全く異なる「新種の人材」を追い求めているとし、その背景には強い危機感があるとしています。

その上で、日本企業が必要としている「新種の人材」の人材像を、コーン・フ

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DX読書日記#7 『デジタル時代の人材マネジメント』 内藤琢磨

DX読書日記#7 『デジタル時代の人材マネジメント』 内藤琢磨

はじめに前回読書日記#6に書きましたが、今回から数回、DX人材に関する本を読んでいこうと思います。

最初に選んだのは、野村総合研究所の「デジタル時代の人材マネジメント」(2020年)です。

説明は大変分かりやすく、200ページ程度の本ですが、デジタル時代の人材戦略について幅広く論点が整理されており、具体的な処方箋まで落とし込まれています。
最初のページから最後のページに至るまで、力強い論理展

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DX読書日記#6 読書計画を検討してみました(DX人材)

DX読書日記#6 読書計画を検討してみました(DX人材)

はじめに以前読書日記#2の「はじめに」にも書きましたが、世の中で、ことさら「DXは難しい」と喧伝されているのが何故なのか謎でした。

理由として想定しているのは以下のものです。
いずれも、背景として、「DX」がブームとなり、各社にDX推進体制がつくられたことが関係していると思っています。

①と②については、読書日記#2で取り上げたマイケル・ウェイド他著『DX実行戦略』でも問題視されていて、それぞ

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DX読書日記#5 『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 伊神満

DX読書日記#5 『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』 伊神満

はじめに以前読書日記#3で取り上げたオライリー&タッシュマン著の「両利きの経営」は、個人的には、分かりづらいだけでなく、いろいろと違和感のある本でした。

組織学習論における「知識の探索」と「知識の活用」の関係を、「新事業」と「既存事業」に読み替え、さらに、「破壊的イノベーション」と「持続的イノベーション」に読み替えているように見えますが、この読み替えが有効なものなのか、何か価値のあるものなのか、

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DX読書日記#4 『変革とパラドックスの組織論』 山岡徹

DX読書日記#4 『変革とパラドックスの組織論』 山岡徹

はじめに前回DX読書日記#3では、オライリー & タッシュマン著「両利きの経営」を取り上げました。
その中で、「両利き」の内容理解のために併せて読んでいた、九州共立大学の石坂先生の論文も紹介させていただきました。

当時(つい最近のことですが)、関連書籍も探していたのですが、取り寄せていた本が届き、確認したところ、「両利き」についても解説されていました(!)ので、取り急ぎ、ご紹介させていただきます

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DX読書日記#3 『両利きの経営』 オライリー & タッシュマン

DX読書日記#3 『両利きの経営』 オライリー & タッシュマン

はじめに本書「両利きの経営」はDX関連で最も読まれている本のひとつと思います。
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」に対する解決策を提供してくれる本として、大ベストセラーになりました。
以前、初版を読んではいたのですが、最近、増補改訂版が出版されたので改めて読んでみました。

もともと本書は読者からの評価が総じて高く、アマゾンの国内でのレビューを見ると、高い評価は豊富な事例に対するものとい

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