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女子小説のお部屋

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女子による女子のための小説 会社帰りに、休日前夜に、シュワシュワを飲むように
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#アラサー

浦島女子~29歳・竜宮城からの帰りどき~

 大学進学で上京し十年、一度も帰らなかった故郷へ私は戻って来た。降り立った駅は、記憶の中のものより新しい。改装したのかもしれない。

 もう来年で三十。東京で一人暮らしを続けるのは疲れてしまった。    

「美咲は東京でOLさんやっとったんかね、えーね。学歴もあるしエリートさんじゃが」 

駅でばったり会ってしまった同級生の由里はそう言ったが、実際は暮らしていくのがやっとの状態だった。大学院を出

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同期でいたい 1

「今日飲みに行こ」
残業しながら打ったラインはすぐ既読になった。
「了解、あと30分」
簡潔な高木らしい答えに、にんまりが止まらない。
「フロアまで迎えに来てよ」
調子に乗って続けたラインは、既読スルーされた。いつもだ。
「仕事が終わったら、私の部署まで迎えに来て」っていう頼みだけは、絶対に叶えてくれない。

***

ま、飲みに行けるだけ御の字でしょ。私は急いでエクセルを保存して、簡単に日報を入

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雨は、平等に

来る時間、間違えた。
とっさにそう思ったのは、ビルから女性たちが笑いあって出て来たときだった。

今日は夫のシャツに付け直すための、ボタンを買いに街にでてきたのだ。夫の転勤でついてきたこの区では、手芸店の入ったビルはオフィス街のはずれにある。

いつものつもりで、主婦コスプレとも言えそうな格好で出てきていた。かぶっただけのポロシャツに楽なガウチョパンツ、丸っこいスニーカーにナイロンのトート

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年下の男の子 5(最終回)

監査が迫る中、私たちは粛々と準備を進めた。武田くんとは気まずさもあったけど、お互い何も触れず業務的な会話のみをして過ごしていた。和葉は、今度は武田くんを完全無視することに決めたようだった。

*****

その間に、アリユウが出場するシリーズファイナルの試合もあった。アリユウは見事優勝した。相変わらず、異次元の美しい演技だったし、彼はインタビューにも笑顔でそつなく答えた。

「優勝という結果を残せ

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年下の男の子 4

 次の日、課長が珍しくみんなを集めた。
「えー。すまんと先に謝るが、今週末内部監査があるのを忘れていた」

ざわわと動揺が広がる。内部監査があとたったの三日後?
「だからな、謝ると言ったじゃないか。とにかく本社が来るからデータまとめといて。えーと、武田がやって」

武田くんがやる、イコール私がやるということだ。
「内部監査…」
武田くんは長い指を整ったくちびるにのせ考え込んでいる。

「ぼーっとし

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年下の男の子 3

金曜日になって、今度は課での歓迎会が開かれた。真ん中に座る武田くんの横には、和葉が陣取っている。

主役と離れて座る私の周りでは、新入社員とは関係ない、各々の家庭や夫の話が繰り広げられている。みんな既婚者の方々だ。

「美咲さん、新入社員、どうなんですか」

隣のパート社員さんが聞いてきた。私が話に入れないのを察してくれたのかもしれない。

「そうですねぇ。若すぎて心配でしたけど、思った以上に気が

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年下の男の子 2

ちらり、と横のデスクを盗み見る。

入社したばかりの、23歳武田くんは、私が渡したマニュアルを元に、せっせと資料を作成している。細長くきれいな指でパソコンを叩く。

ふーん。アリユウも手がきれいなんだよねぇ。あの指先まですっときれいなところが、手袋をしていてもなお、彼の演技をよりいっそう引き立てていて…

いやいや。有本選手と一緒にするなんて、冗談じゃない。私は現実では年下は好きになったことはない

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年下の男の子 1

「優勝は有本選手!!ファイナル決勝へと駒を進めました!」

あぁ寝不足。だけど幸せ。

そんな、のろけのような感情に浸りながら、変わり映えもなく今日も出社する。

彼氏の家にお泊りしたから、なんてどうでもいい可愛らしい理由ではない。

私の寝不足は、もっともっと美しさであふれた高尚なものなの。

*****

「美咲先輩!昨日…観ました~?」

朝からテンション高く話かけてきたのは、三つ下の和葉。

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アラサーOLの演じ方4~課長の場合~

前話→1桜子の場合 2皐月の場合 3聖花の場合

春田は今日も何の感慨もなく職場の扉を開ける。

ここへ来てどれくらい経つだろう。華やかな本社から、地味なこのオフィス…オフィスとも言い難いこの課へやって来てから。

春田は元々、出世街道を歩んできた。若くして推進課の花形エースとして活躍し順調に出世、部下も持った。しかし、その部下の裏切りでその華々しい街道は絶たれた。

辞令の紙に無機質に書かれた異

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アラサーOLの演じ方1~桜子の場合~

桜子は今日も柴犬の葉子に餌をやってから出社する。

「よしよし葉子。いい子にお留守番しててね」

ハッハッと短く息をしながらきらりとした目で葉子は玄関まで見送りしてくれる。

桜子と葉子の二人暮らし。こうして毎朝送ってくれる存在がいるというのはありがたく嬉しいことなのだと、この暮らしをはじめてから、知ったことだ。

二人の大好きな散歩コースでもある川辺を歩いて駅へと向かい、電車に十分ほど乗ると会社

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