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音楽についてけっこう熱く語るエッセイ集のたぐい

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ポップ/ロック/ソウルについてけっこう熱く語るエッセイ集のたぐい
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#テクノ

テクノがアメリカでウケない理由

テクノがアメリカでウケない理由

「テクノがアメリカでウケない理由」は裏返すと、なぜヨーロッパでテクノは人気があるのか?という疑問となります。

これは非常に単純明瞭で、欧州だと言語がありすぎるんですね。象徴的なのが欧州議会です。

欧州議会において発言者は欧州連合の公用23言語のいずれの言語でも発言することができる。すべての本会議においては同時通訳が提供されており、また法令の最終文書もこの23の言語に翻訳される。

23言語でや

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スーサイド「ゴースト・ライダー」

スーサイド「ゴースト・ライダー」

最近公開された映画「ショック・ドゥ・フューチャー」でスーサイドがDISられているらしい。(観てない)

「エレクトロミュージック全盛期を目前にした1970年代後半のフランスを舞台に、男性優位の音楽業界で新しい音楽の可能性を探る若き女性ミュージシャンを描いた青春音楽映画。1978年、パリ。若手ミュージシャンのアナは依頼されたCMの作曲に取り掛かるが、納得のいく仕事ができずにいた。そんなある日、アナは

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シンセがキラキラ輝く名曲。クリスタル・キャッスルズ「ナイツ」

シンセがキラキラ輝く名曲。クリスタル・キャッスルズ「ナイツ」

Crystal Castles "Knights"

2008年作。シンセが素晴らしい曲。
クリスタル・キャッスルズは、ニューレイブと呼ばれるミュージシャンの中でも、優れた作品を出しています。
ベースが歌ってるデュオだったので、自分的にもヘビロテでした。

曲を作っているイーサンは、今までベースから何から一通りバンドで楽器をやってきたそうで、4枚目のアルバムまで聴いているけど、作品に波がなくどれも

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夏の名盤 レイ・ハラカミ「Lust」

夏の名盤 レイ・ハラカミ「Lust」

PCRでコロナ陽性出ちゃいましたknt²です。重い症状ではなかったので、驚きました。今の症状は咳、喉の痛み、痰、鼻水のみです。一昨年のインフルエンザの方がずっときつかったです。ということでサンデー毎日やってます。

寝苦しい夜に聴きたい名盤シリーズ③に丁度いいアルバムがありました。

レイ・ハラカミ「Lust」です。

00年代のテクノ/エレクトロニカに分類されるミュージシャン。矢野顕子は彼の大フ

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【ダンスミュージック史】EDMがダサいと思ってる人へ

【ダンスミュージック史】EDMがダサいと思ってる人へ

2010年代のEDMブームと2020年代のパンデミック。世界は狂乱の渦の中へと巻き込まれました。もう一度あのライブへ戻り、あの一体感を分かち合いたいですね。

そのために4つ打ち(Four on the floor)という軽視されがちなリズムの歴史と奥深さを改めて感じてもらい、「爆音でバカ騒ぎしたい奴らの音楽」という認識を覆していただければ嬉しいです。

まずは基礎知識の確認から

4分音符とは何

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インダストリアル・テクノというジャンルを切り開いた名曲 Warm Leatherette

インダストリアル・テクノというジャンルを切り開いた名曲 Warm Leatherette

今日は音楽で一筆です!

The Normal というグループ(正確には一人なんですけど)がリリースしたWarm Leatheretteという曲についてです。

この曲は、インダストリアル・テクノという分野を生み出したといっても良い記念碑的な名曲です!案外知られていない曲なんじゃないかと思います。

インダストリアル・テクノって?インダストリアル=ノイバウテンみたいな?テクノ=クラフトワークとかY

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プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-

プリーチャーマン -テクノのフォーマットで黒人音楽の伝統を蘇らせた不世出の神曲-

Green Velvetは1990年ごろから活躍しているテクノ/ハウス・プロデューサー。その彼が1993年にドロップしたのがこの曲。ドスの効いた四つ打ちの上に重ねられた、エヴァンジェリカルな牧師のスピーチが印象的な曲だ。Godの部分をHouseに置き換えて、比類ないハウス・アンセムとなっている。

この作品以前のグリーン・ヴェルヴェットは、シカゴ・ハウス界隈でも珍妙なビート愛好家でどこか斜に構えた

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