今後は関西以外にも?ユーザーがデータでみるジャンカラの魅力とは
こんにちは。井神(いのかみ)です。
早速ですが皆さんはカラオケにはよく行かれますか?
少なくとも1度は行ったことがあるのではないかと思います!
また地域によって人気のカラオケブランドが異なるのもご存知でしょうか?私の生まれ育った関西地域ではジャンボカラオケ広場(通称:ジャンカラ)が大人気でした。
そこで今回は関西で有名なジャンボカラオケ広場というブランドに焦点を当て、Knownz Bizを用いてどんなカラオケブランドなのか探っていこうと思います。
≪Knowns Bizについて簡単にご紹介≫
カラオケ業界の動向
まずはカラオケ業界の現状について簡単にご紹介します。
カラオケ市場はコロナウイルスによる感染拡大の影響から、一時休業や外出規制などによって大きなダメージを受けましたが、2022年以降は回復傾向にあると考えられます。
また、2022年度のカラオケ市場規模は約6144億円と言われており、中でもカラオケボックスの市場規模は2602億円でした。そして、2023年度は更に市場規模が拡大されています。
いくつかの参考資料を用いた中で、以下のサイトでは2023年の市場動向やブランドの競合状況なども掲載されているので気になる方はぜひご覧ください。
次にKnowns Bizを用いてブランドごとの評価を見てみます。
認知率
1位 ビッグエコー
2位 JOYSOUND
3位 カラオケまねきねこ
満足率
1位 JOYSOUND
2位 ビッグエコー
3位 カラオケまねきねこ
という結果になりました。
結果からみると、ビッグエコーやまねきねこが全国的に人気を集めていると考えられます。
JOYSOUNDに関しては、直営店に対する評価だけでなく、カラオケ機種に対する評価も多く見受けられたので今回は比較対象外とさせていただきます。
イメージ分析においては、「期待感・ワクワク」「リラックス・リフレッシュ」などが上位であることから、娯楽として利用する方が多いように考えられます。
また利用者層としては男女に偏りはなく、20〜24歳を中心に若者の利用が多いようです。
ジャンボカラオケ広場とは
皆さんはそもそもジャンボカラオケ広場というカラオケチェーン店を知っていますでしょうか?
ジャンボカラオケ広場は株式会社TOAIが展開する関西最大のカラオケチェーン店で、「ジャンカラ」という愛称で多くの人に親しまれています。ですので、関東地方や東北地方に在住の方は知らないという意見の人の方が多いかと思われます。
ジャンカラの歴史は約34年前の1990年まで遡ります。京都市内に1号店が誕生して以来、関西地区を中心に事業が拡大し、現在では関西を中心に全国179店舗を出店しています。(2024年2月現在)
そこで関西地区に限定して分析してみると、満足率・認知率ともに1位へと変化しました。
このデータから「関西といえばジャンカラ」といえるほど関西地区での存在感は大きいと考えられます。
実際、全国的に認知率の高いブランドの店舗数と比較してみても、関西地区においては圧倒的な店舗数を誇り、認知率が高い理由も理解できるかと思います。
ジャンカラの強み
①タッチパネル受付・清算、すぐカラサービス
ジャンカラではレジに店員が居ることはほとんどありません。ジャンカラでは部屋の予約、整理番号の発券、清算などがレジの前に設置されている無人受付精算機にて行われます。
さらに、店舗に行かずとも部屋の予約をすることもできます。ジャンカラには独自のアプリが存在します。そのアプリでは、店舗の空き状況やイベントを確認できるだけでなく、「すぐカラ」という機能を利用できます。
すぐカラとは、アプリで部屋の予約や利用の開始を行うことができるため、受付での手続きを行わずに部屋に入って利用することができるサービスです。
ヒトカラに挑戦してみたいけど緊張する・恥ずかしい人にとっては画期的なサービスとなっています。
そしてこのシステムは全国的に展開しているカラオケチェーン店の中では唯一無二のサービスとなっています。
詳細が気になる方は以下のリンクをご参照ください!
➁会員ランク制度
ジャンカラには会員ランクサービスがあります。まずは下の画像をご覧ください。
このようにジャンカラの会員サービスには6種類のランクが存在し、過去3か月の利用時間によってランクの降格・昇格が決まります。
しかし、画像を見て疑問に思った方も多くいるのではないでしょうか。ダイヤモンド会員への昇格・維持条件として3か月500時間の利用は不可能だと思いませんでしたか?
ですがジャンカラではなんと、複数人と利用すれば全員の利用時間の合計が、加算されるシステムとなっています。
例えば、5人で3時間利用すると、利用した全員がランクアップ条件に適用される15時間分の利用時間が加算されます。
それでもダイヤモンド会員はかなり利用しないと到達はできません。しかし、それなりの価値があることも確かです。例えばダイヤモンド会員である期間は、利用するごとに100ptが貰えます。
すると、3回利用すれば来店ポイントのみで「1組様分 ルーム料金30%OFF」を利用できる計算になります。
時期によって先着ではありますが、「1組様分 ルーム料金70%OFF」のクーポンが提供されたという噂もあり、他にも期間限定のクーポン券も多く存在します。
また、学生割引や会員割引も存在するのでカラオケ好きな人にとっては、とても魅力的なサービスですよね。
上の画像を見ても分かるように、学生を中心に若者からの人気が高いので、平日の夕方以降や土日は満席となっていることが多く、カラオケ好きの私にとっては利用する時間帯は毎回悩んでいます(笑)
実際に「お得新商品消費(主義)」「お得重視消費」「リターン期待型消費」などから、会員特典に興味を持っている人が多いように感じられます。
③飲み放題サービス、持ち込み可能
ジャンカラでは飲み放題サービスも魅力的な部分の1つです。
ジャンカラでは飲み放題プランが5種類存在します。
計21種類のドリンクが無料で飲めるプランや100種類以上のドリンクとアイスが食べ放題のプランも存在します。
逆に言えば、1ドリンク制がないのも特徴の1つですね。
何時間利用してもアルコールが500円〜1320円で飲み放題が楽しめると考えると、かなりお得ではないでしょうか。安い居酒屋の飲み放題でも2000円前後するイメージなので、破格の値段ですよね。
詳細が気になる方は以下のURLをご覧ください!
また、利用中のコース変更が可能であったり、飲み物や食べ物の持ち込みも可能となっています。
満足率や認知率が上位であるブランドの中で、全店舗持ち込み可能なブランドは「ジャンボカラオケ広場」「まねきねこ」のみとなっております。
このように他のブランドとは違ったサービスを提供している点が、満足率の向上に大きく影響しているのでは無いかと考えられます。
実際に消費者の声として、
など、ジャンカラが独自に取り組んでいるサービス面の評価が高いレビューも多く拝見しました。
自分もよく利用していますが、満点評価をつけてもいいほど満足できるブランドです!
今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ
数値で見るジャンカラ
ここからはKnowns Bizのデータをもとに、ジャンカラが本当に関西で圧倒的な人気なのかを深堀りしていこうと思います。
ジャンカラ×ビッグエコー
まずはビッグエコーと比較してみます。
ビッグエコーは第一興商が経営するカラオケブランドであり、全ての部屋がDAMとなっていることで有名なブランドです。
関西地区では認知率1位がジャンボカラオケ広場、2位のビッグエコーと並んでおり、全国的に見ても認知率1位、満足率2位のブランドと非常に人気のブランドとなっております。
また、一昨年(2022-2023)の売上高は約515億円と、2位のヨシダカHDに約1.4倍もの差をつけました。まさに現在のカラオケ市場を牽引するブランドですね。
上の画像で注目していただきたいのは「リピート意向」の割合です。
利用すればするほどお得なジャンカラの方が、リピートして利用する顧客が多いことが分かります。
さらに男女別に集計をすると、ジャンカラは「積極的ロイヤル」や「巻き戻し」など、リピートに関係する数値は男性より女性の割合の方が高いように見えます。
対して、「チャンス」や「きっかけ待ち」などは男性の割合の方が高いのも1つの特徴となっています。この要因としては、株式会社TOAIが女性に親しまれるカラオケ店を目指した取り組みが関係していると考えられます。
例えば各店舗に「コンセプトルーム」を設置し、内装にこだわった部屋を多く用意しています。
また、無人受付精算機やすぐカラサービスによって、人と非接触で利用することができるため安全性が高いことも要因として挙げられると考えます。
過去には「女子カラ」といった女性限定の店舗も存在し、女性からは好印象の評価も多いのではないでしょうか。
ジャンカラ×まねきねこ
次に、まねきねこと比較してみます。
まねきねこはヨシダカHDが運営するカラオケブランドで、関東で最も店舗数の多いブランドでも有名です。
全国で満足率3位・認知率3位に加えて、ブランドの強みとして「安さ」を重視した価格設定やドリンク・フードサービスに取り組んでいます。
ですので、ジャンカラと共通している点も多い方だと考えられます。
実際に学生限定で条件検索をすると認知率1位・満足率2位となり、ブランドの魅力でもあるコスパの良さを理由に学生からの評価は高いとみられます。
しかし、近畿地方に限定するとやはりジャンカラには及ばない部分も多いようです。
利用する時間帯やドリンクサービスの選択によっては、まねきねこの方が料金が安いことも多いので店舗数の差が数値に影響している可能性はあるかもしれません。
しかし、まねきねこの検索条件を「近畿限定→関東限定」に変更するとリピート意向の割合が大きく上昇し、まねきねこのリピート意向の割合は関東地方限定では圧倒的な数値でした。
この結果から、顧客がカラオケに求めるものは「お得さ」なのかもしれませんね。利用料も安い上に、お得な会員制度や充実した割引クーポンがあると考えると愛されている理由も納得がいきますよね。
まとめ
今回の分析でわかったこと
①ジャンカラには独自のサービスが多く存在する
・タッチパネル決済、すぐカラ
・利用すればするほどお得になる会員制度
・安くて種類の豊富な飲み放題サービス
➁利用者層
・男女の偏りはなく、若者の利用が多い
・リピートして利用する人が多い
・会員特典を理由にジャンカラを選んでいる人が多い
冒頭で紹介したカラオケ市場の規模拡大に関して、コロナ以降におけるカラオケ市場の規模拡大の要因にジャンボカラオケ広場が1つ挙げられるのではないかと考えられます。
上のグラフの中で注目していただきたいのが、コロナによる外出規制が解除され始めた2021年10月頃以降から、時間が経つにつれ数値が上昇している「購入意向」「リピート意向」の2つです。
このことから、今後も関西地区における認知率や満足率の上位は間違いないと考えられます。
今後の展望として、ジャンカラは「関西のカラオケといえばジャンカラ」から「西日本のカラオケといえばジャンカラ」へと進化しています。
最近では、鹿児島県に部屋の中にお酒が並べられたプレミアム飲み放題ルームやカラオケの他に卓球やボードゲームなども設置されたエリアが存在する新店舗や、福岡県にはリゾートをコンセプトとした部屋や併設型のBARも設置された新店舗など、関西地区以外にも力を入れています。
・鹿児島県の新店舗についての詳細
・福岡県の新店舗についての詳細
このようにただ新店舗を展開するのではなく、カラオケに「ただ歌うだけの場所ではない」といった新しい価値を生み出そうとしています。
カラオケという文化が始まってから約50年が経ちましたが、カラオケに対する価値観は近い将来変わっていくのかもしれませんね。
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
記事の中で登場した3つのブランドは以下にURLを添付しておくので、気になる方はぜひご覧ください!
・ジャンボカラオケ広場
・ビッグエコー
・まねきねこ
また、今回の比較対象として用いた「ビッグエコー」と「まねきねこ」を比較した分析もよろしければご参照ください!
全国的に大人気なブランドの比較ですので、ジャンカラとはまた違った視点での分析も行っており、非常に興味深い記事となっております。
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