小説「On the Moon」13話
ラズは目を開くと見覚えのある大型宇宙船の医務室にいた。動こうとすると右足がズキッと痛んだ。
ラズは混乱していた。さっきまで自分は月にいて、ミュードに動力結晶を壊されたはずが、なぜ、宇宙船の中にいるのか。しかも窓を見ると正常に運行していて少しずつ地球へ近づいている。
その時医務室のドアが開いて人が入ってきた。ラズの同期の隊員だった。
「おお!ラズ気が付いたか!」
「なんで僕はここにいるんだ?」
「どこまで覚えてるんだ? 頭を強く打った可能性もあるからな、俺から説明しよう。
お前