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小説「On the Moon」3話
ミュードに案内してもらって、少年はやっと自分の宇宙船にたどりついた。
どうして目印もなにもないところを真っすぐ目的地まで向かうことができるのか、少年はミュードに尋ねたが、何も答えなかった。
少年は宇宙船に着くと、案内のために先導していたミュードに声をかけて向き直った。
「はじめて会った日のことは済まなかった。君が非友好的生物かもしれないと思ってあんな態度を取った。ここまで連れてきてくれてありがとう」
ミュードは驚きに一瞬目を見開いたが、すぐに微笑みを浮かべて
「べつに、いいわ」
と一言だけ告げた。
「ぼくはラズだ。本当にありがとう。ミュード」
ミュードは何も言わず、動作でラズを宇宙船の中へと促した。
自分の宇宙船に乗り込み、ラズはほっと息をついたが、すぐに気を引き締めた。不時着した原因を突き止め、それを解決しなければならなかったからだ。
色々と点検をして、ラズは故障箇所を見つけ出し、修理し出した。
ミュードは宇宙船の中には入らず、地面に寝転んで眠っていた。
その眠りを覚ましたのはまたしても、大きな音だった。
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