またね、なんて言えないよ

3月も30日、

さよならの季節、わたしも今日 ある大好きな人とさよならをしてきました。

もうこうやってお喋りする時間は来ないんだろうと思いながら過ごした、一週間前のあの日。

出会えて、仲良くなれて良かったと、
一緒に過ごした時間が本当に楽しかったと、
またいつか会いたいと、
そして、最後に2人で写真を撮りたいと、

何も伝えられなかったことを後悔しながら過ごしたこの一週間。

そして思いがけず、最後の最後に会う時間ができた昨日。一週間前に伝えられなかったことを伝え、撮れなかった写真を撮り、たくさんのありがとうを伝えてきました。

写真を見返すと泣いてしまいそうで、本当は寂しくて堪らないけれど、また それぞれの道で、それぞれ頑張っていくしかない。彼が頑張るから私も頑張る。

最終日の今日、定時を1時間程すぎた頃彼は病棟に来た。ありがとうございました、とみんなの前で挨拶する彼を、みんなと同じように見て、話を聞いて、お疲れ様でした。と労って、拍手で送り出した。本当にさよならなんだと思った。

私の欲しいものを全て持っている彼が羨ましくて、大好きで、尊敬していて、だから彼には悩みなんて無いんだろうとずっと思っていた。

一緒に過ごした最後の時間、ふと少しだけ話してくれた彼の弱い部分を、私がぎゅっと包み込むことのできる相手だったら良かったのに。

初めて目にした彼の悲しそうな表情を、私は多分忘れることができない。思わず彼の手を取って、大丈夫だよ。と言うことしか出来なかったけれど、本当は “私はあなたのことがずっと好きだよ” と伝えたかった。だけど言葉にすることは出来なくて、握った手にそう思いを込めていた。

一緒に撮った最初できっと最後の写真は、私だけの宝物。もしまた会う日があればまた、そしてもうずっとさよならだったらそれはそれでいいんだ。

楽しかった時間は無かったことにはならないから、本当にありがとう。だけどやっぱりさよならは少ないほうがいいな。

じゃあね、さよなら。
またいつか、会えたら嬉しいです。