喫茶店探訪ちーかま

喫茶店のことばかり。 街に佇む古き良き喫茶店を巡り 味のある外観や個性的な店主、独特な…

喫茶店探訪ちーかま

喫茶店のことばかり。 街に佇む古き良き喫茶店を巡り 味のある外観や個性的な店主、独特な雰囲気を堪能中。喫茶店探訪は冒険のごとく。 関東を中心に550軒探訪済み。#喫茶店探訪instagram @chiicama_samba

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#喫茶店探訪 プロローグ

気づけば 喫茶店が好きだった。 愛知県育ちゆえに 土曜の朝は家族で喫茶店でモーニングと決まっていたし、初めてのアルバイトは喫茶店「キャッツアイ」。水より多く珈琲を…

松濤「シャルマン」 ー上京者がまたひとつ 都を知れた日ー

渋谷という街はヤングなエネルギーに溢れていて、上京したての二十歳のころはとにかく渋谷に通った。行く、より「通う」と言った方がしっくりくる日常だった。 買い物に、…

水道橋「バン 増田店」(閉店)ーマスターは劇団上がりか何か。ー

見ようによっちゃあジェットコースターの上り坂のようにも見える階段を登る。黄色いビニルシートの先はどんな世界が待っているのか。 スタッフ繰りは 夫婦とおぼしき男女…

西葛西「カフェデミール」ーママの声はデパガ風ー

西葛西駅から激近でミールという字がドカンと二階からこちらを見下ろしている。 ちょっと雑な感じの入り口には ラッツアンドスターを思い出すバンドマンの陶器の人形たち…

東陽町「峰」 ー魚も本も調味料も 入れすぎているー

“どこかで見たことあるような女の子がいっぱい。 コーチに脱がされる服の枚数はコンピューターのアガリ飜数に応じてちがうのヨ❤︎” この触れ込みだけで これがどんなゲ…

原宿「Repi Doll」 ー巡り巡って あびる油風ー

原宿の土曜の午後なんて、 クレープもスタバも行列が当たり前。そんな中でレピドールは座れる穴場だ。 土地柄、観光客も多く マスターは韓国からのお客さんにも慣れた様子…

初台「車」 ーママと私の波長ー

圧巻、である。 ビルに大きく力強いフォントで「車」。 なんて大胆で潔いのだろう。お気に入りの外観の一つだ。 私は入店してもなかなか存在に気づかれないことが多い。ド…

外苑前「川志満」ー賄いトークを聞きながら ごくごく普通のチーズトーストをー

コーヒーとおしるこ。 両者とも大好きではあるが あまり一緒には嗜まない。看板を見上げて、そんなことを考えながら入店。 店の真ん中に冷蔵庫を置くスタイルだ。 時々…

愛知・今池「セーシェル」 ー不意打ち 絶品カツサンドー

車を走らせれば 西に東に喫茶店。モーニング文化が根強い名古屋は最高だ。 ふと見つけた「セーシェル」の食事メニューは胃袋をつかまれるものばかり押さえている。 みそ…

新宿「らんぶる」 ーらんぶる あるある 言いたいー

らんぶる あるある はやく言いたい らんぶる あるある はやく言いたい らんぶる あるある はやく言いたい いつ行っても だいたい座れる 新宿の御三家の1つ、らんぶ…

愛知・碧南「蔵人」 ー朝組 全員集合ー

我が故郷 愛知県はご存知 喫茶店県。 久々の帰省で 駐車場が広い広い 愛知県っぽい店に来た。 くろうど ではなく 「くらんど」と読むらしい。 土曜の朝8時、満車。愛知県…

人形町「レモン」 ーママが“いいとも”をガン見していたあの頃ー

これは家か? いや 店だ。 そう自問自答することも少なくない。 開いてない…? いや 開いてる。 この二つ目の回答が出た時には 嬉しさのあまり勢いよく喫茶店のドアを…

浅草「友路有」浅草店 ーおソースが薄くてらっしゃるー

浅草の喫茶店は日曜定休が多い。 久々に探訪できる嬉しさから浅草を歩き回り、トゥモローと読む店にたどり着いた。昔ながらの喫茶店…たまに聞くフレーズは一旦スルーしよ…

自由ヶ丘「六文銭」 ーマスターが書いた「ロシアの女」を読まされてー

外観からして、ちょっとニオうぞ、と思った六文銭。 その臭は、主にマスターから発せられていた。 賑わう店内。カウンター席は1人客専用のように個人がずらりと並んでい…

川崎大師「城亜」ー厄除け後の焼うどんは美味かったー

厄除けに行ったらここに立ち寄る。 一年の締め括りのようなものだ。 川崎大師で太鼓のシャワーのような護摩祈祷を終えたら 城壁にポツリとコーヒーカップがはっつけられた…

町屋「カラビナ」(閉店) ーデート前には禁物。燻し覚悟の暖炉喫茶ー

「町屋に行くなら すごい雰囲気のいい喫茶店があるよ」 そう前々から聞いていた。 そこまで言うならよほどの名店なんだろう。期待が高まる。 仕事で町屋に寄ることが…

#喫茶店探訪 プロローグ

#喫茶店探訪 プロローグ

気づけば 喫茶店が好きだった。

愛知県育ちゆえに 土曜の朝は家族で喫茶店でモーニングと決まっていたし、初めてのアルバイトは喫茶店「キャッツアイ」。水より多く珈琲を飲んでいた青春時代…下戸で甘党な私は 自然と珈琲と共に生きる道を歩んでいた。

街に佇む古き良き喫茶店に通いはじめてはや20年。個性的な外観に凝った内装 、ごちゃっとした店内に独特な店主。マニュアルなんてない接客。…起こること全てが冒険

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松濤「シャルマン」 ー上京者がまたひとつ 都を知れた日ー

松濤「シャルマン」 ー上京者がまたひとつ 都を知れた日ー

渋谷という街はヤングなエネルギーに溢れていて、上京したての二十歳のころはとにかく渋谷に通った。行く、より「通う」と言った方がしっくりくる日常だった。

買い物に、お茶しに、特に目的はないけどいつもの順路で巡ってみたりしていたのは、今思うと駅からさほど離れていない店ばかりだ。
巨大都市渋谷の大きさを測り間違えていたし、駅周辺以外を散策する勇気もなかったのだ。

社会人になり、それとなく東京で暮らす者

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水道橋「バン 増田店」(閉店)ーマスターは劇団上がりか何か。ー

水道橋「バン 増田店」(閉店)ーマスターは劇団上がりか何か。ー

見ようによっちゃあジェットコースターの上り坂のようにも見える階段を登る。黄色いビニルシートの先はどんな世界が待っているのか。

スタッフ繰りは 夫婦とおぼしき男女と 男性バイト と予想できた。

人員観察をしながら 注文したナポリタンを待っていると、マスターが 皿を置きながらこう言った。

「ナァァ~~ポリタンッ」まじでそう言った。

劇団あがりか カラオケの常連じゃないと理解できない抑揚の付け方

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西葛西「カフェデミール」ーママの声はデパガ風ー

西葛西「カフェデミール」ーママの声はデパガ風ー

西葛西駅から激近でミールという字がドカンと二階からこちらを見下ろしている。

ちょっと雑な感じの入り口には
ラッツアンドスターを思い出すバンドマンの陶器の人形たちが居た。一人だけニット帽を被って暖かそうだ。

マーシーよ、この頃からやり直せたらいいのに ね。

店に入ると 人っ子一人いない。

すみません~と叫ぶと 
トイレから「はぁぁぁい」と必死の返答。すみません タイミング悪くて。

声の主は

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東陽町「峰」 ー魚も本も調味料も 入れすぎているー

東陽町「峰」 ー魚も本も調味料も 入れすぎているー

“どこかで見たことあるような女の子がいっぱい。
コーチに脱がされる服の枚数はコンピューターのアガリ飜数に応じてちがうのヨ❤︎”

この触れ込みだけで これがどんなゲームなのか分かるのだから すごい。

勝てば80年代アイドルに激似の女の子たちの
服を脱がしていくことができる おじさまの暇つぶしにはぴったりのやつだ。

絵とは言え、あの頃の静香やナンノそのものなんだから、このゲームを発売できちゃう緩

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原宿「Repi Doll」 ー巡り巡って あびる油風ー

原宿「Repi Doll」 ー巡り巡って あびる油風ー

原宿の土曜の午後なんて、
クレープもスタバも行列が当たり前。そんな中でレピドールは座れる穴場だ。

土地柄、観光客も多く マスターは韓国からのお客さんにも慣れた様子で対応中。

小腹がすいたので エビとタコの焼き飯を注文。作ってくれる奥さんは 飯島直子と「W-NAO」を組んでいた網浜直子に似ている。

調理し始めたと思った矢先、悲惨な状況はやって来る。

網浜直子が調理する

換気扇で匂いは外へ

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初台「車」 ーママと私の波長ー

初台「車」 ーママと私の波長ー

圧巻、である。
ビルに大きく力強いフォントで「車」。
なんて大胆で潔いのだろう。お気に入りの外観の一つだ。

私は入店してもなかなか存在に気づかれないことが多い。ドアを開けるその瞬間を楽しみたくて、敢えてそっと入っていくから仕方ないし、気づかれないことに 少し歓びを感じるようになった。

今回も例に漏れず。奥さんがテレビに夢中である。

そんな奥さんにアイスコーヒーのガムシロの有無を聞くと、入って

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外苑前「川志満」ー賄いトークを聞きながら ごくごく普通のチーズトーストをー

外苑前「川志満」ー賄いトークを聞きながら ごくごく普通のチーズトーストをー

コーヒーとおしるこ。

両者とも大好きではあるが あまり一緒には嗜まない。看板を見上げて、そんなことを考えながら入店。

店の真ん中に冷蔵庫を置くスタイルだ。

時々見かける、景観など全く気にしないスタイル。”見せる収納”とかそういうことではなく、店主たちの導線を最優先させた配置であろう。

はっきり言ってオシャレとか雰囲気があるとはかけ離れているが、そこにあってくれるおかげで、どんな食材を使って

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愛知・今池「セーシェル」 ー不意打ち 絶品カツサンドー

愛知・今池「セーシェル」 ー不意打ち 絶品カツサンドー

車を走らせれば 西に東に喫茶店。モーニング文化が根強い名古屋は最高だ。

ふと見つけた「セーシェル」の食事メニューは胃袋をつかまれるものばかり押さえている。

みそカツ 魚フライ エビフライ ハンバーグ オムライス 焼肉焼きそば …

白地に青のメニュー看板の下には 剥げたオレンジのPマークが 駐車場所を誘導している。

店内は広く、均一にテーブルと椅子が配置されている。

壁際に、チューリ

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新宿「らんぶる」 ーらんぶる あるある 言いたいー

新宿「らんぶる」 ーらんぶる あるある 言いたいー

らんぶる あるある はやく言いたい

らんぶる あるある はやく言いたい

らんぶる あるある はやく言いたい

いつ行っても だいたい座れる
新宿の御三家の1つ、らんぶるは
大都市の中心部にあるにも関わらず
地下から見下ろした時の、その圧倒的な席数により必ずと言えるほど 座れる。

混み合う土日に行っても 座れる。

こんな安心感を与えてくれる名店もそうそうないのではなかろうか。

休憩し

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愛知・碧南「蔵人」 ー朝組 全員集合ー

愛知・碧南「蔵人」 ー朝組 全員集合ー

我が故郷 愛知県はご存知 喫茶店県。
久々の帰省で 駐車場が広い広い 愛知県っぽい店に来た。

くろうど ではなく 「くらんど」と読むらしい。

土曜の朝8時、満車。愛知県の人は本当に喫茶店に車で出没する。

店内は朝とは思えぬ熱気に包まれ、従業員の数もはんぱない。繁盛、何よりである。

モーニングを朝組と表現してある。
私は専ら朝が弱いが モーニングのためなら朝組になれる。

人形町「レモン」 ーママが“いいとも”をガン見していたあの頃ー

人形町「レモン」 ーママが“いいとも”をガン見していたあの頃ー

これは家か?
いや 店だ。

そう自問自答することも少なくない。

開いてない…?
いや 開いてる。

この二つ目の回答が出た時には
嬉しさのあまり勢いよく喫茶店のドアを開ける。

見事に住宅地に溶け込んでいる 素敵な喫茶店に出会った。深い茶色の木の枠に、薄黄色のカーテンが全ての窓を覆っている。すごく和の雰囲気だが看板にはコーヒー&ハンバーガー。ドクターペッパーの立て看板…飲めるのだろうか。

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浅草「友路有」浅草店 ーおソースが薄くてらっしゃるー

浅草「友路有」浅草店 ーおソースが薄くてらっしゃるー

浅草の喫茶店は日曜定休が多い。

久々に探訪できる嬉しさから浅草を歩き回り、トゥモローと読む店にたどり着いた。昔ながらの喫茶店…たまに聞くフレーズは一旦スルーしよう。

店内は混んでいてお一人様推奨の席へ通された。漫喫にでも来たかのような席と 店員さんがメイド服なのは、そういうものだと受け入れるしかない。壁には力道山が飾ってある。

ハンバーグのソースが選べたので デミグラスチーズソースを選択。

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自由ヶ丘「六文銭」 ーマスターが書いた「ロシアの女」を読まされてー

自由ヶ丘「六文銭」 ーマスターが書いた「ロシアの女」を読まされてー

外観からして、ちょっとニオうぞ、と思った六文銭。

その臭は、主にマスターから発せられていた。

賑わう店内。カウンター席は1人客専用のように個人がずらりと並んでいる。

壁にアジア圏と思われる民族のお面が敷き詰められていて、マスターが研究のために現地から調達してきたものだそうだ。

一際目立つ大きめの赤い面はインドネシアのもの。マスターは民俗学以外にも映画や洋楽について一筆添えることを業としてい

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川崎大師「城亜」ー厄除け後の焼うどんは美味かったー

川崎大師「城亜」ー厄除け後の焼うどんは美味かったー

厄除けに行ったらここに立ち寄る。
一年の締め括りのようなものだ。

川崎大師で太鼓のシャワーのような護摩祈祷を終えたら
城壁にポツリとコーヒーカップがはっつけられた城亜へと向かいましょう。

無機質なのにここに喫茶店あり、と説得力を感じるこの外観がなんとも好きだ。

中は4、5テーブルしかなく来客たちのアウターによって店はぎゅうぎゅうに感じる。

団体客がわりと深刻そうな会話をしている最中でも、マ

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町屋「カラビナ」(閉店) ーデート前には禁物。燻し覚悟の暖炉喫茶ー

町屋「カラビナ」(閉店) ーデート前には禁物。燻し覚悟の暖炉喫茶ー

「町屋に行くなら すごい雰囲気のいい喫茶店があるよ」
そう前々から聞いていた。

そこまで言うならよほどの名店なんだろう。期待が高まる。

仕事で町屋に寄ることがあったのでランチを兼ねて同僚と足を運んでみることにした。

都営荒川線沿いの道を少し奥に入り原稲荷神社の隣にその店はあった。

カラビナとはご存知、登山に使う器具の名前で、その名を店名につけたことからもわかる通りマスターは山とコーヒー

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