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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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#読書

電子書籍との付き合い方

電子書籍との付き合い方

最近読書熱が高まっていまして、今月に入って3冊読み終わりました。

その他にも5冊くらい並行して読んでいます。電子書籍を頻繁に使うようになって、読書の仕方が変わりました。以前は何冊も同時並行して本を読むことができませんでした。鞄の中に何冊も持ち歩くのが億劫で、結局途中でそのままフェードアウトしてしまうことばかりでした。

しかし、同じ端末を使うと、気分によって本を切り替えることに対する抵抗が低いで

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『熟達論』(為末大)

『熟達論』(為末大)

僕は基本的に量的な体験が質に転換すると思っています。だから、1つのことを継続的にたくさんやることを大事にしています。
一方で、強制的な体験の積み重ねに対しては疑問に思っています。

ただ、そうなると矛盾を抱えることになります。
とにかくたくさんやればいいのであれば、強制的であってもいいはずなのです。
そして、詰め込み教育とか過酷な練習はある程度の結果(どの程度の期間を指すかはさておき)が現れます。

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『ゆっくり、いそげ』

『ゆっくり、いそげ』

好きだけど「嫌い」と言ってしまう。
苦しいのに「大丈夫」と強がる。

人間は矛盾するところがあります。
けれど、それは部分だけを捉えているだけなのかもしれません。全体としてして見てみると、それは矛盾ではなく、マーブルや斑点模様のように絶妙に両立だけなのかもしれません。

『ゆっくり、いそげ』
これは、クルミドコーヒーの店主である影山知明さんがクルミドコーヒーの実践と試行錯誤から育まれた経済と贈与

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言葉のズレと共感幻想

言葉のズレと共感幻想

だれかに伝えてもなかなか伝わらない、人の話をきちんと理解できない。 そうしたチグハグな会話の経験がだれしも一度くらいはがあるでしょう。

一説によると、人が仕事を辞める理由の9割は人間関係が含まれるのだそうです。正確さはさておき、その説が広まる程度には支持されています。

人間関係やコミュニケーションのズレは、多くの人にとって関心の高い話題であると言えます。

そうした言葉のズレと共感について、幅

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『世界は贈与でできている』読書会の振り返り

『世界は贈与でできている』読書会の振り返り

2022年7月〜2023年5月まで『世界は贈与でできている --資本主義の「すきま」を埋める倫理学--』の読書会を全9回実施しました。本が9章立てなので、毎回1章ずつ輪読して、対話を重ねていく形で進行していきました。

今回、最終章までを終えたので、区切りとして振り返りを書きました。

なお、なるべく本の内容には直接的に触れないように書いていますが、一部引用があります。まっさらな状態で読みたい方は

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読書週間

読書週間

GW中は読書週間にしようと思っていて、3冊は読みたいと思っています。新しい本に手をつけるのもいいけれど、以前読んだ本を読み返す時間にしたいです。

読書会をやっていて、じっくり繰り返し読むことの豊かさに気づきました。

当時は深く感じることのなかった本が、今の自分には響くかもしれない。 たくさん速く読むことはそれはそれで得るものがあるでしょう。けれど、それはどうにも自分には難しそうだと最近感じるよ

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習慣と脳の科学

習慣と脳の科学

『習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてか(ラッセル・A・ボルドラッグ 神谷之康:監修 児島修:訳)』という本を読んでいます。専門書なので、脳科学と実験に関する専門的な言葉が多く、半分も理解できません。

しかし習慣を大事にする者にとっては、所々面白いことが書いてあります。

特に自制心に関する項目が面白かったです。 なにかを続ける時に、しばしば強い自制心が問われます。やるべきことを

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じっくりコトコト読む

じっくりコトコト読む

今年に入ってから、読書熱が結構高まっています。

時間をとって一気読みが近年できなくなってきているので、小分けにしながら隙間時間に少しずつ読み進めています。

密かに今年は最低30冊は読む目標を立てています。1月に2冊強のペースですが、じっくりコツコツ読むのにはこれくらいがちょうどいいのではないかと思っています。

また、読む本に関しても自分がこれまで読んでこなかった本に手をつけようと思っていて、

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未来から突き動かされる

未来から突き動かされる

最近毎月のようにやっている読書会があって、一応僕が主催者なんですが、もはや自分の手を離れている感覚があります。

最初だけは自分の意志で持ってやったものの、僕は単発で終わらせるつもりでした。 それを参加者が「次回も」と言うので、その声に押されるようにして2回目をやりました。それが続くうちに定番化しています。

一応、最低限の進行はするものの、一度話し始めると参加者が勝手に発言して、勝手に満足して帰

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1回じゃわからん

1回じゃわからん

 今日は『世界は贈与でできている(近内悠太)』の読書会を行いました。

 話の中身については割愛しますが、ところどころ書いてある内容に引っかかる箇所があります。どうも理解できない、あるいは釈然としない。

 対話を重ねる中で、「よくわからないからこそ、こうしてみんなで読んで理解を深めるのだ」という話になりました。今はとりわけわかりやすさを求められる時代ですが、1回読んでわかるような内容であれば、そ

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わかりづらさと二人三脚

わかりづらさと二人三脚

 読書熱が高まっていて、漫画や実用書、哲学書まで幅広く読んでいます。最近小説はあまり読んでいないですが、積読がある程度消化できたら小説にも取りかかりたいです。

 そんな中で読んだ漫画で、『ケーキが切れない非行少年たち』があります。
 少年院にやってくる非行少年少女の中には、障害を抱えている人達もいて、その人たちに光を当てた物語です。

 読んでいて、とても心がざわざわしました。それと同時に奇妙に

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『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』

『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』

 僕は失敗することは大事だなと思っていました。
 失敗から学ぶことで、よりよくなっていく。失敗を過剰に恐れる気持ちや失敗を許さない風土があると挑戦しなくなってしまうので好ましくないです。

 ただ、積極的に失敗をしようと言えない自分がいました。というのも、同じ失敗を繰り返す人がいるからです。あるいは、僕自身も自分の気づかないところで同じようなパターンを繰り返している可能性もあります。

 ただ失敗

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失敗を受け入れる素直さ

失敗を受け入れる素直さ

今『失敗の科学』という本を読んでいます。

 タイトルの通り、「失敗」に関する本なのですが、失敗する理由についてではなく、失敗からどう学ぶかに関する内容となっています。

 事例を交えながら論理的に語られていて興味深いです。失敗はだれにでも訪れます。それは頭の良し悪しとか、システムをいかに整えても人間が関わっている以上、変わりません。

 だから、失敗しないようにするよりも、いかに繰り返さないかが

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『世界は贈与でできている』は疑問に言葉を与えてくれる

『世界は贈与でできている』は疑問に言葉を与えてくれる

 最近読んだ本の中でも1番のヒットだった。

 タイトルだけを見ると、「贈与は凄い!」と賞賛する内容を想像するかもしれないけれど、中身は「贈与とはなんなのか?」を考察する一冊だ。

贈与をありがたがらなければならないか? 与えることは、相手のためになるだろうか?
 それは以前から僕自身が抱えてきた疑問だった。

 お金や食事、言葉や労力など僕達は様々な形で相手に差し出す。それに対して、対価を得れば

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