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着物のこと

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母の日だからこそ、着てあげたかった着物とは



今回は、母からもらった大島紬のお話。私が着物を着るようになって、母が私に譲ってくれました。

「私はもったいなくて着られなかったから、あなたが着てあげて」と。

“お母さん”に初めてもらった大島紬聞けばこの大島紬は、母が初めて“母”に作ってもらったものでした。

その母とは義母のこと、私にとってのおばあちゃん。

私の母は小さなころに実母を亡くしています。だから、“お母さん”の思い出はほとんど

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帯が主役の5日間

帯が主役の5日間

草木染めの優しい世界を西陣織で多様に表現する、夢訪庵さんの個展をお手伝いさせていただきました。

会期中は夢訪庵の帯を主役にしたコーディネートをたっぷりと堪能です!

【一日目】

初日は、このような大変な時期に足を運んでいただいたお客様に感謝を込められたらと選んだのがオーケストラの帯。

お客さまが楽しんでいるひとときに、BGMのようなお役割ができたらと。

【二日目】

富士山を背負いました。

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足もとの色

足もとの色

夏を迎える前に、浴衣に合わせる大人の下駄が欲しいと探していたところ、
Instagramを通して 「丸屋履物店」さんのことを知り、出かけてきました。

店内に入る前から鼻緒と台座の数に目がハート♥️
あらかじめ、サイトでチェックしていた烏表の舟底の台座を即決しましたが、考えなしで行っていたら相当迷っていたはず。

台が渋めなので、鼻緒は悩んでいました。

シンプルにしてしまうと私らしくないかな。

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できるだけ時間をかけて

できるだけ時間をかけて



ようやく仕事がひと段落。

いの一番で何をしたかと言えば、
きものを着ることでした。

普段は少しでも着る時間を
短くできるように励んでいるのですが、
今日はとにかくゆっくり着ました。

来る朝日を迎える前の、往く夜の月を見ながら。

ときにやり直し、ときにぼーっとしながら、
またはお会いする人のことを思いながら。
次第に着ること自体が楽しくなって、
気づくと鏡に映るわたしはあやしさ100%で

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律する草履

律する草履

いつかはと憧れていた履き物がありました。

物質としての美しさのみならず、

女性の艶を押し上げるその威力。

まだ私には身分不相応と思っていたけれど、

いやいや、私を高みに引き上げてもらおうと思い立ち、意を決して誂えることに。

憧れを手に入れるその日は、緊張と高揚感で、いつもより体温も高かったはず。

店主の内藤さんには「付下げで着るような草履が欲しいです」と伝えました。

訪問着ほどフォー

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理想のヒト

理想のヒト

理想とするヒトは誰ですか?

時々ふと考えるのですが、すぐさま具体的なヒトを思い浮かべることができません。

それこそ素敵なヒト、憧れのヒト、尊敬するヒトはいます。世の中には魅力的なヒトで溢れてる!

でも

理想のヒト

と言われると、私がそのヒトになりたいかということを基準にするからか、一人だけのような気がします。そして、そのヒトになりたいということは自分を否定することにならないかと。

だか

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自家製ほぼ日着物手帳(day-free)

自家製ほぼ日着物手帳(day-free)

ここ数年、ほぼ日手帳を使っています。

1日1ページのoriginalを使っていましたが、来年は月間スケジュールとフリースペースのday-freeに。月間だけでは予定が書ききれないので、たっぷりあるフリースペースに手書きで見開き1週間仕様に。

よくがんばった! バーチカルタイプの方が1週間のスケジュールを把握しやすいので、きっと便利なはず……。

そして残りのスペースには。

インターネットから

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着物のきっかけは、娘

着物のきっかけは、娘

私が着物に目覚めたのは、母や祖母の着物があったからとか、継がれるものをということではありませんでした。

きっかけは娘。それは娘が二歳の頃、着物好きの友人の付き添いで、京都の「だいやす」さんへ行った時のこと。当時着物に興味のなかった私は、店員さんと友人が会話をしているところを遠目に見ながら、棚に並んだ着物をボーッと眺めていました。

その中の一枚に目が釘付け。

赤紫の地にターコイズ!? 着物がこ

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その黄色、なに色でしょう

その黄色、なに色でしょう

最近、さらに着物のお楽しみが満喫できる本をゲット。

「配色事典 応用編」(青幻社ビジュアル文庫シリーズ)

1か月ごとの配色例が何パターンも載っているので、自分が持っている着物や帯と照らし合わせることができます。

例えば明日、黄色の着物を着たいなら、11月に記載されている配色例を参考に帯や小物の色合わせをすると、春のイメージが強い色も冬の装いに。

さらに、この本には色票、カラーチップがついて

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迷うて鳴呼悩ましや、いと楽し

迷うて鳴呼悩ましや、いと楽し

着物好きがたまらないことの一つ、それはコーディネートを考えることではないでしょうか。

私も行く場所が決まった瞬間から、脳内コーディネートが始まります。

それから箪笥へ。

「今回はあの着物が着たい」となれば、帯を取っ替え引っ替え。

でも箪笥から「やっぱりこの帯で行きたい!」となれば着物を決め直し。

着物と帯が決まったら次は小物。帯揚げ&帯締めを組み合わせます。

帯の上に帯締めを置いて、遠

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初めまして

初めまして

初めまして。稼業は編集者&ライターです。

着物をこよなく愛しています。たくさんのよきご縁のおかげで、着物に関するお仕事もいただけるようになりました。

とはいえ、毎日着物で生活しているわけではありません。

おしゃれの延長でただただ楽しんでおります。

そして諸先輩方に比べたら、知識も浅く、まだまだ修行の身。でも愛だけは負けない!と思っています。そしてその愛は深まるばかり。

着物の愛について、

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