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JW467 伊賀穴穂宮

【崇神経綸編】エピソード42 伊賀穴穂宮


第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。

時は流れ、紀元前32年、皇紀629年(崇神天皇66)となった。

ここは、伊賀国(いがのくに)の隠市守宮(なばりいちもりのみや)。

二千年後の三重県名張市(なばりし)である。

地図(三重県名張市)

そして、天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)の御杖代(みつえしろ)、倭姫(やまとひめ)(以下、ワッコ)は、驚きの声を上げていた。

系図(ワッコ)

ワッコ「二年しか経っておりませぬが、もう遷座(せんざ)なされるのですか?!」

アマ「仕方あるまい。そろそろ、別の地に遷(うつ)りたくなったのじゃ。」

するとそこに、采女(うねめ)の香刀比売(かとひめ)(以下、カット)。

大称奈(おおねな)(以下、ねな)。

その弟、大荒(おおあら)(以下、アララ)がやって来た。

カット「次の宮の名は、伊賀穴穂宮(いがのあなほのみや)にござりまする。」

アマ「候補地は三つじゃ! しっかりと解説致すが良い!」

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」

ワッコ「で・・・では、解説致しまする。まず一つ目は、三重県伊賀市(いがし)の下郡(しもごおり)に鎮座(ちんざ)する、猪田神社(いだじんじゃ)にござりまする。」

地図(猪田神社)
猪田神社(鳥居)
猪田神社(拝殿)

カット「こちらの社(やしろ)では『アマ』様だけでなく『ワッコ』様も祀(まつ)られておりまする。主祭神は、猪田神(いだのかみ)にござりまするが・・・。」

ワッコ「猪田神? 聞いたことのない神様じゃ。どのような神様なのじゃ?」

ねな「伊賀国造(いが・のくにのみやつこ)の祖先、伊賀津彦(いがつひこ)と言われてるわね。」

するとそこに、伊賀国造(以下、伊賀)がやって来た。

伊賀「皇女(ひめみこ)! 我(われ)が伊賀国造にござる。鮎(あゆ)など、朝餉(あさげ)、夕餉(ゆうげ)を支度(したく)致しまするゆえ、御安心くださりませ。」

ワッコ「おお・・・かたじけない。よろしく頼みまするぞ。」

ねな「ちょっと! 伊賀国造! あんた、正気なの? 『倭姫命世記(やまとひめ・のみこと・せいき)』に書かれてるからって、出て来たら、いいってモンじゃないのよ!」

ワッコ「ど・・・どうしたのじゃ? すごい剣幕(けんまく)ではないか?」

ねな「伊賀国造はね、日嗣皇子(ひつぎのみこ)の活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)こと『イク』様の曾孫が就任するの。だから、ここに居(い)ちゃ、ダメなのよ。」

カット「で・・・では、汝(なびと)は何者じゃ! 狼藉者(ろうぜきもの)か?!」

伊賀「えっと・・・ええっと・・・。ま・・・まあ、良いではありませぬか・・・。」

アマ「許す! それよりも、しっかりと解説致せ。まだ、二つ有るのじゃぞ!」

ワッコ「か・・・かしこまりました。」

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」

ワッコ「では、二つ目ですが、神戸神社(かんべじんじゃ)にござりまする。伊賀市の上神戸(かみかんべ)に鎮座しておりまする。こちらの主祭神は『アマ』様ですので、御安心くださりませ。」

地図(神戸神社)
神戸神社(鳥居)
神戸神社(拝殿)

ねな「それだけじゃないわ。『ワッコ』様も祀られてるのよ。こちらは、特に問題は無いわね。」

二つの候補地は紹介出来た。

次回、最後の候補地が紹介される。

つづく

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