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奇縁堂だより5【本の紹介:署名に「月」が入っている本】

 アメリカのアルテミス計画(NASAが提案している,月面探査プログラム全体のこと)の最初のミッションである,無人の宇宙船“Orion”を乗せた大型ロケットの打ち上げ(11月14日)がようやく成功しました。これから月面拠点の建設が始まり,やがて月での人類の持続的な活動をめざすための第一段階がこの打ち上げだということです。ロマンが有るような?無いような?複雑な気分です。

 この気分の複雑さは,51年前(1969年)の7月20日にアメリカのニール・アームストロングが人類で初めて月面に降り立った時に感じたインパクトに比べれば,さほどではありませんが…(年齢がバレるかしら?)

 アルテミスはギリシャ神話に出てくる女神で,〝月の女神〟や〝狩猟の女神〟とされているそうです。そこで今回は月の女神アルテミスにちなんで,書肆奇縁堂の在庫の中から書名に〝月(moon)〟が入っている本〔月(months)ではありません〕をピックアップしました。なぜか絵本が多くなってしまいました。縁があったらご一読ください。

 ちなみに,『月々に 月見る月は 多けれど 月見る月は この月の月』という読み人知らずの有名な和歌があります。ここには8個の〝月〟が出てきますが,moonとmonthsの違いは分かりますか?

・『上弦の月を喰べる獅子』(夢枕獏:著) 四六判,¥880(税込)
 すべてのものを螺旋として捉え,それを収集する三島草平は,新宿のビルに現実には存在しない螺旋階段を幻視した。また,若き日の宮沢賢治は,北上高地の斜面に彼にしか見えない巨大なオウム貝の幻を見た。
 それぞれの螺旋にひきこまれたふたりは……著者が仏教の宇宙観をもとに,進化と宇宙の謎に挑む物語。童話作家・詩人である宮沢賢治が出てくるのが面白い? 第10回日本SF大賞受賞作。

・『月と蟹』(道尾秀介:著) 文庫,¥250(税込)
 二人の少年と,少女。孤独な子ども達が始めた願い事遊びは,やがて切実な思いを帯びた儀式めいたものにり,そして秘密が絡み合い〝神様〟が創られる…第144回直木賞受賞作。

・『月にあいにったアギサ』(伊藤比呂美:文,斎藤隆夫:絵) B5判変形 ¥440(税込)
 福音館書店発行の〝こどものとも〟478号。パプアニューギニアの民話です。昔,人々は月の正体を知らなかった。そこで,それを知るために,アギサはカヌーをつくって月に向かって出発しました。途中にあるハチの国やヘビの国を,カヌーを駆ってなんとか通り抜け…そして月の正体を知った!

・『つきよのかっせん』(富安陽子:作,二俣英五郎:絵) B5判変形 ¥350(税込)
 これも福音館書店発行の〝こどものとも〟475号。夜,〝まなぶくん〟とのら猫の〝ブータン〟は,まんぷ寺で行われる寺狸との決戦に向けて出発!さて,その戦いとは?こんな戦いなら私もやってみたい!

・『たいようとつきは なぜ そらにあるの?』(エルフィンストーン・デイレル:文,ブレア・レント:絵) 23cm×24cm ¥550(税込)
 アフリカの民話を題材とした絵本で,〝太陽と月が,どうして今のように空にいるようになったか〟というお話です。大人だって知りたいですよね!


ここまでお読みいただきありがとうございました。
気になる本がありましたら,是非ショップにアクセスしてください!

書肆奇縁堂のURLはhttps://shoshi-kiendo.stores.jpです。 
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