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禅寺の徒弟がゆくーチベット僧院留学記ー

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チベット僧院デプン・ゴマン学堂への留学で学んだことや体験したことを書いています。
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#留学

横浜善光寺季刊誌『成寿』に留学記を掲載していただきました。

横浜善光寺季刊誌『成寿』に留学記を掲載していただきました。

横浜善光寺発行の季刊誌『成寿』に私の留学記を掲載していただきました。本文は下のファイルにてご覧いただけます。

『成寿』のバックナンバーは下のリンクから取得できます。

インドからの帰国劇 ーインド国内編ー

インドからの帰国劇 ーインド国内編ー

日本でも連日報道されている通り、コロナの影響でインドはかなり危機的な状況にある。都市部では感染者の増加に歯止めがかからず、医療体制は崩壊しかけている。

そんな中、5月初めに外務省から一時帰国を検討するようメールが届いた。同時に各方面からも心配の声が届いた。昨年も同じように大学から帰国を検討するようメールが届いたが、留学を終えるまで1年以上あったのでインドに残る選択をした。しかし、今回は状況が状況

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戻りつつある日常

戻りつつある日常

3月末にインド全土でロックダウンが開始されて以来、8ヶ月ぶりに生活用品店の正面出入り口が開いた。ロックダウンが開始された当初は店の営業が厳しく取り締まられていた。しかし、生活用品店だけは開いていないと困る。そのため店は裏口を開け、営業時間を制限して粛々と営業していた。それがやっと堂々と正面出入り口のシャッターを上げることができた。

食堂や喫茶店、本屋、携帯電話店も営業を再開した。

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コロナ禍中の僧院生活

コロナ禍中の僧院生活

インド全土でロックダウンが開始されてから3ヶ月が経ちます。ロックダウンの効果はあったのかどうかわかりませんが、インドの感染者数はずいぶん前に中国を抜きアジア1位になっています。それでもまだ感染者は1日に2万人近く増えいるようです。

私が今住んでいるカルナータカ州でも先週から感染者が急増しているようです。カルナータカ州は比較的感染者が少なかったのですがついにという感じです。お寺ではまだ感染者は報告

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インドでロックダウンが実施されてから2週間が経過。なんとか元気に生きています。

インドでロックダウンが実施されてから2週間が経過。なんとか元気に生きています。

インド全土でロックダウンが実施されてから2週間ほどが経った。まず驚いたのはロックダウン実施の発表が3月24日の夜で、実施開始が数時間後の25日0時からという驚異的な早さだ。日本ではまずあり得ないだろう。もちろんインドでも混乱はあっただろうが、政府や警察には逆らえないのでみんな従うしかないという状況だった。

私が留学しているデプン大僧院でも3月25日から法要などの集会は全てなくなり、食堂もお店もカ

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チベット暦の正月を迎えました!

チベット暦の正月を迎えました!

ロサルタシデレ!
2020年2月24日にチベット暦2147年の正月を迎えました。

年末には同郷の僧侶が集まって会食をしました。会食ではチベットの麺料理テントゥク(འཐེན་ཐུག་)やリタンの遊牧民の料理サクゴル(སྲེག་སྒོར་)をいただきました。
写真はテントゥクとサクゴルを作っている様子です。

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南インド乾季に突入ー洗濯物がよく乾くー

南インド乾季に突入ー洗濯物がよく乾くー

南インドは11月になって乾季に入ったようだ。

私がMundgodに到着してすぐの時は雨が降りっぱなしの日々だった。その時の様子は下の記事にまとめてあるので見て頂きたい。

しかし、11月に入ってからは一転して晴れっぱなしの日々が続いている。雨が降ることはあっても瞬間的に降るだけだ。お陰様で停電が少なくなった。

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ここ数日の電気と水

私がゴマン学堂に到着してから10日ほど経つのだが、雨が降らなかった日はない。そして降る時は強烈に降る。それが原因でここ数日電気と水道が満足に使えていない。

部屋の電気は夜に本が読めるか読めないかくらいに薄っすら点くだけだ。コンセントの差込口には電気は通っていない。ほぼ停電状態である。

昼間は日の明かりでなんとかなるのだが夜はどうしようもない。ただ、各寮には発電機が備えられており、停電している時

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チベット僧院の食事

チベット僧院の食事

今回はデプン・ゴマン学堂の食事について紹介します。

ゴマン学堂では朝、昼、夜と毎日三度の食事が無料で出されます。食事は大きな調理場で作られた後、各寮の食事当番が調理場から寮へと運んで来ます。朝は5時頃、昼は11時頃、夜は17時頃に食事が届けられます。朝は早いので食事当番が寝坊してしまうことがあるそうですが、その時は寮全員分の食事がなくなるそうです笑

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ゴマン学堂長ケン・リンポチェに謁見

10月17日に日本を出て、長旅を経て18日に無事デプン・ゴマン学堂に到着。日本からデリーへは直行便で9時間半かかる。そしてデリーからフブリ(ゴマン学堂の最寄りの飛行場)までは1回乗り継ぎを挟んで約6時間かかった。

飛行機ではじっとしていればいいだけだがなかなか疲れるものだ。デリーでもう一泊してもよかったかもしれない。

本日はゴマン学堂長ケン・リンポチェ・ロサン・ゲルツェン師へご挨拶に伺った。写

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留学に向けて

島根県にある小さな禅寺に生を受けて以来、私は仏の教えに囲まれて育った。

小学校に上がると、毎日朝早くから父と兄と一緒に本堂でお勤めするようになった。10歳の時に得度してからは、小僧として近くのお寺の法要や檀家の法事等に随喜させてもらった。中学生にもなれば仏教を勉強し僧侶として生きていきたいと思うようになっていた。この時はただ僧侶に囲まれて法要に随喜することが楽しく、父の説法をする姿を見て、自分も

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