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仙台秋保石とは?ふるさとの魅力を再開発しよう

宮城県には、地元で生まれ育った僕も知らない魅力がたくさんある。秋保石あきういしについては、存在こそ知ってはいたものの、その魅力にきちんと触れる機会はなかった。

僕が秋保石に夢中になったきっかけは、カフェ「ALTERNA(オルタナ)」との出会いだった。

秋保石の温かさに触れ、一瞬で虜に

宮城県の工務店、株式会社あいホームを経営する僕は、以前から建築端材の活用に取り組んでいる。

その一環で、会社の倉庫に薪ストーブを設置し、端材を燃料として活用している。

この端材の活用法を広めるために、宮城県内で薪ストーブを置いているカフェを探していた。

そんな矢先に、薪ストーブ販売の会社に勤めている知人が、僕たちが作っている端材家具を買いに来てくれた。薪ストーブが設置されたカフェについて尋ねたところ「父が経営していますよ」とのこと。

早速そのカフェを訪ね、店内に足を踏み入れた瞬間、石造りのカウンターに目を奪われた。温かみを帯びた石が、アットホームな空間を演出している。

「これは何ですか?」とマスターに聞いて初めて、それが秋保石だとわかった。

「おかえり」と語りかけてくるような石の温かさは、僕が目指すアットホームな家づくりに通ずるものがある。

話を聞くと、秋保石は600万〜800万年前の火山活動から生まれた歴史ある資源とのこと。秋保石についてもっと知りたくなり、マスターの紹介で秋保石の石切場を運営するSANWA STONE株式会社の千葉孝司社長を訪ねた。

後日、石切場の見学ツアーに参加し、完全に秋保石の魅力に取り憑かれた僕は、秋保石を地元に広めようと決意。宮城県で暮らしながら、この素晴らしい存在を知らないのは、あまりにももったいない

温かい色合いの秋保石は、東北の厳しい寒さの中で心をとかしてくれる。

地元を感じることができる家づくりを

その決意を表明するために作ったのが、こちらのモニュメントだ。

モニュメントの裏側には、建設に関わった人たちへの感謝の気持ちを込めて名前が刻まれている。

屋外だけではなく、会社のショールームの壁にも秋保石を使った。屋外にあるはずの「石」を屋内に設置することで、家の内と外の境界をなくし、家の中でも地元の豊かな自然を感じながら生活できるというメッセージを込めた。この考え方は、実はあいホームの家づくりのベースになっている。

あいホームのショールーム。正面の壁に秋保石をあしらった。

学生時代を首都圏で過ごした僕はUターンし、地元を豊かにしたいという思いでさまざまな取り組みをしてきた。ただし、それは地方にないものを埋める作業ではない。ないない尽くしと思われがちな環境で創意工夫を凝らすことこそが地方で暮らす面白さであり、僕が地元に帰ってきた理由だからだ。

むかしから地元にあるものを再開発し、その価値を誰よりもまず地域の方へ広める。それを積み重ねた先に、僕が目指す「最高のホームタウン」がきっとあるはずだ。

(あいホームの「ふるさとづくり」への思いをつづった記事はこちら。)

編集/三代知香

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